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Vol.284 診療報酬と介護報酬 来年4月に同時改定、一体改革は正念場へ。

医療ガバナンス学会 (2011年10月6日 06:00)


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今回の内容はロハスメディカル9月20日号に掲載されています

医療現場危機打開・再建国会議員連盟幹事長
文部科学副大臣 鈴木寛
2011年10月6日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


来年4月に予定されている診療報酬と介護報酬の同時改定。すでに議論が始まっています。医療機関にどれだけ支払うかを左右する診療報酬と、高齢者の介護サービスを支える介護報酬、どちらもいわば高齢社会の屋台骨ですが、同時に国家財政を圧迫する要素でもあります。

かつて、歳出削減のために社会保障費が槍玉に挙げられ、医療費削減が強行されました。しかしその結果が、病院勤務医の不足です。医学部新設論も、その背景には高齢者の大幅増に伴う医療需要の増大があります。

特に、救急医療崩壊の一要因ともなる「看取り」は、医療と介護にまたがる課題として解決策を見出さねばなりません。同時改定に向けた社会保険医療協議会 (中医協)と社会保障審議会・介護給付費分科会の合同会議の場でも、本来こうした問題が議論されてしかるべきでしょう。米国では外国人医師、熟練看護師、 医学部以外出身の医師も看取りを担っています。医師不足の日本も、特に都会では、看護師に認める医療行為の拡大や、外国の医師免許の容認、日本の医師増の いずれかの選択肢から選ぶことになります。

いずれにしても医療と介護の今後は、これから正念場を迎える「社会保障と税の一体改革」が鍵を握っています。

一体改革は、社会保障費や公共事業といった歳出と、税金や国債による歳入のバランス是正のために、社会保障費と税金に手を入れようというもの。公共事業費 は昨年、政治主導で30%削減しましたが、高齢化に伴う社会保障費の増大をまかなうにはまだ足りません。震災の復興支出や復興債は別枠としても、歳入増を 図るしかないのです。ところが、国債は発行額が600兆円越。将来にこれ以上のツケは回せないため、増税は避け得ないというわけです。

とはいえ所得税増は若い世代に負担を強いるものですし、円高下での法人税増は、企業の海外流出を助長してしまいます。医療など社会保障の受け手は主に高齢 者で、同時に、日本の金融資産1500兆円の6割は60歳以上の保有であることを念頭に置けば、残る手段は、保有資産か消費に課税すべきとの意見になりま す。

いかに高齢者間の公平・公正な富の再分配を実現するか、熟議をお願い致します。

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