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Vol.512 消費税引き上げ法案。法改正の意義をぜひご理解ください。

医療ガバナンス学会 (2012年6月7日 06:00)


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今回の内容はロハスメディカル5月20日号に掲載されています

医療現場危機打開・再建国会議員連盟幹事長
民主党政策調査会副会長 鈴木寛
2012年6月7日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


3月末、消費増税引き上げ法案が閣議決定されました。消費税率を2014年4月に8%、15年10月には10%に引き上げる内容です。

後世にツケを残さないため、消費税引き上げが必要なのは異論ないでしょう。ところが政局問題ばかり注目、報道され、法改正・消費税引き上げの意義が皆様に十分伝わっていないのではないでしょうか。

意見が分かれたのは、デフレからの脱却が完全に確認されるまで増税は見合わせるべきではないか、という点です。

追加された付則第18条は、そこを考慮した形になっています。「消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施」し、また、 「物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて」施策・措置を講ずると明記。付則第18条の2では、最終的に「施行の停止を含め」て対 応するとしています。

さらに低所得者対策として、8%への増税時に一定額の現金などを配る「簡素な給付措置」を実施。10%への引き上げ後は、国民一人ひとりに番号を割り振っ て納税や社会保障などの情報を一元管理する共通番号制の実施を前提に、税還付と現金給付を組み合わせた「給付付き税額控除」を導入することも示しました。 税金と社会保険料を一体的に徴収する「歳入庁」の創設や、所得税と相続税の最高税率引き上げも盛り込んでいます。

それでもなお、消費増税を断行すれば経済成長が停滞して税収が増えない可能性がある、と懸念する人もいます。しかし、現在約1%の10年国債の金利が仮に この先4%ほどに上がった場合、今の税収と国債の利払いがほぼ同じレベルになってしまう計算です。すでに利払いだけで毎年約10兆円、医療費と同じ額に 上っています。これが40兆円ともなれば、医療や教育ほか公共サービスは停止、政府機能に重大な影響が出るのは明らかです。当然、金融システムも動揺しま す。

消費増税は困る、貯金ゼロはもっと困る、でも現在の医療体制は維持するためには、保険料を2倍にするか、自己負担を2倍にするか、両方を1.5倍にするか、3つの選択肢しかありません。以上を踏まえて消費税引き上げについて改めてご理解いただければと思います。

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