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Vol.24186 坪倉先生の放射線教室(17)廃棄物再利用

医療ガバナンス学会 (2024年10月1日 09:00)


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この原稿は福島民友新聞『坪倉先生の放射線教室』からの転載です。

福島県立医科大学放射線健康管理学講座主任教授
坪倉正治

2024年10月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

●円滑な廃炉へ廃棄物分類( https://www.minyu-net.com/news/detail/2024033019405 )2024年3月30日配信

今回事故を起こした福島第1原発だけでなく、日本中の多くの原発で廃炉が進んでいます。廃炉に伴って生じるごみ、廃棄物は、放射性物質の含まれる程度によって、5種類に分類されます。その中で、原発の廃止措置に伴って生じる廃棄物の大半の93%は、一般のビルを解体する時と同じ、コンクリートや鋼材のような放射性廃棄物ではない(放射性物質の含まれない)一般の廃棄物でした。

そうすると、残りの4種類の約7%が放射性物質の存在を考慮しなければならないものとなりますが、その7%の全てが低レベル放射性廃棄物として扱われるわけではありません。

実は、残りの7%のうちの、約7割から8割は、含まれる放射性物質が非常にわずかで、身体への影響を十分に無視できるものであることが知られています。そのようなものについては、放射性物質が一定のレベル以下であることが確認されれば、放射性廃棄物から除外され、普通の廃棄物として処分したり、資源として再利用したりすることができるようになります。

このような制度のことをクリアランス制度と呼び、放射性廃棄物から除外されたものをクリアランス物と呼びます。資源の有効利用や、廃棄物の減容化、廃炉の円滑化を目指して作られた制度です。
●国内広がる廃棄物再利用( https://www.minyu-net.com/news/detail/2024040619486 )2024年4月06日配信

今回事故を起こした東京電力福島第1原発だけでなく、日本中の多くの原発で廃炉が進んでいます。廃炉に伴って生じるごみや廃棄物のうち、約7%が放射性物質の存在を考慮しなければならないものですが、その7%の全てが低レベル放射性廃棄物として扱われるわけではありませんでした。

その7%のうちの約7~8割は含まれる放射性物質が非常にわずかで、身体への影響を十分に無視できるものです。そのようなものは、放射性物質が一定レベル以下であることが確認されれば、放射性廃棄物から除外され、普通の廃棄物として処分したり、資源として再利用したりできるようになります。このような制度のことを、クリアランス制度と呼ぶのでした。

これは、資源の有効利用や廃棄物の減容化、廃炉の円滑化を目指して作られた制度ですが、資源の再利用は既に日本の各地で行われています。例えば福井県では、クリアランス物を使って越前水仙を模して作られた照明灯が実際に通学路などにも設置されています。

今後、日本全国の廃炉が進むに従って廃棄物の量は膨大となり、クリアランス対象物も年々増加します。限られた資源の中で現在の消費を続けていくならば、このような資源の有効利用は今後ますます必要になってくるでしょう。
●廃炉のゴミ、再利用に基準( https://www.minyu-net.com/news/detail/2024041319562 )2024年4月13日配信

日本中の多くの原発で廃炉が進んでいます。廃炉に伴って生じるごみ、廃棄物のうち、約7%が放射性物質の存在を考慮しなければならないものです。

そのうちの約7割から8割は、放射性物質が一定レベル以下であることが確認されれば、放射性廃棄物から除外され、普通の廃棄物として処分したり、資源として再利用したりできるようになります。普通の廃棄物として処分できるレベルのことをクリアランスレベル、このような制度全体のことをクリアランス制度と呼ぶのでした。

原発では、さまざまな放射性物質が生じるため、クリアランスレベルは、その放射性物質ごとに細かく設定されています。

また金属やコンクリートが再処理・再利用される際に、処理作業に従事される方の被ばくや、消費財や建築材として使われた際に、その近くにいるまたは使う方の被ばくなど、さまざまな経路から放射線を受ける場合が想定され、基準が決められました。例えば、金属を再利用して、トラックの一部として使用した際、それに乗車して仕事する想定や、家庭用のフライパンとして使用する想定などです。

クリアランスレベルは、どのように再利用・処分されたとしても人体への影響は1年間当たり0・01ミリシーベルトを超えないことを基準としています。これは、自然放射線の100分の1以下となり、身体への影響は十分に無視できるレベルといえます。

 

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