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Vol.122 【緊急要望】原発被害長期化(数ヶ月を含む)における緊急対応(2011/4/3)

医療ガバナンス学会 (2011年4月13日 22:00)


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「患者の生活・就労をつむぐ会」
佐藤香織(現在福島県から東京へ避難中)

2011年4月13日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


私たち患者会の代表が、3月15~17日、31日~4月2日にかけて、郡山市、会津若松市、福島市、相馬市、南相馬市、飯館村、平田村、いわき市等の介護 派遣等をする事業者、社協、行政等から現地でお話をお伺いしました。そこで、菅内閣総理大臣に、緊急に要望書を提出しました。

原発被害長期化による、「生活が成り立つかどうか」等の観点から早急な支援・避難の拡充、転換を

原発被害長期化(数カ月も含め)が見えている現時点において、「生活が成り立たつかどうか」「被曝の長期的な影響」等の観点からも、政府として大胆に救済の拡充、介入を求めます。さらなる転換期にきています。

3月15~17日、31日~4月2日、郡山市、会津若松市、福島市、相馬市、南相馬市、飯館村、平田村、いわき市等の介護派遣等をする事業者、社協、行政 等から現地でお話をお伺いしました。病気・障害、高齢等で避難所の生活に耐えられなくなっている方、避難所さえ行けないで地域で孤立する方々が3週間近い 現在でもいらっしゃり、現場は待ったなしの状況が続いています。原発から30キロ圏内・外を問わず介護派遣等の事業所が撤退し、行政とボランティアだけで 見守り活動をし、命をつないでいるところ。市外の事業所からヘルパーさんの使命感のみで、時間を区切り食糧等を届けているところがあります。又、皆さん一 様に、避難する場合にもヘルパーさん等の民間個別対応、自治体だけではとても移動手段が確保できないことを(30キロ以上も含め)訴えていらっしゃいま す。ヘルパーさん等の現場の方々、被災にあった自治体に責任を迫るのはあまりにも酷です。
個別の事例対応だけでなく、同じような立場で窮迫する方々に対して一刻も早く政府としても介入し、生活を成り立たせ、絆を強く結ぶ対策を講じるべく、以下要望いたします。


1. 原発被害長期化(数か月も含め)が見えている現時点で、「生活が成り立たつかどうか」「被曝の長期的な影響」等の観点からも、国として支援策、被災認定の強化、避難圏域の拡充(30キロ内、外も含め)等の転換期に来ています。
特に病気・障害、高齢、子供等の医療・介護・生活に特別のサポートが必要な人には別途避難範囲を設定し 政府としても避難手段の確保、明確な生活保障・対策を早急に拡充してください。

2. 病気・障害、高齢、子供等の福祉避難所をもっと、早急に、拡充し、移動も含めて支援してください。

3. 病気・障害、高齢等で孤立している方の行政データ(社協を含め)と民間事業所のデータ(各自治体がもつ介護等事業所リスト、各事業所の派遣実績)にズレが 見られます。声掛けに漏れがないか厚生労働省でも体制を 強化し、精査して下さい。自治体自身も被害者であり、とても手が回らず、国の支援が必要です。国 保連等のデータを活用する等、安否確認、孤立する方(慢性疾患者等の制度の谷間を含め)が一人も出ないようにしてください。

4. 住民は原発被害のある地域に住み続けています。一時の影響だけでなく、長期間(1ヶ月、半年、数年)居続けた場合の被曝の蓄積、どのような影響があるのかを速やかに情報公開し、周知徹底してください。
特に子供はその地域で就学を継続しても大丈夫か、避難範囲、疎開とも連動して迅速に行ってください。未来ある子どもの将来に全ての大人が責任をもち、声なき声に答えてください。

5. 原子力・安全保安院等、被災時については、別途、第3者性を担保した、国際基準、国際的人員とも連動させた機関を早急に立ち上げ機能させてください。被害 を出している側、推進する立場ではどんなに公平にしようとしても、無意識に自己防衛や隠ぺいがおこり、被害の拡大、初動の遅れにつながります。市民コント ロール、政治介入が効かない状態で放置し、個別の学者が長時間いた場合の影響・要因を少なく見積もった情報を氾濫させていては、余計に不安、混乱が広がり ます。国際的にも連携した総合機関からの統一したわかりやすい説明、情報公開を求めます。

6. 行政支援・ボランティア空白が出ないように情報公開してください。又、被曝の影響を考えたボランティアの入り方(ボランティア期間、ヨウ素剤の配布等)を指導してください。
※原発30キロ圏内では、1週間以上支援を続けることを求めているボランティアコーディネーターのインフォメーションもありました。早急な改善、調整が必要です。

7. 初動・物資配給・医療・介護体制の遅れが、住民の命の線引きに直結しています。支援のさらなるスピード化と繰りかえさないための検証、体制改善を求めます。

【情報源の立場保障について】
情報提供いただいた方々はそれぞれの立場、役職等もあるなか、甚大な震災対応の窮迫状況を伝えるために可能な範囲でご協力いただきました。ともすると復興 の機運、責任論や風評被害等から大変な実情を言い出せない現状もあります。特に未来ある子供の将来への影響は、大人の事情だけでなく、冷静に判断する必要 があると思います。ある程度の集団パニックは機能させながらも、過度にならないことの対策も含め、ご協力いただいた方々の立場保護等にご協力いただきたい と思っております。何卒、よろしくお願いいたします。

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