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Vol.392 東洋医学に世界が注目。積極的に西洋医学とのコラボレーションを! 

医療ガバナンス学会 (2012年2月5日 06:00)


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今回の内容はロハスメディカル1月20日号に掲載されています

医療現場危機打開・再建国会議員連盟幹事長
民主党政策調査会副会長 鈴木寛
2012年2月5日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


今回の特集にもありますが、この10年で、日本の医療は漢方を積極的に取り入れるようになってきました。私自身、関心を持って追い続けているテーマでもあります。

平成13年に文科省主催「医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議」で初めて示された医学教育モデル・コア・カリキュラム(教育内容ガイドライ ン)では、卒業時までの到達目標として「和漢薬を概説できる」ことが薬物治療に盛り込まれました。それが最新の平成22年改訂版では、「和漢薬(漢方薬) の特徴や使用の現状について概説できる」と、もう一歩踏み込んだかたちになっています。薬剤師国家試験でも、今ではほぼ毎年、漢方薬の問題が出されていま す。

こうして、今や大学病院など医学教育や最先端医療の場面では、漢方がかなり浸透しています。エビデンスも出てきて、文科省から予算がついている研究もあります。比較的若い世代の医師や医療スタッフには自然と受け入れられているということです。

教育という面での今後の課題としては、例えば40歳代以上の医師らに漢方の知識をどうキャッチアップしてもらうか、医師国家試験の問題にどう漢方を入れていくのか、といったところでしょうか。

一方、民間病院ではすでに、広く東洋医学の考え方を西洋医学に融合させた「統合医療」を実践しているところも増えています。例えば亀田総合病院では診療科目として「東洋医学診療科」が確立され、西洋医学の各科と有機的に連携しています。

また、私が注目しているのが「医食同源」の考え方。例えば、従来の栄養学では大差なく扱われる香味野菜のショウガとセロリは、漢方では体を温める・冷やす という観点で対極に置かれます。チーム医療の一環として活躍している栄養サポートチーム(NST)に東洋医学の専門家も参加し、コラボレーションを図って はどうでしょう。

ドイツなど欧米では、医療費削減の切り札として漢方が国家レベルで注目されています。ただ本来なら、歴史的に漢方に馴染みのある我が国こそが、その流れをリードすべきところです。エビデンスがあるものから積極的に、東洋医学を広く取り入れていくことが求められます。

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