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Vol.234 人とのご縁が繋ぐ 学生の挑戦@現場からの医療改革推進協議会シンポジウム

医療ガバナンス学会 (2021年12月13日 06:00)


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広島大学医学部医学科5年
大本優花

2021年12月13日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

広島大学医学部医学科5年の大本優花です。
尾崎章彦先生にお招き頂き、先日の第16回現場からの医療改革推進協議会に発表者及び学生スタッフとして初めて参加させて頂きました。
今回のように様々な方々の面前で短い時間ではあるものの、プレゼンをさせていただくことは私にとって初めての経験でした。特に医学生は普段こういった機会がなかなかないため、このような機会を与えてくださり、大変感謝しています。ちゃんと準備をして臨んだつもりでしたが、緊張で上手く話すことができなかったため、自身が一番伝えたいことを簡潔にまとめ、熱量を持って、きちんと伝えることの難しさを改めて感じました。その上、同年代の発表者たちが堂々と話していて、尊敬の意とちょっとした悔しい気持ちになりました。

そして、初めて政治家の先生のお話を直接拝聴しました。三原じゅん子先生と伊藤孝恵先生のお話はとてもわかりやすく、同時に熱量を感じられ、非常に印象に残っています。お二人とも男性が多数を占めている国会議員として、少数派の女性でありながら、自身の信念に基づいて、様々な発信をされています。ここで私が指摘しているのはジェンダーの話ではなく、数に基づくマイノリティの話です。こと学生団体の活動においても活動方針などの意見について多数派・少数派という構図ができ、どうしても少数派となった学生はなかなか自身の意見を最後まで突き通しにくくなります。そのような学生の体験と国会でのお二人の状況を想像で重ね合わせてしまい恐縮ですが、このようにお話を通じて、様々な想像をかき立てられるほど熱量を感じさせられました。そういったお姿がとても強くかっこよく、印象的でした。私も聞いてくださる方の想像力を掻き立てることができるほど、訴えかけられるようなプレゼン能力を身につけたいです。自分自身が同じ場所で発表し、上手くできなかったという経験があるからこそ、強くそう考えます。本当に貴重な経験をさせていただきました。

そしてこの学びと共に、改めて「人とのご縁」についても思いを馳せるきっかけとなりました。私は広島県呉市音戸町という場所で生まれ、小学生の頃は毎週末必ず農家である祖父母の畑に手伝いに連れて行かれ、大根を抜きすぎて、大根のことが嫌いになった時期もありました。このような環境で育ち、親戚には医療関係者はおろか国立大学を出た者すらいないという医療や学問とは縁もゆかりもない家系から広島大学医学部へ進学しました。そのような背景をもつ私が広島大学の外に出て、様々な経験をさせていただくことができているのは、まさに「人とのご縁」のおかげです。吉村弘記くんと広島大学のサークルで知り合い、MNESを紹介してもらえなかったら、MNESで北村直幸先生と出会っていなかったら、このような経験はできなかったでしょう。

遠隔画像診断センターMNESは私がプレゼンさせて頂いた学生団体MNiSTをご後援してくださっています。MNESは遠隔画像診断センターでありながら、医用画像をリアルタイムに共有できるプラットフォーム「LOOKREC」の提供など、「身体の状況をありのままに正確にリアルタイムに伝えて世界中の医師や医療従事者が連携して、患者のために理想の医療を提供できるようにする」というミッションのもと、様々なサービスの提供を行っています。その設立者の一人である北村直幸先生は日頃、放射線診断科医として患者さんと接する中で、患者さんと医療従事者の双方にとって有用なツールを独創的な切り口から発案し、それを実際に制作しています。

そんな北村直幸先生に憧れて、私も何かやりたいと考え、仲間を集い、設立されたのが学生団体MNiSTです。MNiSTは医療、そして世界をより良いものにできるようにメンバーの学生たちが学生目線で発案したものを実現するべく、日々活動することを目的としています。このように自由に発想をし、そしてそれを実現するべく試行錯誤を重ねるという作業は、今まで「受験」という与えられたタスクを適切にこなすことばかりを行ってきた医学生にとって、初めての作業でとても楽しくもあり、難しい作業です。四苦八苦している学生に対して、北村直幸先生はいつも「色々とやってみなさい。みんなでとことん話し合い、悩むことも楽しみながらやりなさい。」と伝えてくださります。北村直幸先生は普段関与はしないものの、そのように見守ってくださっているため、自らが自身の会社で実行している「本当に社会に対して価値あることを提供するに至るまでのプロセス」を、学生団体MNiSTを通じて学生に経験させてくださっているように私は感じており、背中が大きいなと思っています。このように尊敬できる先生にお会いすることができたのも「人とのご縁」のおかげです。

そして、またシンポジウムに参加させていただくことによって、私は新しいご縁と巡り合うことができました。「人とのご縁」を中心に自身の世界が広がっていっています。私は関わってくださっている全ての皆さんへの感謝の気持ちを忘れることなく、今度は私が「人とのご縁」を繋げていけるよう、日々精進し、まだまだ突き進んでいきたいです。

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