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Vol.24195 坪倉先生の放射線教室(18) クリアランス制度

医療ガバナンス学会 (2024年10月15日 09:00)


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坪倉先生の放射線教室(18) クリアランス制度

この原稿は福島民友新聞『坪倉先生の放射線教室』からの転載です。

福島県立医科大学放射線健康管理学講座主任教授
坪倉正治

2024年10月15日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

●低レベルでも異なる廃棄( https://minyu-net.com/news/detail/2024042019639 )2024年4月20日配信

日本中の多くの原発で廃炉が進んでいます。廃炉に伴って生じるごみ、廃棄物のうち、約7%が放射性物質の存在を考慮しなければならないものです。

そのうちの約7割から8割、つまり全体の5%程度は、放射性物質が一定レベル以下であることが確認されれば、放射性廃棄物から除外され、普通の廃棄物として処分したり、資源として再利用したりできるようになります。このような制度のことをクリアランス制度と呼ぶのでした。

そうすると、残りの2%程度は放射性廃棄物となり、低レベル放射性廃棄物と呼ばれます。低レベル放射性廃棄物は〈1〉制御棒や炉内の構造物といった放射能レベルの比較的高い廃棄物〈2〉廃液、フィルター、消耗品などの放射能レベルの比較的低い廃棄物〈3〉解体コンクリートや金属といった放射能レベルの極めて低い廃棄物ーの三つにさらに分類され、それぞれL1、L2、L3と呼ばれます。

低レベル放射性廃棄物の中でも、L1、L2、L3というように放射能レベルがそれぞれで異なるため、どの程度地中深くに埋めるのか、浅い地中に埋めるとしても、そのまま埋めるのか、コンクリートに囲まれた場所に埋めるのかといったように、それぞれで処分方法が異なり、その規制基準も既に策定されています。
●管理は数百年から数十年 ( https://minyu-net.com/news/detail/2024042719726 ) 2024年4月27日配信

日本中の多くの原発で廃炉が進んでいます。廃炉に伴って生じるごみ、廃棄物のうち、約7%が放射性物質の存在を考慮しなければならないものです。そして、その中の約7割から8割、つまり全体の5%程度は、クリアランス制度により、放射性廃棄物から除外され、普通の廃棄物として処分したり、資源として再利用したりできるようになるものです。

残りの2%程度のことを、低レベル放射性廃棄物と呼びました。低レベル放射性廃棄物は、放射能レベルの比較的高いものから低いものまでの三つに分けられ、それぞれL1、L2、L3と呼ばれるのでした。

L1からL3は、処理の方法がそれぞれ異なります。

L1は最も放射能レベルの高い群なので、地下50~100メートル程度の場所に人工構造物の中に包んで埋め、数百年の管理を行います。

L2は中間なので、地下10メートル程度の場所に人工構造物の中に包んで埋め、数百年の管理を行います。

L3は最も放射能レベルの低い群のため、特に人工構造物の中には包まず、直接地下の浅い所に埋め、数十年の管理を行います。

このように、低レベル放射性廃棄物の処理は、そのレベルに従って処理手順や期間も決められています。

 

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