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Vol.23185 運動経験ゼロの女医がハマったエクササイズ「ズンバ」 3カ月で得た変化とは?

医療ガバナンス学会 (2023年10月20日 06:00)


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この原稿はAERA dot.(2023年8月23日配信)からの転載です
https://dot.asahi.com/articles/-/199378

内科医
山本佳奈

2023年10月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

運動習慣のほとんどなかった私が、アメリカのサンディエゴに住むようになり、日本で暮らしていた時よりも圧倒的に運動するようになりました。

スポーツ経験といえば、小学4年生までやっていた週1回の水泳くらいです。中高時代は、通学の際に自転車を使っていましたが、大学生以降は、車移動がメインになり、運動習慣が全くなくなってしまいました。

社会人になって数年後、都内に住むようになり、歩く習慣ができました。自宅から駅までの通勤で毎日歩くようになりましたが、駅近のマンションに住んでいたこともあり、大した運動量にはなりません。自宅近くのジムに通おうと決心するも、1カ月で断念してしまいました。運動経験ゼロの私には、敷居が高く感じ、心が折れてしまったのでした。

そんな私が、アメリカにやってきて、運動するようになったのには、理由があります。健康に気にかけているローカルの女性のように、健康的で美しく、かっこいい容姿に憧れたからです。

体のラインにメリハリがある
程よく筋肉がついている
Tシャツや短めのインナーにレギパンといったシンプルでラフな服装が似合う
こんな女性を見かけるたびに、自分のからだに自信が持てるようになりたいと、私も思うようになりました。

そこで、自宅から車で5分ほどのところにある大手フィットネスジムに入会。月額40ドルで、ジムがオープンしている時であれば、何時間でも滞在することができます。開放感のある大きなジムの中には、マシンエリアの他に、プール、サウナ、バスケットボールやラケットボールコートなど、いろんな施設が準備されています。ヨガやズンバ、ブートキャンプやインドアサイクリングのクラスも用意されており、会員なら無料で参加することができます。

服装は自由で、靴を履き替える必要もありません。そのため、中にはサンダルで筋トレしている人もいます。老若男女を問わず、自由にトレーニングを楽しんでおり、運動経験ゼロの私がどんなトレーニングをしていようが、だれも何もいいません。そんなオープンな雰囲気だからでしょう。週5から6回のペースで、9カ月継続して通うことができています。

私のルーティーンは、約30分ずつの筋力トレーニングと有酸素運動です。軽めの負荷に設定した、腕や背中、お腹やお尻を中心とした筋トレをした後に、有酸素運動としてインドアサイクリングをこなすだけ。たったこれだけのトレーニングですが、3カ月ほどで「からだが引き締まってきた」ことを実感し、半年で、「自分の身体に自信が持てる」ようになりました。今では、運動しない日は考えられないほど、運動することが当たり前になっています。

実は、これまでに「運動がもたらすさまざまな健康効果」について、医学論文としてたくさん報告されています。例えば、ジョギングやサイクリングなどの有酸素運動を2分から60分行うことで、学習能力や記憶力がアップ したという報告があります。

有酸素運動を行うことで、偏頭痛の症状が顕著に改善したという報告もあります。私自身、ひどい偏頭痛持ちでした。しかし、ジムでトレーニングを始めてから、いつの間にか偏頭痛の薬を必要としなくなっていたのです。

筋トレや有酸素運動以外にも、はまってしまったのが「ZUMBA(ズンバ)」です。ZUMBAとは、ラテン系の音楽とダンスを組み合わせた、アメリカのマイアミ生まれのエクササイズのことで、日本はもちろん、世界中で愛され、実践されているエクササイズです。

振り付けに関する詳しい解説はなく、インストラクターの振り付けを、自分なりにみようみまねで踊ります。「下手でもいいから音楽を楽しむ」というコンセプトの通り、ダンスの振り付けはシンプルなものが多く、ラテンの陽気な曲が60分流れ続けるので、ひたすら踊り続けます。

ZUMNAの存在を知らなかった私。ZUMBAのクラスをたまたま見かけた時に、みんなが楽しそうに踊っていたのを見て、参加したいと思いました。思い切って飛び込んでみたところ、ラテン音楽とそれに合わせて踊るZUMBAの魅力にすっかりはまってしまったというわけです。

実は、ZUMBAによる健康影響についても、医学論文として報告があるのです。例えば、週3回、8週間のZUMBAを実践する前と後を評価した調査によると、体組成は変化させないものの、有酸素運動能力の向上 (+3.6%)、体力の自己認識 (+16.3%)、筋肉の発達 (+18.6%)、自主性の向上 (+8.0%)、そして人生の目的に大きなプラスの変化をもたらした ( +4.4%)ことがわかりました 。

また、11の論文をレビューした調査によると、ズンバが有酸素能力を向上させる効果的な身体活動であることが考えられること、また体重の減少に関して小さいながらもプラスの効果が認められたことが報告されています。

実際、やってみるとわかるのですが、シンプルな振り付けとはいえ、60分踊り続けるのは、想像以上にハードです。しかし、それ以上に「楽しい」から続けられるのです。これからも、筋トレやインドアサイクリングに加えて、ZUMBAも時間のあるかぎり、続けていきたいと思います。

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