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Vol.236 “現場からの医療改革推進協議会” 参加体験記

医療ガバナンス学会 (2021年12月16日 06:00)


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国際医療福祉大学医学部医学科2年
丸山敬大

2021年12月16日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

寒さが厳しくなり始めた秋晴れの11月27、28日、第16回“現場からの医療改革推進協議会”が開催されました。千葉県内の大学に通う医学生の私は、28日の1日だけボランティアとしてシンポジウムに参加しました。今回は当日の様子とボランティアとして感じたことをお伝えします。

11月28日、午前9時前にシンポジウムの会場である建築会館ホールに集合しました。このようなシンポジウムに参加するのはボランティアとしてでも初めてで非常に緊張していましたが、すぐに先輩方が「今日初めてだよね。仕事でわからないことある?」と話しかけてくださり、リラックスして自分のタスクに取り掛かることができました。当日の私のタスクはシンポジスト案内で、シンポジストを受付やシンポジスト席に案内することが主な役割でした。シンポジストを案内する中でジャーナリストの鳥越俊太郎さんなど学生の私でも名前を聞いたことがある先生を案内することもあり、シンポジウム全体を通して緊張感を持ちつつ自分のタスクに取り組みました。

シンポジウムは午前10時に始まり、私も自分のタスクの合間に講演を聞くことができました。午前のセッションでは「医療と社会Ⅱ」、「コロナ当事者から」という内容で講演があり、最後に「ポストコロナを考えるⅡ」という内容でパネルディスカッションがおこなわれました。どの講演もディスカッションも自分にとって学ぶことが非常に多く興味深いものでしたが、中でもパネルディスカッションが特に印象に残りました。予定時間を大幅に超過したパネルディスカッションでは、ポストコロナの日本について福島県相馬市長の立谷秀清さんをはじめとするそうそうたる顔ぶれのパネリスト方々による、コロナが終息した後に日本はどうなっていくべきか本音で語り合う熱を帯びた討論を聞くことができ、現状と今後の課題、そして日本の将来について考えるきっかけとなりました。

その中でも私は以前から医療行政に関心があったのですが、私の母と同郷の塩崎恭久前衆議院議員が、「日本は科学と政治がかけ離れている」とおっしゃっていたことが非常に印象的でした。新型コロナウイルス対策で考えると、専門家は科学に基づいて現状を評価している一方、霞が関では霞が関の論理に基づいて評価されてしまうため専門家の評価と乖離する部分が生まれてしまい、必ずしも現状に即した対応ができていない場合があると言えます。そのため塩崎恭久前衆議院議員は、公務員制度改革を実施し霞が関と世の中との考えの溝を埋めるべきであるとおっしゃっていました。私は霞が関と世の中の考えが乖離している現状があるならば一国民として変えていってもらいたいと考えますし、新型コロナウイルス対策においてもより一層現状に即した対応をしていただきたいと感じました。

昼食の時間は東京大学公共政策大学院の鈴木寛教授や仙台厚生病院の齋藤宏章先生など多くの先生方と名刺交換などの交流させていただくことができ、非常に貴重な経験となりました。

午後1時30分開始予定を大幅に遅れて始まった午後のセッションでは、「震災10年での健康課題の現状」、「日本の医薬品開発と承認審査」、「コロナの医療現場から」、そして「ワクチン接種の現場」という内容で講演がありました。午前と同様に午後のセッションでもタスクの合間に講演を聞くことができました。午後のセッションは、コロナの医療現場でご活躍されていた岡本雅之先生や大橋浩一先生をはじめとする先生方から臨床現場で実際に感じたことをお聞きしました。
また、小橋友理江先生や坪倉正治先生をはじめとする先生方からは福島の原発事故によって出された放射線自体による健康への影響はほとんどなかったというお話がありました。普段聞くことのできない現場の声、そして身近に触れることのないテーマの講演があり、新しい視点や知識を得るとともに自分の視野が広がったと感じました。午後のセッションで最も印象に残ったことは学生が2人登壇して講演をおこなっていたことです。私自身このような大きなシンポジウムで学生が登壇するとは想像していなかったので、驚きと共に同じ学生として大きな刺激を受けました。

シンポジウム後の懇親会には所用で参加できませんでしたが、今回このシンポジウムにボランティアとして参加させていただき多くのことを学び吸収しただけではなく、たくさんの先生方とお会いする機会にも恵まれました。私にこのような貴重な機会をくださった上先生、運営スタッフの皆様、そして私の大学の先輩に感謝いたします。

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