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Vol.608 初期研修1期生募集

医療ガバナンス学会 (2012年10月9日 14:00)


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南相馬市立総合病院
院長 金澤 幸夫
2012年10月9日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


平成24年9月7日、亀田総合病院の全面的な支援を得られること、災害時医療の研修を行うことを条件に基幹型臨床研修病院の許可がおりた。プログラムには 2年次、亀田総合病院での4か月の研修が含まれている。平成24年10月5日、亀田総合病院 卒後研修センター長 片多史明先生を迎え「現場で動ける医師 を育てるための5つのポイント」の演題名で講演いただいた。研修病院としての第一歩が始まった。

現在、当院では来年4月研修開始の1期生を募集しています。このプログラムに興味を持ち、研修先候補に加えてみたいと考えている医学部6年生の皆さんは、 ぜひ当院(メールアドレス: sogo-hp-jimu@city.minamisoma.lg.jp )に連絡を取って下さい。

研修病院指定は震災後の私の夢であった。平成13年9月、約22年間お世話になった福島県立医科大学を離れ、小、中、高を過ごした南相馬市の市立病院に赴 任し、11年が過ぎた。赴任当初は本来の小児外科と一般外科の診療に当たっていた。平成16年より卒後臨床研修が義務化された。平成17年4月から院長職 となったが、当院のような地方の病院で医師を確保するのが困難になっており、消化器を中心とした内科を担当するようになった。

平成23年3月11日、東日本大震災発生、南相馬市では震災で636名が亡くなり、その後の原発事故で多くの市民が県内外に避難、人口は7万1千から1万 に減少した。当院は原発より23kmにあり、入院患者の避難指示があり3月20日、入院患者は零となった。当院は閉院することなく外来を維持したが、4月 末には常勤医は14から4名となり当院の消滅が危惧された。
その後、原発事故が収束し市民も戻りつつあるが、震災より1年6か月を経た現在でも2万5千人は避難したままである。その多くは年少の子を持つ若い世代 で、高齢化社会が急速に進んだ。また津波、原発事故により仮設住宅に5228人、借り上げ住宅に4663人が住んでいる。当院は平成23年6月20日より 入院70床が許可され、平成24年9月、常勤医18名、稼働病床は150床(許可病床230床)になった。しかし、南相馬市旧緊急時避難区域の5病院をみ ると、許可病床数1046床に対し医療スタッフの減少のため運用病床数は453床(43%)である。
このような状況下で当院の果たすべきこととして1)2次救急までの救急医療、2)小児科、産婦人科医療の整備、3)仮設住民の健康管理、4)放射能汚染に伴う内部被曝検診を上げてきた。

震災後、志ある医師が当院に集まりつつある。東大医科研上教室の坪倉正治先生は、血液内科医で、WBCによる内部被曝検診の第一人者である。市民に正しい 知識をもっていただくために放射線、内部被曝の講演を多数行っている。亀田総合病院出向の原澤慶太郎先生は、家庭医で仮設住民の健康管理に当たっている。 現在オムロン社との共同事業で高齢者の血圧管理、安否確認のモデル事業を行っている。獨協医科大学神経内科准教授から当院勤務となった小鷹昌明先生は、神 経難病の第一人者で文筆家である。総合国保旭中央病院から当院勤務となった神戸敏行先生は、呼吸器内科医で多くの研修医の指導実績がある。

しかし前述したことを達成し維持するためには、当院や南相馬市に興味をもっていただける医師を更に増やすことが必要と考えており、基幹型臨床研修病院指定 は必須の条件で私の夢であった。また、協力型研修病院として地域医療研修医を受け入れている。亀田総合病院から今年7月に木村和秀先生、9月に藤澤学先生 が研修のため当院を訪れ、また12月にも予定されている。この地域医療研修は南相馬市を実際にみていただく良い機会と考えており亀田総合病院の他、福島県 立医科大学、聖マリアンナ医科大学、広島大学からも希望者があれば来ていただけるようになっており、更に枠を広げたいと考えている。

プログラム詳細、待遇などは以下の厚生労働省臨床研修プログラム検索サイト(REIS) ホームページにて、南相馬市立総合病院で検索すれば、閲覧可能です。

http://reis.mhlw.go.jp/pub/pb2.php

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