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Vol.26038 坪倉先生の放射線教室(34)新規制基準②

医療ガバナンス学会 (2026年3月4日 08:00)


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この原稿は福島民友新聞『坪倉先生の放射線教室』からの転載です。

福島県立医科大学放射線健康管理学講座主任教授
坪倉正治

2026年3月4日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

●特性合わせ市町村が対策

https://www.minyu-net.com/news/detail/2025022211500633493 (2025年02月22日配信)
これまで、2013年に導入された原発の新しい安全基準である「新規制基準」について説明しました。防災に100%はないとは思いますが、さまざまな対策が行われるようにはなってきています。

日本の災害対策の基本的な考え方は「災害対策基本法」にも示されているように、それぞれの市町村が地域ごとに対応する仕組みになっています。これは、日本が南北に長く、地域ごとに気候や地形が大きく異なるため、それぞれの地域の特性に合わせた防災対策を進めるためのものです。しかし、その一方で、市町村の枠を超えるような広範囲の災害や、原子力災害のように専門的な知識が求められるケースには対応が難しくなるという課題もあります。

では、市町村ごとの防災対策はどのように決められているのでしょうか。各市町村には「防災会議」と呼ばれる会議が設置されており、これが地域の防災計画を策定する重要な役割を担っています。防災会議では、自治体の担当者だけでなく、消防・警察・医療機関などの関係者が集まり、地域の防災対策について話し合いを行います。この会議の目的は、地震や台風、洪水などの自然災害に備え、住民が安全に避難できるようにすること、また災害が起きた際の対応を事前に決めておくことにあります。

防災会議というと専門家だけの話し合いのように感じられるかもしれませんが、実は私たちの生活に直結する重要な取り組みです。例えば、地域の防災訓練や防災マップの配布なども、この会議で決められています。市町村のウェブサイトや広報誌などで会議の内容が公開されていることも多いため、一度ご自身の自治体の状況をチェックされてみるのも良いかもしれません。

 

●半径30キロ、防災対策の対象

https://www.minyu-net.com/news/detail/2025030111231333700 (2025年03月01日配信)
2013年に導入された「新規制基準」は、原子力発電所の安全対策を強化するための新しいルールです。これまで、活断層や津波に備えるなど、さまざまな安全対策が進められてきましたが、これらは全て発電所そのものを守るための対策、いわゆるオンサイト(英語で「現場で」という意味)の対策でした。

一方で、発電所の周辺地域、つまりオフサイト(英語で「現場から離れた場所」という意味)の対策も進められています。その代表的なものの一つが、防災対策の対象エリアを広げたことです。現在の制度では、発電所から半径約30キロ以内の市町村が防災対策の対象となっています。

さらに、災害が起こったときの避難方法も見直され、大きな変更点として「屋内退避」が重視されるようになりました。屋内退避とは、原子力災害時に窓や扉を閉めきって、建物の中にとどまることでした。飛んでくるかもしれない放射性物質を吸ってしまうのを防いだり、周りにまき散らされるかもしれない放射性物質からの放射線を遮蔽(しゃへい)したりすることで、大量の放射線を浴びるのを防ぐ方法です。

原子力発電所の周辺では有事の際に屋内退避をする予定の建物に対して、非常用の発電設備を設置したり、気密性を高める改修工事を行ったりする対策が進められています。

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