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Vol.22082 医療ガバナンス研究所 MEGRIでの1週間インターンを終えて

医療ガバナンス学会 (2022年4月18日 06:00)


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北海道大学 工学部 3年生
佐藤雅也

2022年4月18日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

私は大学の春休みを使って1週間ほど、医療ガバナンス研究所 MEGRIでインターンをさせていただいた。なぜ北海道大学に通う工学部の私が、東京の医療ガバナンス研究所でインターンをすることになったのか、また1週間のインターンで何を学びその後の行動がどう変化したのかについて書いていきたい。

まず、なぜ東京でインターンをすることになったのかを説明したい。私は春休み前半の1か月間は宮城県の石巻市で中小企業に入りインターンを行っていた。そこでは10人ほどでシェアハウスをしながら、日中は企業で課せられた業務をこなし、夜はともにインターンに参加している学生と自身の将来や目標などについて語り合い過ごした。参加している学生には休学を考えているものが多く、大学では得られないこと、経験できないことを休学して探すんだ!というものや、世界を見て回るんだ!というものがいた。私自身、起業したいと考えており、そのためにゴールデンサークルでいうところの「WHY」の部分を見つけなければと焦っていたのもあり、その場の雰囲気にのまれたのもありで、3年生から4年生の間に休学をして「WHY」を見つけるんだと決めてしまった。しかし、休学と言っても何をしていいのかわからないため、とりあえず色々な人の話を聞こうと思い、先輩やお世話になった方へ休学についてお話を伺いに行った。

その一人が高校時代の恩師である黒田 麻衣子先生である。黒田先生は私の地元の徳島県で国語の専門塾をしておられる方で、専門塾で指導を行いつつ、大学院に通われたり、特定非営利活動法人で活動をしたりなど、様々なことを精力的に行っている方でもある。その黒田先生に休学について相談したところ、一喝されてしまった。私は大学院にも行きたいと考えているため、3~4年の間にそんなふらっとした理由で休学しても院進に何もプラスに働かない!休学するならもっと時期を考えろ!とのことだった。確かに、目先の休学という言葉の響きに酔い、その後のことまで深く考えられていなかったと反省をした。また、黒田先生は私の視野はまだ狭く、もっと色々な世界を見なければならないともおっしゃられた。その新しい世界として紹介していただいたのが、医療ガバナンス研究所 MEGRIである。MEGRIでは様々なことを学んだ。大きく分けると以下の2つである。
・自分の価値の出し方
・自分のホームを作る
この2つに焦点をあててMEGRIでのインターンをまとめていきたい。MEGRIで私が行ったことは事務作業やお茶出しなど、言ってみれば単純作業である。東京まで行って単純作業をしていたのかと思われる方もいるかもしれない。しかし、私はこの「単純作業」で多くのことを学んだ。

私は今年の後期から大学の研究室に配属される。興味のある分野はVR・AR・MR技術や3次元映像である。しかし、恥ずかしながら興味があるというだけでその分野については人より少し知識がある程度だ。そんな専門的な知識がほぼない私が急にアカデミックな世界、それも自身の分野とは違う医療の世界に飛び込んだといって何ができるだろうか。インターン前まではそう考えていた。そんな考えを払拭し、インターンを有意義なものにしてくださったのが慶応義塾大学 医学部の4年生である谷悠太さんとMEGRIでデータマネージャーをされている山下えりかさんである。

谷さんは私と同じく黒田先生の教え子であり、MEGRIでインターンをしている。谷さんは休学しベンチャー企業でインターンをしていたことがあり、そこで自身の価値の出し方について深く考えることがあったのだという。まだ特別な知識も経験もない自分たちには簡単な作業しか振られない。その上で自身の価値を出し感謝されるようにするには、そういった作業を正確にこなすことはもちろん、より早くこなすことである、と谷さんはおっしゃった。何か仕事を振られたときに相手の期待値をどこかで超えることを心掛けているともおっしゃっていた。
山下さんには、学生の強みは「早さ」「元気」「礼儀正しさ」であると教わった。つまり、自身に今できる仕事を自ら探し、それが例え単純作業であったとしてもうなだれるのではなく、より正確に早くこなすことで価値を出していく。この積み重ねで信頼を得て、新しい仕事をもらえるようになるのだ。この、どのような場面でも自分の価値を出せるように動くという姿勢はインターンでとても勉強になったことの一つである。実際にインターンでは先に述べた「単純作業」を積極的に行った。まだまだ至らぬ点は多かったと思うが、信頼とまではいかずとも顔を覚えていただき、インターン後も論文に携わらせて頂いたり、自分の興味のあるVRの企業に伺わせて頂けることになった。以上がインターンで学んだことの1つ目「自分の価値の出し方」である。

2つ目の「自分のホームを作る」というのは先に述べたように、私にまだ専門的知識がないことにも通じる。インターン期間中、夕飯の時間に私の興味のある分野についてプレゼンする機会を頂いた。そこで上先生に、「自分のホームを作らなければならない」というお言葉を頂いた。ホームとは他の人がまねできない自分だけの強みのことである。しかし、この強みとは天才的なひらめきやアイデアなどで得るものではなく、人とのつながりなどを大切にしつつ地道に作り上げていくものだという。一握りの天才以外は、そうした地道な努力・人とのつながりで強みを手に入れているのだと上先生はおっしゃった。また同時に、世界に目を向ければどこまでも上には上がおり、自身の狭い世界の中で蛙になっていてはいけないともおっしゃられた。つまり、いつまでも謙虚でいつつ、人とのつながりを大切にし自分の独自性を持つことで自身の価値を磨くということだろう。インターンで自身のできることがとても少ないと感じていた私には重い言葉であった。

北海道に戻ってからはMEGRIでのインターンで学んだことをもとに、実際に動き出してみた。専門性をつけるべく、自分が行きたい研究室にコンタクトを取り、お手伝いとしておいて頂けるように頼んだり、VR企業への来社の件を進めたり、自身の視野を広げるために黒田先生のもとでインターンをさせていただいたりしている。もちろん、大学の授業もおろそかにしてはいない。様々なことに挑戦しつつ、自身の視野を広げていきたいと思う。まだまだ未熟な学生であるため、間違うことも多いだろうがめげずに挑戦し続けていきたい。夏にまたMEGRIに伺わせていただこうと考えており、その時には成長した姿を見せられるように日々精進しよう。

最後に、MEGRIでは上昌広先生をはじめとする多くの方にお世話になりました。1週間ではありましたが学んだことは多く、紹介してくださった黒田先生と、世間知らずの私に様々なことを教えていただいた上先生をはじめとするMEGRIの方々には深く感謝の念に堪えません。また、全く知らない方々に囲まれ、さらに自分の専門分野ではない場所でインターンできたのはひとえに同郷で同じ師に学んだ谷さんの存在が大きかったです。谷さんにもこの場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました

 

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