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Vol.23039 なぜ厚労省は副作用隠蔽事件を放置するのか

医療ガバナンス学会 (2023年3月1日 06:00)


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鹿児島県 志布志市 井手小児科
井手節雄

2023年3月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

私は、副作用隠蔽事件についてイーライ・リリー社と日本新薬を相手に薬害裁判を戦っています。イーライ・リリー社は裁判において誤誘導という手法で裁判官を欺きました。裁判は現在最高裁に上告中です。

イーライ・リリー社の副作用隠蔽事件については昨年8月「薬害裁判」という本を出版しました。

イーライ・リリー社は1995年に選択的ホスホジエステラーゼ5阻害剤としてタダラフィルの物質特許を申請しました。しかしその5年後にホスホジエステラーゼ11という酵素が発見されて、タダラフィルはホスホジエステラーゼ5だけでなくホスホジエステラーゼ11も阻害することが判明しました。つまりタダラフィルは基礎研究においてホスホジエステラーゼ11を阻害することの“毒性”と“安全性”についての研究がなされることなくタダラフィルの物質特許を取得したということになりました。

そうしたところ、タダラフィルがホスホジエステラーゼ11を阻害することで“血管平滑筋の廃用性萎縮とリストラ”という前代未聞の副作用が発生することになりました。

私は排尿障害治療薬ザルティア(タダラフィル)を1年ほど服用したところで起立性低血圧による脳貧血発作を発症し2週間ほど寝込むことになりました。そして血圧低下(160/90mmHg→110/60mmHg)の後遺症が残り易疲労性に悩まされています。副作用の重大さを訴えて善処をお願いしましたがイーライ・リリー社と日本新薬はのらりくらりと「アメリカのリリー本社で情報収集中!」の回答を繰り返し副作用の隠蔽を図りました。

やむなく裁判になりましたが、イーライ・リリー社は裁判において誤誘導という手法で裁判官を欺き副作用の隠蔽を図り、副作用のメカニズムについての生化学的な説明をサイエンスフィクションと片づけました。しかし、裁判において専門家さえ騙された添付文書のからくりを暴かれ、基礎研究においてタダラフィルがホスホジエステラーゼ11を阻害することの“毒性”と“危険性”についての研究もなされていないことが明るみに出ることになりました。

タダラフィルを服用することによって起る“血管平滑筋の廃用性萎縮とリストラ”という副作用のメカニズムについての生化学的な説明は、友人、知人の医師、薬剤師、薬理学者、薬品メーカーの研究者にも確認したもので教科書的な事実です。

私は、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課の副作用担当責任者に私の著書を添えてタダラフィルの危険性についての対処を求めました。3回詳しい手紙を書きましたが何の音沙汰もありません。

タダラフィルはアドシルカという商品名で肺動脈性肺高血圧症という難病の治療薬として使われています。ザルティアの用量は5mgですが、アドシルカは40mgという高用量です。“血管平滑筋の廃用性萎縮とリストラ”という副作用は肺動脈性肺高血圧症の患者にとっては突然死につながる危険な副作用です。絶対禁忌と言える薬が難病患者の治療薬として使われていることになります。

私は、著書の中でイーライ・リリー社の露骨な副作用隠蔽の実態を説明しています。なぜ厚労省は動かないのか不思議でなりません。

厚労省はRMP(医薬品リスク管理計画)の中で、「重要な潜在的なリスク」として「薬理作用からは予測できるが臨床的には明らかになっていないもの」を挙げています。
“血管平滑筋の廃用性萎縮とリストラ”という副作用はタダラフィルがホスホジエステラーゼ11を阻害することによって起るメカニズムベースの副作用であってイーライ・リリー社がタダラフィルがホスホジエステラーゼ11を阻害することの“毒性”と“安全性”についての研究を怠ったことにより見逃された副作用であり、厚労省の指摘する「臨床的には明らかになっていないが薬理作用から予測できるもの」に当たります。

絶対禁忌の薬が難病患者の治療薬として使われるなど世界的な薬害事件に発展する可能性もあります。これほどあからさまな副作用隠蔽事件を厚労省はなぜ放置するのでしょうか。私には理解できません。
副作用担当の責任者は主査という地位です。何らかの圧力があるのかそれとも副作用担当責任者の一存で放置されているのか私には分かりません。

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