医療ガバナンス学会 (2012年10月15日 06:00)
今回の内容はロハスメディカル8月20日号に掲載されています
医療現場危機打開・再建国会議員連盟幹事長
民主党政策調査会副会長 鈴木寛
2012年10月15日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
法案成立によって政府が守ろうとしているのは、まさに国民の財産であり、生活です。最大の懸念は、国債金利の上昇です。国債金利の急変が仮にあった場合、 日本の金融機関や国民の財産が減失し、国家予算編成に窮するという可能性が否定できません。IMFも同趣旨の懸念を表明しています。ところが、こうした事 態の危機感は共有されていません。
もちろん、一体改革法は国民の意思を問うに値する重要な案件です。国民の皆様にしてみれば「もっと自分たちを信じてほしい」と思われるでしょう。ただ、判 断材料たる情報をきちんと伝えてくれない状況で、皆様も適切な判断が下せるでしょうか。特に、国債金利を低くとどめる努力は一瞬も気を抜けません。「マニ フェストにない」からと放置はできないのです。
この状況は、医療で言うところのパターナリズム(父権主義)とインフォームドコンセント(説明を受けた上での患者の同意)の関係を思い起こさせます。古来 より医療では、患者に利することを前提に、医師に治療の裁量がありました。近年では患者の意思決定の自由を尊重し、事前のインフォームドコンセントが重視 されます。しかし患者の容態が急変しそうな場合には、可能な限り説明を尽くした上で緊急手術に踏み切るのが、主治医のあるべき姿です。同じように一体改革 法は、目前の最悪のシナリオを回避するための、ぎりぎりの選択というわけです。
なお、社会保障制度改革の中身については、有識者や国会議員による「国民会議」ですみやかに議論し、結論を出すことになります。これからが本当の正念場なのです。