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Vol.23009 年頭所感『 I Have a Dream 』

医療ガバナンス学会 (2023年1月16日 06:00)


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社会医療法人河北医療財団
理事長 河北博文

2023年1月16日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

新年おめでとうございます。今年も皆さんにとって良き年でありますようお祈りいたします。
私にも夢があります。
ようやく総合病院の建て直しが具体化されました。清水建設株式会社が財団のパートナーとしてこの建設に取り組んで頂けることになりました。その他にも多くのパートナーがいます。

その第1番目は職員の皆さんです。パートとは、一つの全体を構成する部分を言います。パートナーが一丸となって協力することにより全体が達成されていきます。
1983年に南部鎮雄理事長が逝去され平福一郎新理事長のもとに私が副理事長になりました。その時から総合病院の建て直しは私の最優先の課題となってきました。
今年は2023年ですからすでに40年が経過しました。総合病院の建て直しが具体化されるまでの間、さまざまな医療機能を杉並区内に限定し造り運営してきました。
2016年12月には多摩事業部として天翁会との合併がありました。全てを通じ河北医療財団は単に診療と言う医療機能だけではなく、それを地域に面として広げていくことを、わが国におけるモデルとして創り続けてきました。

すでに、新病院建設の基本方針11項目を示してあります。これらは理事長が一人で決めた事ではなく皆さんとの議論の中から拾い上げてきた方針です。この11項目を前提としてさらに新病院の“夢”として3つの“姿”を説明したいと思います。姿とは、目的(vision)であり見えるようにすることです。
新病院は限られたスペースの中に390床の入院病床を持つことになります。現在の総合病院は本院331床、分院76床から成り合計で407床を有しています。
17ベッド減床になります。ダウンサイズになりますが機能は大幅に増強する計画です。約70床程度入院医療を機能強化することを目指した計画です。すでに示した11項目を職員の一人ひとりが熟慮してみてください。プライマリケアという基盤が充実してはじめてこの強化は達成されます。そのために1986年に実験的に導入したSRHSを再構築しなければなりません。SRHSは将来の日本の医療に不可欠なシステムだと当時考えて厚生省から科学研究費を頂き2ケ年度報告書をまとめ提出しました。このことは多摩事業部が実践してきた約40年の地域ケアにも相当します。地域を細かく観て全体像を創り上げていくことです。

2つ目の姿は財団の埋念の言葉でもある“地球環境と調和した”という地球環境に最も負荷の少ない病院施設、設備、運営を実現したいと考えています。ちなみにこの財団の理念は1986年に策定したものです。行政との協力が不可欠であり小池百合子東京都知事に直接お願いし、東京都として政策企画局、産業労働局、福祉保健局、環境局の4局とすでに協力関係のもと話が進んでいます。これらの話をもってさらに杉並区と今後環境問題に関する課題を解決していきたいと考えていますが、そのキーワードは“共用”です。

3つ目の姿は情報化です。情報化はうまく使えばとても便利なものですが、個人情報が含まれるため個人の安心と納得が求められます。これらのことも1983年導入の医療費自己負担分の銀行口座自動引き落としによって実験済みです。患者さんの立場で入院と外來のフローをアプリ化します。財団職員の働き方、業務を大幅にトランスフォームします。そして、地域の健康向ヒに寄与するために電子カルテ内の情報をデータベース化し個人のPHRを含め生活と医療の情報基盤を作りたいと考えています。そのためには関係者のリテラシーを向上させなければなりません。

皆さんにはこの3つの姿がなんとなく頭の中に浮かんできたでしょうか。夢は夢ごとのまま消えてしまうのではなく実現できる夢でなくてはなりません。そして、これらの姿は社会のモデルとなり、制度をも変えるものにもなるのです。
私の夢がみなさんと共有できる夢であることを望みます。

今年も皆さんが健康であり幸せで良い年をお過ごしになるよう心から祈念いたします。

2023年1月1日

MRIC Global

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