医療ガバナンス学会 (2021年4月7日 06:00)
村田雄基
2021年4月7日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
何故このような暴走が引き起こされたのか。私は、学長の任期を撤廃してしまったことが全ての発端だと考える。
吉田晃敏現長は、平成19年に着任した。本来、学長の任期は4年だ。しかし、それを現学長自ら撤廃してしまった。
当初から入学式や卒業式に、自ら関わった遠隔診療やドクターヘリの導入事業などの業績を誇示する話ばかりしていたのを記憶している。
勿論、これら事業は当初先進的であり、何より患者に医療を提供する素晴らしい仕組みづくりであったのは間違いない。
この時点では、患者視点が保たれていたと考える。しかし、長期政権を敷いたことにより、その視点は失われてしまった。
理不尽な辞職に追い込まれた古川博之元同大病院長は、地域住民のためにコロナ患者受け入れを主張した。
古川氏は北海道の移植医療に貢献されてきた、人格も医療技術も一流の人物として尊敬している。
旭川医科大学は地域住民に十分な説明もなく、学内トップのみで古川氏の院長解任を推し進めてしまった。
この決断は、まさに独裁政権そのものではないだろうか。
同大での声明では、週刊誌に学長の不適切発言を録音提出したのが古川氏であると主張しているが、何ら明確な根拠は示されていない。
コロナ患者受け入れ不適切発言、コロナ患者受け入れを主張した病院長の解任、滝川市立病院からの高額報酬問題等を踏まえ、
同大学同窓会会長である原渕保明同大教授が、学外会員に向け行ったアンケートを公表した。
アンケートは会員4652人のうち、学外に勤務し、同窓会にアドレスを登録している1937人にメールで実施した。
19.9%の386名が回答し、学長は辞任すべきとした回答は9割超に登ったという。
これに対し、学長自ら学内全ての職員にメーリングリストを通して添付のようなメールが送られてきたという。
https://twitter.com/L99Kx/status/1376865956207595522
内容は、同窓会長に対する皮肉を込めた長文だ。
思うところがあるなら一個人に送れば良い内容のものを、学内一斉送信した。
現代の小中学生でも、ここまで幼稚な言動を取ることがあるだろうか。
同窓生かつ院内の職員は大学トップから直々に報復されるのを恐れ、アンケートすら送れないことは容易に想像できる。
学長は日本の眼科学、北海道の地域医療への貢献に邁進されてきた高潔な人物であったと認識している。
しかし、長期政権のトップに君臨し続けることで、患者視点の医療を行えなくなり盲目となってしまった。
日本最北端の医科大学が暴走している。1番被害を被っているのは、道東道北の患者達だ。
病院職員は学長の報復に怯え、辞任要求の声を上げることができない。市民の立場からも、声を上げる必要がある。
(この文章は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。)
2017年 旭川医科大学卒業
2018年 初期研修 南相馬市立総合病院
2020年 後期研修 都立小児総合医療センター