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Vol.112 歯科界の皆さんへ  一国民、一歯科医師からのメッセージ

医療ガバナンス学会 (2017年5月26日 06:00)


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津曲雅美

2017年5月26日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

最近、インプラントと臼歯部咬合面(奥歯の屋根、咬む面)のCR(プラスティック)充填をよく散見します。あるインプラントは歯肉が退縮し、メタルが露出していました。患者さんは「何か違和感がある、おかしい」と言っていました。歯肉を少しめくったら骨が見えていました。骨折に使うチタンは完全に滅菌されたモノを、手術で体内に完全に埋入します。インプラントは細菌だらけの口腔内に本体の頭を出しています。人体は皮膚で、一部は粘膜で 全身が覆われており、それで異物や細菌の侵入を防いで、人体を守っています。歯と歯肉の接する所は、硬組織と軟組織の異なる組織の境目ですから、同一の上皮で連続して覆われてはいませんが、歯の表面の基底膜様物質と歯肉が結合しています。歯と歯肉が生物学的に結合しているわけです(上皮付着)。そのような仕組みで、上皮の連続がなくても、異物や細菌の侵入を防いでいます。ところがインプラントの一番上はメタルと歯肉が接しています。メタルと歯肉が生物学的にも物理学的にも結合する、引っ付くことはありません。上皮付着など望むべくもなく、その下はすぐに骨です。細菌の侵入、感染は防げません。

臼歯部咬合面(奥歯の屋根、咬む面)のCR(プラ スティック)充填はもっと見ます。全体的に摩耗し歯との間にステップができているモノ、縁が破折しているモノ、そして鍾乳洞のような異常な形状で摩耗しているモノ、これにはびっくりしました。それらは二次カリエス(二次むし歯)になっており、そして時にはCR充填されている臼歯で歯髄壊死(歯の神経がが死んでしまった)のモノも見かけます。窩洞形成や歯髄保護の不備もありますが、CRの歯髄(歯の神経)刺激も疑われます。CRは歯の神経に対して有毒な刺激性があるのです。CRは歯の1/10の硬度しかなく、こんなに柔らかいモノを歯に詰めても早期に減りますし、おまけに歯の神経に刺激性があるのではお話になりません。

Minimal Interventionでは、う蝕円錐で既に歯髄(歯の神経)方向へ、歯の奥の方にカリエスが広がっている小窩裂溝(奥歯の屋根の溝)の黒変は、う窩(むし歯による穴)がないから(穴が空いてないから)という理由で削らずに経過観察し、最終的にはCR(プラスティック)を充填する、こんなことでカリエスは治らないです。早期にちゃんと治療して、完治させるべきです。これらは歯科医師の直接的な破壊行為です。私はこれらはしてないです。

CR(プラスティック)の硬度ですが、以下の資料がありました。
主な歯の修復に使われる材料のピッカーズ硬度
●天然歯(エナメル質)   270~366Hv(モース硬度7)
天然歯(象牙 質)     56~57Hv

<天然歯よりも硬い>
ジルコニア        1300Hv
セラミック        400~485Hv
18K合金        400Hv

<天然歯より軟らかい>
12%パラジューム合金  227Hv
20K合金        220Hv
ハイブリットレジン    190Hv(ハイブリッドセラミック、エステニア)
CAD/CAM          66~74Hv
●硬質レジン歯       30Hv
—————————————————————————–
コバルトクロム  エナメル質とほぼ同じ硬さ
ダイヤモンド  7000Hv(モース硬度10)
資料は以上。

C R(プラスティック)はエナメル質の1/10の硬度です。早期に摩耗して二次カリエス(二次むし歯)になります。おまけに前述のように、歯の神経を死なせてしまうこともあります。これらの行為は治してるどころか、破壊してるんんです。それでもインプラントやCR充填が広く行われている理由は、インプラントは歯科医師の経済的な理由、CRは色が白く、銀歯より見た目がよく、患者さんが喜ぶ、人気が取れるからです。歯の硬度に近い金属(パラジューム合金やゴールドなど)で詰める方が歯のためにはベターです。欠けたり減ったりしませんし、二次カリエスにもなりにくいです、というよりも、ちゃんとやれば、いわゆる一生もちます。金属で詰めるのも、いろいろなケースがありますから、詳しくは主 治医にご相談ください。

歯周病の治療では最終的には、SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)です。これは青本によると「歯周組織検査3または4の結果、病状安定と判定された場合に、病状の安定を維持するための歯科医療従事者によるプラークコントロール、スケーリング(歯石を取る)、ルートプレーニング、咬合調整などの治療を主体とした定期的な治療である」とされています。歯周病は治らないそうです。病状の安定を維持するので、治すのではありません。埼玉県の飯塚先生が多くの、ほとんどの歯科医師は、そして大学病院でも、歯周病もカリエス(むし歯)も治せないと言っておられました。病気を治せないのでは、どうしようもありません。まずは患者さんに迷惑をか けないよう、心がけて毎日診療してます。

医療従事者である限り、「病気を治す、患者さんのために」、それを外したら終わりです。病気を治せない上に破壊者では、歯科医師という名称は返上して、歯大工、歯職人、歯壊者とでも名乗りましょう。どうか若い方々は、よく勉強して本当の医療従事者になってください。

