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Vol.034 コロナ禍この一年、黙ってはいられない

医療ガバナンス学会 (2021年2月16日 06:00)


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伊沢二郎

2021年2月16日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

「おととい来やがれ、すっとこどっこい」
“熊まさん、ハっつあん”が登場する落語では、可笑しな事を言ったり、やったりする人をこう言うらしい。

入院したくても出来ずにいるのに、入院勧告を拒否したら刑罰をあたえる、こんな可笑しな法案が審議されていた。
さすがにこれは廃案となったが、事前の審議会では18名中3名しか賛成がいないのだから、“概ねは反対”とすべきところを“概ね賛成”と歪められて内閣に報告されていた。
因みにこれを纏めたのは感染研所長でもある、脇田隆字座長です。
この事については廃案と共に何らの説明も無くスルーされているが今後、感染研発の情報をそのまま鵜呑みにして良いものか、疑念だけが残る。

コロナ禍この一年は、厚労省医系技官・感染研・分科会専門家(以降、感染症ムラと言う)、この人達がやること、言うことへの疑念や不信、不満ばかりが募る連続でした。
自粛生活の上更に、このようなストレスが加わり憤懣やる方無き思いは最高潮です。このようにストレスをため込むのは、自己免疫力を下げることになると聞きました。就いては、自己研鑽でもあるこの場をお借りして、不適切とは思いますが鬱憤ばらしすることをお許し下さい。尚、感情のおもむくままに述べさせて頂きますので品位に欠ける言葉使いも有ろうかと思いますが、ご容赦願います。

●ZEROコロナ、一波収束時が最大のチャンスだった・・・

一波収束時に抜本対策をしないまま二波を招き、感染者が高止まりしたまま、三波に至ってしまった。
コロナ禍最中に結果論は本来言いたくはないのですが、同じ過ち繰り返している感染症ムラの人達に、これ以上トバッチリを喰いたくないので、敢えて結果論を言わざる得ない。

一波当初、尾身茂・分科会会長は新型コロナの国内感染を経験したことがない、と云う主旨を述べた。だから仕方がなかった、とも聞こえるが、はたしてそうだろか。18年前台湾を襲ったサーズは、674名の患者を出し84名が死亡した、極めて高い死亡率です。この時、感染症ムラの人達は、何らかの立場で感染症に係わっていたはずだ。この近くの出来事から何も学ばなかったのか、対岸の火事と眺めていただけか。

国内では新型インフルエンザ流行の折り、対応が遅れた反省を糧に緊急提言が策定されている。この中には同じ病原性ウィルスとして、コロナ対策としても活かせる項目があり、貴重な提言だ。なにより感染症ムラには、この策定に携わった人がいるではないか。
新型コロナの国内流行は初めての事だが、これを抑制する手だては有ったはずだ。このような経験や事例を活かすこと無く、市中蔓延を招いた。
日本の感染症トップリーダー機関としては、余りにお粗末すぎて話にならない。
このように過去にも、他にも学ぼうとしない感染症ムラの体質が今日、6,000名を越える死亡者を出していると言わざる得ない、この方々は人災コロナ禍の犠牲者だ。

インバウンド効果狙いの政策を打てば、日本の水際が危うくなり、国内への感染病流入は素人でも思いつく。感染症に係わる人間なら当然持っていて当たり前の、危機管理意識だろうが、感染症ムラの人達は全くノーテンキだったようだ。
それでも百歩も二百歩も譲って、一波は仕方無かったとしても、無症状の時期から他へも感染させることが分かった以降は、感染抑制のやり方をガラット変えるべきだった。

三波とは比べ物にならない程小さい一波の山、この時何故ゼロコロナにしなかった。このコロナ禍はここが全てだった、返す返すも残念でならない。
東アジア先進国中、最悪の日本。従順な国民性と衛生的な生活習慣の上、日本の医療水準をもってすれば本来なら、今のような状況は、全くあろう筈もないことだ。

こんな事態を招いたのは誰だ。感染症ムラのコロナ対策は、大間違いのコンコンチキだ。
この期に及んでも未だに、エッセンシャルワーカーにさえ定期的PCR検査を認めずその結果、毎日のように病院や高齢者施設でのクラスター発生の報道は後を絶たない。それらの施設は運営休止に追い込まれ、死亡者も出ている。この状況、一般的には未必的の故意による犯罪に等しいことだ。

●何故PCR検査を拡充しなかった・・・

感染症ムラのクラスター班責任者、押谷仁・東北大学大学院教授は一波当初NHKスペシャル番組で、新型コロナについて「全ての感染者を見つけなければならいウィルスではない、クラスターさえ見つければ制御できる」と云う主旨を述べた。又、「PCR検査を抑えていることが、日本がこういう状態で留まっている」と意味不明を述べた。
ここに初まったであろうPCR検査を拡充しない大間違いの方針を、6,000名を越える犠牲者を出しているのに今もって、改めないのは何故だ。

