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Vol.193 都市対抗野球の魅力

医療ガバナンス学会 (2016年8月25日 06:00)


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この原稿はハフィントン・ポスト(7月20日配信)からの転載です。

http://www.huffingtonpost.jp/yoshinobu-sawai/intercity-baseball-tournament_b_11080056.html

株式会社スポーツバックス
澤井芳信

2016年8月25日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

 ●大人版甲子園
今年も7月15日から、社会人野球の頂点を決める都市対抗野球が東京ドームで開催される。都市対抗野球というのは、その名の通り、各地区予選を勝ち抜いてきたチームが、都市の代表として出場する。簡単に言うと大人版甲子園である。
どういったチームが出場するのかをご存知だろうか?地方から大手まで硬式の野球チームを持った企業やクラブチームが出場する。日本生命やパナソニック、トヨタ自動車、JR、NTT、東芝、日本通運などよく名の知れた大手企業から、四国銀行、きらやか銀行など地方を拠点とした企業やクラブチームが出場し戦うこととなる。また「都市対抗」野球なので、電光掲示板には、企業名ではなく、都市の名が掲載され、例えば昨年優勝した日本生命は「大阪市」と表記される。
また年に一度の大会でもあり、都市対抗にかける想いはどのチームも強く、地区予選の戦いは非常に厳しいものとなり、勝てば大の大人が嬉し泣きをするくらいの想いをかけた試合となる。その厳しい予選を戦い抜き、東京ドームで開催される本戦は、企業からの応援団や社員、関連企業など動員され、時には東京ドームが満員になることも。自社のチーム、また同じ部署に所属している選手が東京ドームで活躍するシーンを生で見ることができ、ビール片手に応援するこの一大イベントは非常に面白い。また応援合戦もオリジナル応援歌、地元特有の応援など非常に魅力的である。

●都市対抗の面白い制度
都市対抗には独特のルールがある。それは予選に負けたチームから本戦に出場するチームは「補強選手」を迎えることができる。昨年の決勝戦は、日本生命vs大阪ガスの関西対決となり、昨年予選敗退したPanasonicの選手が両チームに補強されていたため、両チームにPanasonicの選手が出場する面白いことも起きた。補強選手が来るため、選手からすれば試合に出場できなくなる選手も出てくるが、チームとしては本戦に向けチームの弱いところを補強できるというメリットもあり、予選とはまた違ったチームとなる。この制度は都市対抗野球の独特の制度であり、このような制度を他の大会は無い。

●社会人野球のレベル
社会人野球は最も栄えていた時は、企業チームだけで200以上あったが、今現在は企業チーム88チーム(クラブチームは200以上)となっている。プロ野球に行けず、もう一度社会人野球で頑張ってプロを目指す選手や、プロを解雇された後、社会人野球に入る選手もいたりするので、雇用されるのにすごく狭き門となっており、かなりレベルが高い。もちろん社会人野球からプロに入団する選手は即戦力として期待される。例えば、野茂秀雄さん(新日鉄堺)、古田敦也さん(TOYOTA)、宮本慎也さん(プリンスホテル)、仁志敏行さん、福留孝介選手(日本生命)、田澤純一選手(Boston Red Sox)など名だたる方々が社会人野球出身者である。

●企業スポーツの新しい形
ここで私の所属していた「新日鐵住金かずさマジック」の紹介をしたい。新しい形と書いているがこの形になってもう13年経とうとしている。その間に2013年の都市対抗でベスト4、秋に開催される全国大会の日本選手権では優勝もしている。かずさマジックの前身は「新日鐵君津」であった。OBには下柳剛さん(元阪神)、松中信行さん(元ソフトバンク)など多くのプロ野球選手を輩出し、そして現在選手兼任コーチでもある渡辺俊介選手(元ロッテ)も新日鐵君津からロッテに入団した。
なぜ現在は「新日鐵住金かずさマジック」というチーム名になったのか、もちろん母体は新日鐵住金ではあるが、かずさ(上総)4市(君津市、木更津市、富津市、袖ケ浦市)にある企業に選手が所属するという、複合企業チームとなっているのである。簡単に言うと、企業チームであるので選手の人件費(1名もしくは2名など)を所属する地元企業が支払う形となっており、地域密着型のチームとなっている。例えば私が所属していた企業は(株)新昭和という君津に本社を置く住宅会社であった。試合には新昭和の社長や社員もたくさん応援に駆けつけてくれた。
高度経済成長期にたくさんの企業チームが存在していたが、不景気に入り、現在ではよほど体力のある企業でないと、企業スポーツを持つ1社で持つというのは、非常に厳しい。この「新日鐵住金かずさマジック」の形態は、地域密着型でもあり、新しい企業スポーツの形として、非常に魅力的ではないだろうか。皆さんにもぜひ注目してほしい。今年は18日に登場する。

●都市対抗野球の楽しみ方
まず、本大会は東京ドームで開催され、夏の暑い時期ではあるが涼しいドームでの観戦となる。もちろんまずは地元出身チームの応援が一つ。あとは好きな企業、普段身近に感じるチームを応援するのも一つ。今年においては、トヨタ自動車やホンダ熊本が出ているので車対決や、JRだけで4チーム(東日本、西日本、九州、北海道)出ているのでJR同士の対決、ガスも3チーム(東京ガス、大阪ガス、西部ガス)出ているのでガス会社同士の対決も楽しみである。
パナソニックや東芝、日立の競合車対決も見物だ。戦っている選手としては負けられない戦いとなり、応援する社員たちもより力が入ることだろう。あと、今年は北信越代表で長野市から出場する「北信越硬式野球クラブ」は唯一のクラブチームである。企業チーム相手にどう戦うかも楽しみである。
また少年野球や中学野球の子供達もレベルの高い試合となるので、観に来ると非常に勉強になるであろう。過去の夏の甲子園を沸かせた選手たちも出場している。夏の甲子園ももちろん魅力的であるが、一度夏の東京ドームに観に来てみてはいかがだろうか。

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