医療ガバナンス学会 (2023年7月31日 06:00)
鹿児島県 志布志市 井手小児科
井手節雄
2023年7月31日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
誤誘導という言葉は、マジシャンが観客の注意を別の方向に向かせるためのテクニックであるMisdirectionという言葉に由来しています。
つまり、あることに注意を引き付けて、正しくないことを、正しいと錯覚させるテクニックのことです。
一般的に、情報は「正しい」か「嘘をついている」かで判断されやすいのですが、「正しい情報を織り交ぜることで、ある事を正しいことと錯覚させる」誤誘導という手法があります。
特に、注意しなければならないのが誤誘導サブリミナルと言われています。サブリミナル手法とは「錯覚させた情報を、正しい情報として潜在意識に刷り込ませる技術」のことです。
つまり、誤誘導とは「正しい情報を織り交ぜることで、ある事を正しいことと錯覚させる」手法のことであって、「錯覚させた情報を、正しい情報として潜在意識に刷り込ませる技術」をサブリミナル手法と言います。サブリミナル(subliminal)とは潜在意識という意味です。
誤誘導は心理学の専門家が仕掛けるものであって、一般の人が誤誘導を見破ることはできません。
しかし、裁判においてイーライ・リリー社が嘘を繰り返したことで、矛盾が生じて、自ら誤誘導を破綻させてしまいました。
イーライ・リリー社は排尿障害治療薬ザルティアと肺動脈性肺高血圧症治療薬アドシルカの危険性を取るに足りないものと錯覚させるために、添付文書に誤誘導というマジックを仕掛けていました。
私は排尿障害治療薬ザルティア5㎎を服用したことで、94/56mmHgという低血圧が起こり、脳貧血発作をおこしました。
問題になるのは、肺動脈性肺高血圧症治療薬アドシルカです。肺動脈性肺高血圧症の患者に低血圧が起こった場合、突然死に繋がります。
驚くことにアドシルカの用量は排尿障害治療薬ザルティアの8倍の40mgです。絶体禁忌と言えるアドシルカが、40mgという高用量で使われていることに震撼とするものを覚えます。
肺動脈性肺高血圧症という病気は難病指定の病気であって、日本では6000人から9000人の患者がいます。
肺動脈性肺高血圧症治療薬アドシルカはまさに狂気の創薬です。添付文書にまでからくりを仕組んで薬の危険性を隠蔽し、難病患者の治療薬として販売するなど、タダラフィル事件は「難病患者の命の軽視」という人道的問題が絡む事件です。
肺動脈性肺高血圧症という病気の死因の25%が突然死です。アドシルカを服用した場合の肺動脈性肺高血圧症患者の死因も低血圧による突然死です。
添付文書のからくりで、専門家と言われる医師たちもアドシルカの危険性には気づいていません。アドシルカを服用している患者が突然死しても、薬のせいで死亡したと気づかれることはありません。イーライ・リリー社はここまで計算していると考えざるを得ません。
タダラフィル事件については、添付文書のからくりでタダラフィルの危険性を隠蔽しているという証拠が有り、タダラフィルの危険性は薬理作用で証明されるものであるという事実があります。
厚労省もRMP(医薬品リスク管理計画書)で、薬理作用からは想定できるが臨床的に確認されていない薬のリスクを「重要な潜在的リスク」として指定しています。まさにアドシルカのリスクは「薬理作用からは想定されるが、臨床的には確認されていない潜在的なリスク」に該当します。
http://expres.umin.jp/mric/mric_23136.pdf
そして、アドシルカは特例承認により製造販売が承認された薬です。特例承認の場合、添付文書にからくりを仕組んでいることなどの不正があると、承認取り消しという処分が行えます。
そしてアドシルカは、厚労省の指摘する「重要な潜在的リスク」を隠蔽している薬です。
薬の餌食になっている難病患者の命を救うために、マスコミの力でアドシルカを製造販売中止に追い込んでいただきたいと思います。
肺動脈性肺高血圧症友の会の顧問の先生たちも、添付文書のからくりに欺かれて、アドシルカの危険性に声を上げてはいただけませんでした。
上昌広先生は歴史的な事件であると仰ってくださっています。