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Vol. 379 【がんペプチドワクチン療法問題】に関する朝日新聞社の姿勢への懸念

医療ガバナンス学会 (2010年12月14日 14:00)


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日本医学会 会長 高久史麿
2010年12月14日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


日本医学会は本年10月29日に【事実を彎曲した朝日新聞社のがんペプチドワクチン療法報道】の題で10月15日の朝日新聞朝刊一面に【患者が出血】伝え ず【臨床試験中のがん治療ワクチン東大医科研提供先】にと題する記事について大きな事実誤認があり、結果として中村祐輔教授の名誉、人権が著しく傷つけら れた事に対して抗議声明を出した。

以下は私個人の意見であるが、朝日新聞がこの報道の自己正当化にこだわり真摯な回答をしない事に対して非常に遺憾に思っている。同時に上述の朝日新聞の報道によって我が国のがんワクチンの臨床研究が著しく阻害される事を憂慮している。

前立腺癌に対するがんワクチン療法はアメリカのFDAが既に認可しており、脳腫瘍や肺癌に対するワクチン療法がアメリカで進行中である事が外国の医療情報紙に報道されている。

欧米諸国に比べて我が国のがんワクチン療法は従来から著しく遅れており、更に厚生労働省が要求していたがんワクチン療法を含むライフイノベーションプロ ジェクトの予算が大幅に削減されると報道されている。朝日新聞の記事がこの事に対してどの程度の影響があったかは不明であるが、がんワクチン研究の停滞が 我が国のがん研究の進展にとって大きな負の要因となる事は間違いないであろう。

中村教授に関しては、日本医学会に【中村祐輔研究室同窓会一同】(計91名)から中村教授は終始一貫して患者に視点をあわせたがん治療の開発に真剣に取り 組んでこられた事、個人的に2億円を寄付し、あしなが育成会に医療系の学生を支援する「オンコセラピー奨学金」を立ち上げた事、又中村教授の研究姿勢から 【患者さんに役に立つ研究をせよ】と言うのが中村研のDNAであるというお手紙を頂いた。

この手紙は私が以前から中村教授に対して強い信頼感をもって接した理由を明示した文であり、中村教授の名誉が朝日新聞の記事によって著しく傷つけられた事 を改めて遺憾に思うと同時に、この様な報道は医学研究者を貶めるばかりでなく、現在病気で苦しんでいる患者さんが最先端の治療を受ける権利を侵害する事に なることを強く憂いている。

平成22年12月

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