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Vol.26045 医師を志して −病院研修と自身のこれまでの回想−

医療ガバナンス学会 (2026年3月13日 08:00)


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福島県立磐城高等学校卒業
大平望果

2026年3月13日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

私は春から福島県立医科大学へ進学する者だ。昨年11月に総合型選抜を受験し、医学部医学科に合格した。先日、いわき市常磐病院の尾崎章彦医師に紹介していただき、同病院臨床研修センターに申し込んだ。その研修の感想の前に、まずは私自身の話にお付き合いいただきたい。

尾崎先生と出会ったのは小学6年生の時である。母が乳腺の腫瘍切除の手術で常磐病院に入院したのだ。何が起こったのかよく分からなかった私は漠然と不安を感じていた。それと同時に、不謹慎ながら外科医の仕事を見られることに対してワクワクもしていた。実際に見る医師は幼い私とって、やはりとてもキラキラしていてかっこいい大人に見えた。先生に「将来は何になりたいの?」と聞かれ、私は「お医者さんになりたいです。」と無意識のうちに、ほぼ反射的に答えた記憶がある。いま思えば、医師への憧れが目標にはっきり変わったのはこの時なのだろう。

その頃から医師になるという目標を掲げて勉強を続けることさらに6年が経ち私は高校3年生になり、本当に医学部を受験することになった。中学、高校と医学部に入りたくて必死に勉強を頑張ったのだ。自分の目標のためにする勉強は不思議とそんなに辛くはなかった(もちろん成績が上がらずに苦しんだ時期もあった)。先生に受験することを伝えると尾崎先生は2次試験の面接の練習を提案してくださり、とことん話に付き合っていただいた。
「そもそもどうして医師になりたいの?」
「いわき市にどうやったら貢献できると思う?」
「震災と復興の話と医療はどう結びつくの?」
“面接のため”の言葉は考えられてもその本質を突かれると、ぐっと言葉に詰まる。それから心の中で毎日自問自答した。思ったよりも自分の中の考えを言語化するのは難しく、医師という仕事、ひいては地域に対する想いを明確化するいい機会になった。出会った当初からだが、改めて尾崎先生は私の憧れの医師である。

そもそも私が外科医に憧れたのは、小さいの頃に『ドクターX』というドラマを観たのがきっかけである(毎シーズン母と夢中になって観ていた)。「私、失敗しないので。」の決め台詞、ハイヒールにミニスカートに白衣の姿、痛快な物言いがどうしようもなくかっこよくて大好きだったのだ(現実的に御法度だらけではあったが)。幼い頃はいつもいつもその決め台詞を真似して言っていた。「私も大門未知子になる!」が口癖だったらしい。子どもの戯言は今になってやっと現実味を帯び始めている。

実際に医学部に進学することが決まった今、もっともらしい理由を挙げると、たくさんの診療科がある中で外科は自分の手で切って治すので、最も直接的に患者を救うことに関わっていると思うからだ。患者本人とその身体に正面から向き合い、関わっていきたいのだ。

ここで、私の話は終わり、2月9日に常磐病院で1日研修として受け入れていただいたときの体験内容や感じたことを書いていきたい。

1日の体験の流れは以下の通りである。(乳腺外科)
研修時の服に着替える
→朝の回診(当日手術予定の患者への挨拶、終末期患者の容態確認、臨終確認の立ち会いetc.)
→手術の見学1件目(乳房全摘)
→昼食(職員食堂にて)
→手術の見学2件目(腫瘍切除)
→手術の見学3件目(カテーテル)

常磐病院では、まだ高校生だった私のことを本当の研修医のように迎え入れてくださった。特に手術を見学させていただいたことは、本当に良い経験になった。テレビで見たことがあっても、やはり目の前でなされる様子を見るのは全く違う。メスを入れる時の緊張感、電気メスで焼き切るにおい、血が飛び散る光景によって実感を伴って外科を理解できた。

また、常磐病院に対して感じたのはその親しみやすさ、雰囲気の良さである。手術の見学中も、
「気持ち悪くなったりしてない?倒れそうになった先生たちが受け止めるからね!」
「まだまだ大丈夫です!」
「お、外科医の素質あるかもよ〜」
こんな会話をしながら、終始和やかだった。(個人的には休憩中に聞いた常磐病院の池にいるカモの話がお気に入り。)

この経験は私に鮮烈な印象を残し、外科医になりたいという思いが強まると共に、この病院で地元であるいわき市に貢献したいと思った。これから始まる大学生活も、立派な医師になるために精一杯頑張りたいと思う。

常磐病院の受け入れてくださった皆様、本当にありがとうございました。

 

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