昨年、安倍元総理との対談時に山中伸弥・京都大学教授は桁違いの検査は出来る、やるべきと示唆した。この通り遣っていればその後の状況が好転したであろう事は、中国・韓国・台湾・ニュージーランド・オーストリア等々をみれば明らかだ。

しかし、その様になったら“何故初めからそうしなかった”の謗りを受けることになる。当然だ、大間違いをやり続けたのだから、これが改めない理由なんだろう。
感染症ムラ、揃いも揃って何やってんだ?この人達の面子など、命の重さに比べたらどうでも良い事だ。

二波が下げ止まっていた時、尾身茂・分科会会長はコロナのエピセンター潰しを意識してのことか、「これからは踏み込んだクラスター対策をやる」と言った。市中感染拡大を食い止める事になるか、少しは期待もしたが結局は“菜っ葉のかけごえ”に終わった。
そうこうしている内に三波を招き、とうとう手に負えなくなったみなと保健所は、従来のような疫学調査は出来ない主旨をコメントした。

それで本当に良いのか、寧ろこれからは強毒化してるのか、感染力はどうか。コロナ変異株の感染実態をいち早く把握するには、基になるPCR検査をより拡充し、疫学調査を充実すべきではないのか。

●現役の保健所保健師の内部告発をどう受け止めるというのだ・・・

先般、本ガバナンス学会に寄稿された保健師の内部告発には、大変多くの共感が寄せられていた。
不本意のままに押し付けられ、ご本人にして虚構とまで言わしめたクラスター調査のやり方に、悩んだ末の投稿だったのでしょう。
財務省上層部に公文書偽造を命ぜられ、悩み抜いた善良な公務員のことと似た構図だ。何故何時も真面目でやる気のある公務員が苦悩しなければならないのだ。

告発文は、クラスター調査の実例を基に詳細に記述されている。あっさりとした形ばっかりの濃厚接触者の定義により、心ならず調査に当たる心情がよく分かる。
単純な濃厚接触者定義を厳格に運用すれば、すぐ傍に居る無症状の陽性者は、だだ漏れ状態になるだろう。
現に、そのような調査を心配した事業所が自らPCR検査を行ったら、更に3名の陽性者が出たという事例が物語っている。

感染場所さえ特定しない調査であるのに、菅総理が緊急事態宣言の際「感染経路不明のほとんどは飲食店で起きている」と言った事に、保健師ご本人は違和感を訴えている。
この菅総理の発言は尾身茂・分科会会長が、だん々分かってきたと言う急所として取り上げたからだろうが、急所は他にも有るだろう、決め込むのは危険だ。

その前にそも々、仮に飲食店が急所だとしたら、分かるのに何ヵ月も掛かることか。行ける口の人なら、唾液の飛沫が感染の主原因との研究報告が有った時、即座に思いつく程度のことだ。感染症専門家にしては余りに鈍く、ツーレイトだ。

本日(2/5)国会答弁で、菅総理は急所を押さえた効果を声高に言っているが、毎日のように報道されている、医療施設や高齢者施設のクラスター発生はどうするのだ。
今日、埼玉の幼保施設と思われる所で、11名のクラスター発生報道も有った。急所は多々ある。

●感染研が牛耳る新型コロナ変異株のゲノム解析。それ故、遅滞のシステム弊害を又も国民が被ることになるのか・・・

世界各地で発見されている変異株、感染力が強くなっていると言われている、その上死亡率も上がっている報告もある。ワクチンの効果が下がる可能性を伝える報道もある。大変気になるところだが、ポツンポツンと感染研から発表される変異株の報告が、流行し初めている今を捉えている、とは到底思えない。

東京医科歯科大学の変異種ゲノム解析の報告は、昨年11月の検体によるとのこと。これとて、今程度のPCR検査数であるからしてタイムリーな事なのかどうか。
何れにせよ、我々市民は従来通りの注意をするしかないが、対応するワクチン開発には、いち早く変異株の流行実態を把握することが重要ではないのか。この点、感染研ルートに絞っていると云われるゲノム解析のシステムは、余りに脆弱ではないのか。

水浸し状態と揶揄される入管水際対策にしても、この事も感染研の力不足は否めない。
市民生活と生命に係わることだ、又も縄張り意識が働くシステム弊害は喰いたくないところだ。

以上、長々と述べさせて頂きました。未だ言い足りないのですが多少、鬱憤が晴れました。そのせいか、自己免疫が少し上がった気もします。品位に欠ける文書にお付き合い頂き有難うございました。

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