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Vol. 382 朝日新聞がんワクチン報道事件

医療ガバナンス学会 (2010年12月18日 06:00)


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上 昌広
2010年12月18日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


先日、朝日新聞の代理人から、私宛に内容証明郵便が送られてきました。

http://expres.umin.jp/mric/asahi/asahi101208.pdf

その中には、以下のように書かれていました。
「記事について「捏造」などと指摘するのは、新聞社に対する極めて重大な名誉毀損行為です。ただちに貴殿の記事から当該箇所を削除するとともに、上記メールマガジンに訂正と謝罪の記事を掲載するよう要求いたします。」

「また、同様の指摘をしている「infoseek内憂外患」掲載の貴殿の「朝日新聞がんワクチン報道を読み解く」と題する記事についても、同様の措置を講じるよう要求いたします。」

「要求に応じていただけない場合は法的措置を検討いたします」とあります。」

「貴殿の記事」とは以下のことのようです。

http://medg.jp/mt/2010/11/vol-340.html#more

http://opinion.infoseek.co.jp/article/1094

http://opinion.infoseek.co.jp/article/1096

http://opinion.infoseek.co.jp/article/1098

朝日新聞の記事に対する色々な反響は、既にメールマガジンでも配信させていただいております。

私は、朝日新聞自身が、その記事がどのような経緯で書かれたものなのか、なぜその記事が掲載されたのか、ガバナンスの問題も含めてきちんとした検証がなされるべきと、繰り返し主張してきました。いまも、その考えに変わりはありません。

この記事を書いた出河記者は、医療機関の隠蔽体質を糾弾し、医療事故から逃げない、隠さないことの重要性を訴えてきました。医療事故にあった患者さんやご 家族に対して、向き合い、逃げず、隠さず、誠実に対応することがその第一歩になると、私も思っています。その意味で、出河氏の主張に100%賛同致しま す。

しかしながら、今回の対応には非常に失望しました。今回の報道は、医療現場に大きな被害を与えた、いわば「報道事故」です。たとえ、朝日新聞の記事が「善意」にもとづくものであったにせよ、その経緯を調査し、再発防止に努めるのはマスメディアの責務だと考えています。

第四の権力とされるマスメディアが訴訟をちらつかせて、圧力をかけるなど、「マスメディアの自殺」です。言論機関であれば、徹底的に言論で議論して欲しいものです。この事故に対する、朝日新聞社の誠実な対応を願っています。

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