最新記事一覧

Vol.24147 「化粧をやめた」女医の告白 夜勤や長時間勤務でたどりついた最適のスキンケア

医療ガバナンス学会 (2024年8月2日 09:00)


■ 関連タグ

この原稿はAERA dot.(2024年5月29日配信)からの転載です
https://dot.asahi.com/articles/-/223724

内科医
山本佳奈

2024年8月2日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

「どんなスキンケアを使っているの?」

アメリカに来てからよく質問されることの一つが、肌のケア事情に関することです。初対面の人には、もちろんこんな質問をされることはありません。しかし、親しくなると、「あなたの肌はとても綺麗。どこのどんな化粧品を使っているのか、教えて欲しい」と言われるのです。

「肌が綺麗だなんて、お世辞に違いない」そう思い、「化粧はしていないわ。洗顔後の美容液と、アイブロウパウダーで眉毛を描くこと、そして日焼け止めクリームを塗るだけよ」と拙い英語で答えるも、なかなか信じてもらうことができません。

でも、ウソではありません。ここ10年ほどは、アイシャドウやファンデーション、チークといった化粧は一切していません。絶対に欠かさないのは、洗顔後の美容液と、外出前の日焼け止めクリームを塗ることだけです。「それだけ?」と思われるかもしれませんが、それだけです。

アイブロウパウダーで眉毛を描くことも、実際には忘れがちです。しかし、人に会うといった特別なときは、なるべく書くようにしています。なぜ、アイブロウだけはケアしているのかと言うと、「眉毛くらい描いたら?」と日本で勤務していた時に、ナースさんから言われたから……。ナチュラルな眉毛になるように、ほんの少し手を入れるだけで、確かに顔が引き締まるように感じるので、なるべくなら毎日描きたいところです。
●大学時代は欠かさず化粧

そんな私ですが、大学生の頃は化粧品の一式を揃え、毎日欠かさず化粧をして大学に通っていました。下手なりながらに、毎日メイクを頑張ってしていたことを覚えています。しかし、大学を卒業後、夜勤業務が始まると、メイクを落とすタイミングを逃すことが増えていきました。長時間勤務のあとは、メイクを落とすのも忘れて寝落ちしてしまうという日々も、次第に増えていったのです。

地方勤務をしていたある日のことです。とうとう、メイク落としや化粧水といった基礎化粧品の買い置きが、一切なくなってしまったのです。

「もう、化粧なんかしなくていいや!」

化粧落としが不十分な状態がこの先も続いてしまうとなると、きっと肌に良くないに違いないと思った私は、この買い置きがなくなった事件をきっかけに、化粧をすることをきっぱりやめてしまったというわけなのです。

化粧をすることをやめたとは言え、乾燥肌気味の私は、洗顔後保湿をしないと、顔がパリパリしてきてしまいます。化粧水の後、保湿液をすると言う手間を、ずっと面倒に感じていた私は、保湿のために、美容液だけは使い続けることにしたのです。
●日焼け止めクリームだけは

日焼け止めクリームも、年中欠かせないアイテムです。夏の紫外線が強い時期はしっかり塗り、冬の期間は少し薄めに塗っています。日焼けだけでなく、シミやそばかす、乾燥や皮膚がんなどの対策にも日焼け予防は、大変重要です。しかし、私が年中、日焼け止めクリームを欠かさないのは、もっぱら日焼けしたくないからに尽きます。どうも日焼けした肌の色は私には合わないように感じ、それ以来、日焼け予防は徹底するようになったのでした。

東京に住んでいたときは、化粧をしていないのは「私だけ」と言っても過言ではないほど、化粧をするのが当たり前という世界だったような気がします。そのため、化粧をしないスタイルの私は、少々肩身の狭い思いをして過ごす日々でした。

しかし、化粧を完璧にしている人もいる一方で、ナチュラルなスタイルで過ごしている人も多くいるアメリカに来てからは、「化粧をしなければならない」と感じる空気から解放されたような気がします。

もちろん、ショッピングモールやドラッグストアに行けば、化粧品コーナーは目のつくところにあり、たくさんの化粧品が販売されています。大人はもちろん、小さな子どもたちも、化粧品を選んでいる様子を見かけることは日常茶飯事です。街中でも、中学生といった若い世代の人が、化粧をしている姿をよく見かけます。中学生の筆箱からリップグロスやアイシャドウが出てきた時の衝撃は、今でも忘れられません。

実際、ソーシャルメディアでは、10代の若者がスキンケアに熱中している様子が見受けられると言います。CNNの記事(※1)によると、あらゆる種類のクリームやジェル、フェイスマスクやフェイシャルピーリングに対して好奇心を示す、スキンケアに夢中なティーンエイジャーは「セフォラ・キッズ」と呼ばれているそうです。

そのCNN記事の中で、「セフォラ・キッドのトレンドは、実際に起こっている現象だ」と指摘するニューヨークの皮膚科医ペンジ博士は、発疹、アレルギー反応、さらには皮膚の火傷など、不必要なダメージを引き起こしているのではないかと懸念すると同時に、「10代の若者に勧めている3つの商品は、肌に優しいクレンジング剤と保湿剤、そして日焼け止めであり、その他の商品は、脂性肌やニキビができやすい肌など、この年齢の特定のニーズにのみ対応すべきだ。」と述べています。

ここ10年、実際に私が行ってきたスキンケアは、私にとってはとても良かったと感じています。疲れた時にニキビができる程度のみで、化粧をしていた時に悩まされた季節の変わり目の肌トラブルも、一切なくなりました。

年齢に伴うしわは出てきたように、鏡を見るたびに感じますが、加齢に伴うものだからと、受け入れていこうと思っています。保湿と日焼け止め対策は、ここ10年の経験で、私には最適なものだと実感しているので、幾つになっても継続していこうと思っています。

【参照URL】

(※1)https://www.cnn.com/2024/03/12/business/sephora-kid-tweens-skincare-obsession/index.html

 

MRIC Global

お知らせ

 配信をご希望の方はこちらのフォームに必要事項を記入して登録してください。

 MRICでは配信するメールマガジンへの医療に関わる記事の投稿を歓迎しております。
 投稿をご検討の方は「お問い合わせ」よりご連絡をお願いします。

関連タグ

月別アーカイブ

▲ページトップへ