日本は議会制民主主義で国民に等しく選挙権、被選挙権が与えられています。下は自治会から上は国や自治体まで同様です。国や組織の構成員全員がが等しく平等な基本的権利をもつ、これが民主主義、市民社会、いや人間社会の要諦です。日歯会員は日歯に対して全くの無権利です。会費を払うだけです。歯科医療を語る以前の問題です。私は一国民、一市 民として、どうしても納得できないです。全く市民感覚がない、これが日本人の意思特性ですか、村社会の残渣ですか。

例外はあります。議員や芸能人の後援会。これはその議員の政治信条や政策を後援会の議決で決めたりはしません。合わなければ辞める組織です。辞める自由はあります。日歯はそんな組織ではありません。

「日歯の歯科医療に対する意思決定」は、社会的にはイコール「歯科医師の歯科医療に対する意思決定」です。だから歯科医療に対する意思決定に、歯科医師(会員)が全く参加できない事に、私は一歯科医師としてどうしても納得できません。日歯会長、日歯代議員に対して選挙権をもつことによって、意思決定に参加したいです。その上、京都贈収 賄事件、日歯連事件、東歯大同窓会贈収賄事件、迂回献金事件と役員は犯罪を犯しまくり、日歯連事件による紙出しは今でも続いています。無権利で迷惑を被りまくられています。日歯連事件で有罪になった役員の退職金や保釈金を払ったり、高額の飲み食い、役員のやりたい放題ぢゃないですか。

私は日歯連盟大津訴訟の元原告ですが、私は入会時に何の説明もなく知らない間に連盟にも入会していました。端的にいえば、知らぬ間に了解もなく自民党に入党させられていました。正確には連盟は日本一の自民党への献金団体ですが、20億円以上の献金をしていたと記憶してます。私は自由主義者ですが反自民なので、会は辞めないが連盟は辞めさせてくれと申し入れたら、それなら歯科医師会も 辞めてくれと言われました(歯科医師会と連盟という政治団体は同時加入だということです)。だから原告になりました。会には入りたいが、連盟には入りたくない者の自由を侵害します。いうまでもなく政治信条は個人の自由です。基本的人権の一つです。完全な形で認められなければならないモノです。憲法なんか持ち出すまでもない、こんな簡単なこともわからない団体なのです。

飯塚先生の著書「歯科医療とはなにか」の一部を抜粋します。
・・・歯科医師会という組織には、いわゆる「権力」はない。したがって、歯科医師会の役員は本来「権力」を持たない存在である。しかし、歯科医師会にはある種の「権利」があり、その権利は会員の有する権利に由来する。つまり日本歯科医 師会の役員は、我が国の歯科医師たちが「国民」として「歯科医師」として有している権利の集約された巨大な「権利」は有するが、「権力」はもたないはずである。
だから歯科医師会役員の役割は、会員に代わって会員の権利を行使することであるはずなのだが、その権利を行使する過程で、彼らは一種の権力を得ることになった。その権力とは、医療保険行政にかかる行政権の一部である。つまり歯科医師会は、行政主導の国民皆保険という状況の下で、本来あるはずのない権力をもつことになったのである。そのとき歯科医師会役員は、会員の権利を主張する存在であると同時に権力の主体にもなった。そしてその権力の客体が会員であることを考えると、歯科医師会役員が、その本来の姿からほど遠い存在 となったのは自然の成り行きであろう。
多くの歯科医師たちが、日本歯科医師会という組織に無関心であるにもかかわらずその会員になり、会員であり続ける理由は一体なんだろう。その理由が歯科医師会役員のもつ権力に対する依存だとしたら、歯科医師会会員という存在は悲惨であると同時に滑稽でもある・・・以上。

私は開業したとき、強制力があるかどうかは知らなかったですが、全員入るものだと思って、躊躇なく疑いもなく歯科医師会に入りました。何となくですが自分の職業の同業者の組合のようなモノには入っておく方がいいだろう、入らないよりは指導にかかりにくいのではないか、とも思ってもいました。しかしその後、保険の個別指導の被指導歯科医師を選定するときは 、今はそんなことはありませんが、厚労省と会が相談して決めるとか、役員や保険部委員は指導にかからないとか聞くようになりました。また、厚労省と我々が直接話をする場はほとんどなく、会を通じて聞くことが多く、確かに役員のもつ権力らしきモノを恐れていました。技官を恐れるのと同じようにです。確かに会がもつ、役員がもつ権力らしきモノを恐れ、かつ深層心理的にある意味依存していたと思います。脅かされた事もありましたしね。会など恐るるに足らずと豪語する方もいますが、しかし辞めないのは無意識のうちに依存しているのだと思います。

しっぽを振る者に改革を、権利の主張をと言ってもムリな話です。歯科界が、歯科医療がこんなになったのは、最終的には会員の 責任です。縷々述べたようなこと、もうこんなことは止めませんか。もつべき基本的権利をもって、そうでない方には言いませんが、医療従事者になりませんか。国が財政難である限り、民有国営という、経営責任は個人が負う、それなのに報酬や運営の細部に至るまで国が決める形態である限り、歯科はいずれ混合診療が導入されると思います。このままでは歪んだ厚労省の思う壺の混合診療になります。そのためにも、そして何よりも国民歯科医療を守るために、「こんな点数(診療報酬)では業として成り立たない」と日歯が真正面から社会と厚労省に主張すべきです。そのためにも直選です。それも無理、奈落の底に落ちていく、自然崩壊を待つだけでも、生ある限り主張し続けます。

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