医療ガバナンス学会 (2013年9月18日 06:00)
京都大学アメリカンフットボール部OB部会会長
NPO法人きらめき未来塾副理事長
水野 彌一
2013年9月18日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
翌日朝よく晴れた。職員室で小野田先生が入れてくれたコーヒーは特別だった。私が無二のコーヒー好きだということを知っていたのだろうか。「若者に期待す ること!一瞬一瞬を重たく生きる!」これについて、今日は正直に真剣に自分を語ろう。教室に立った。35名ほどの生徒たちから沸き起こった拍手、彼らの目 は澄み、輝きを放っていた。久しぶりに心地よい緊張感を味わった。防衛大学でのこと、京都大学でのこと、コロラド大学でのこと、アメリカンフットボールに かける思い、弱小チームが日本一になること等々について、話題を展開した。「自らの限界に挑む強い意志を持て!」と呼びかけた。120分間、話し続けた。 話の構成や不備を恥じながら、生徒の反応を見た。3名が手を挙げ、質問を投げかけてくれた。さらに30分間、うれしい時間だった。昼食時にアンケートを見 せてもらった。印象に残った言葉を記してくれた。「チャンスは二度と戻らない、失敗は自らの努力で解決できる」。多くの生徒が受けとめてくれた。
午後原町高校に移り、本多光弥校長先生に励まされ、再び講演させてもらった。南相馬は深刻な原発問題を抱え、苦脳はさらに続くと聞く。校庭には小高商業高 校の仮設校舎が見える。私の想像など到底及ぶまい。そんな生徒25名が、静かに私の言葉を待った。相馬高校での講演同様、不可能を可能にしてきた自らの経 験と行動について、話した。「自分に勝て!」「限界に挑む強い意志を持て!」伝えたかったことだ。彼らの真直ぐな姿勢、見つめる瞳から、むしろ私の方が大 きな勇気を授かったように思う。相馬の時間空間に身を置き、多くの発見と新鮮な感動に出会うことができた。温かく迎えてくれた生徒諸君に改めて感謝しま す。
略歴:
1940年生まれ、防衛大学、京都大学工学部、同大学院、コロラドスクール・オブ・マインズ大学院を経て、京都大学アメリカンフットボール部監督となる。
2011年監督を退く。現在、京都大学アメリカンフットボール部OB部会会長、NPO法人きらめき未来塾副理事長。また2012年より、追手門学院高校でアメフト部を指導。