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Vol.224 相馬高校土曜講座を担当して(2)~相馬で過した時間

医療ガバナンス学会 (2013年9月18日 06:00)


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京都大学アメリカンフットボール部OB部会会長
NPO法人きらめき未来塾副理事長
水野 彌一
2013年9月18日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


7月19日15:50、仙台空港に降りた。京都は35℃を越す厳しい猛暑日、半袖シャツ1枚で飛んできた。外気温は涼しさを通り越し寒く感じた。途中、新 地町教育委員会に村山正之教育長、松本一宏指導主事を訪ねた。彼らは尚英中学校で計画中の夏期セミナーについて、熱く語った。役場の展望ロビーに案内さ れ、津波で消え去った町並の跡に生茂る夏草、西日に輝く太平洋を前に、松本主事の3・11の体験を聴いた。言葉を失い立ちつくしていた。明日の土曜特別講 座には、震災で家族や友だちを失った高校生も参加するだろうな。彼らに何が伝えられるのだろうか。特別な舞台だと感じた。17:30過ぎ、相馬高校の小野 田義和先生を訪ね、校内見学後、情報交換会会場へ向かった。この困難な環境の中で、生徒たちに情熱を注ぎ、日々の学習について熱く議論する先生方の輪に加 わった。経験と行動から発せられる言葉は確かな力を持っている。相馬高校の高篠直也先生、小野田先生、原町高校の太田重則先生、仙台から同行くださった神 戸女学院の寺口浩先生、学習評価研究所の松浦三郎氏等との話に心が弾んだ。場所を星槎寮に移すと、代々木ゼミナールの藤井健志氏、NTTナレッジ・スク ウェアの有本武司氏、ナビタスクリニックの岩本修一氏、相馬市役所の阿部勝弘氏なども加わり、相馬を舞台に熱い思いを語り合った。キーワードは「未来」 だ。すばらしい仲間に出会った。星槎国際高校の尾崎達也氏の心配りにはほんとうに頭が下がる。すでに深夜1時を回った。余韻を楽しみながら、翌朝の相馬高 校1年生との出会いに思いを馳せ、布団に入った。

翌日朝よく晴れた。職員室で小野田先生が入れてくれたコーヒーは特別だった。私が無二のコーヒー好きだということを知っていたのだろうか。「若者に期待す ること!一瞬一瞬を重たく生きる!」これについて、今日は正直に真剣に自分を語ろう。教室に立った。35名ほどの生徒たちから沸き起こった拍手、彼らの目 は澄み、輝きを放っていた。久しぶりに心地よい緊張感を味わった。防衛大学でのこと、京都大学でのこと、コロラド大学でのこと、アメリカンフットボールに かける思い、弱小チームが日本一になること等々について、話題を展開した。「自らの限界に挑む強い意志を持て!」と呼びかけた。120分間、話し続けた。 話の構成や不備を恥じながら、生徒の反応を見た。3名が手を挙げ、質問を投げかけてくれた。さらに30分間、うれしい時間だった。昼食時にアンケートを見 せてもらった。印象に残った言葉を記してくれた。「チャンスは二度と戻らない、失敗は自らの努力で解決できる」。多くの生徒が受けとめてくれた。

午後原町高校に移り、本多光弥校長先生に励まされ、再び講演させてもらった。南相馬は深刻な原発問題を抱え、苦脳はさらに続くと聞く。校庭には小高商業高 校の仮設校舎が見える。私の想像など到底及ぶまい。そんな生徒25名が、静かに私の言葉を待った。相馬高校での講演同様、不可能を可能にしてきた自らの経 験と行動について、話した。「自分に勝て!」「限界に挑む強い意志を持て!」伝えたかったことだ。彼らの真直ぐな姿勢、見つめる瞳から、むしろ私の方が大 きな勇気を授かったように思う。相馬の時間空間に身を置き、多くの発見と新鮮な感動に出会うことができた。温かく迎えてくれた生徒諸君に改めて感謝しま す。

略歴:
1940年生まれ、防衛大学、京都大学工学部、同大学院、コロラドスクール・オブ・マインズ大学院を経て、京都大学アメリカンフットボール部監督となる。
2011年監督を退く。現在、京都大学アメリカンフットボール部OB部会会長、NPO法人きらめき未来塾副理事長。また2012年より、追手門学院高校でアメフト部を指導。

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