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Vol.208 メディカルスクール受験事情

医療ガバナンス学会 (2013年8月26日 06:00)


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マギル大学理学部二年生
早川 周
2013年8月26日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


現在、カナダのマギル大学理学部二年生の早川周です。卒業後は北米のメディカルスクールという、大学卒業後に医学を学ぶ課程に進学したいという希望をもっており、今回は、メディカルスクール情報を紹介したいと考えています。
北米のメディカルスクール理学部、文学部、音楽部など、どのような学部で卒業しても所定の単位を収めていれば、受験する事ができます。所定の単位とは生物、化学、物理、有機化学と人文化学系の科目を一つずつ、計五科目のすべてを一年通して履修することをいいます。

まずはカナダのメディカルスクールに関して書いてみます。カナダの全メディカルスクールの第一審査は大学の成績 (GPA), MCATという試験の点数、履歴書、推薦状と医学部志望動機のエッセイです。
GPA(GRADE POINT AVERAGE)とは大学の成績評価方式であり、4.0 が通常の最高値で0.0が最低値です。
MCAT(通称エムキャット/MEDICAL COLLEGE ADMISSIONS TEST)は北米医学メディカルスクール入学のために必要な試験です。試験自体は45点満点であり、医学教科の勉強のために大切と思われている生物、化 学、物理と有機化学の知識を測ります。
ちなみに北米医学部合格者の平均GPAは3.7から3.9で、MCATの平均点数は30.8です。第一審査をパスした受験生は第二審査の面接に進みます。その面接まで残った受験生の中で面接官に強い印象を与えた人たちが合格できます。

カナダのメディカルスクールで、カナダ人及び永住権保持者以外は受ける事ができる大学は限られています。現在、他国の大学生を受け入れるメディカルスクー ルはMcGill University, University of British ColumbiaとUniversity of Torontoなどです。多くの医学部受験生はGPAとMCATでは高い点数を取っており、様々な経歴を持っている優秀な学生ですが、カナダの医学部はこ の優等生たちのうちのわずかな人数しか受け入れません。2007−2008年の受験では、カナダのオンタリオ州にあるUniversity of Toronto(通称トロント大学/UofT)は受験生3161人中294人にしか合格を出しませんでした。

次はアメリカのメディカルスクールについてです。アメリカもカナダのメディカルスクール進学制度と同様のようです。また、各大学によって制度の詳細は違い ますが、アメリカのメディカルスクールの第一審査は”Primaries”と呼ばれており、GPA, MCATの点数と履歴書で審査されます。そのときは 通常全単位含めた総合GPA(General GPA) と理系単位だけのGPA (Science GPA)を考査します。

次の第二審査は推薦状と医学部志望動機で、”Secondaries”と呼ばれています。そこでは大学によって”一番好きな小説家はだれですか?”や”今までの人生で、学んだ物の中でもっとも成果を上げた物は何ですか?”などの質問をされることもあります。
合否判定委員会が受験者のSecondariesを検討後、パスした受験者を大学構内での面接に呼びます。面接まで進んでいる受験生はみな成績優秀者であるので、今度はその中で特別に光る物を持っている人を選びます。

今年、僕のアメリカ人の友達のCさんはいくつものアメリカの医学部に合格しました。彼女は僕が医学部志望なのを知っており気軽に僕の質問に答えてくれまし た。僕は彼女の大学での成績、MCATの点数、その他の彼女のプロフィールを聞きました。彼女は大学では優等生で、General GPAが3.92でScience GPAが3.65、MCATの点数は30でした。受験前は、二回の夏にわたって名門病院 ”JOHN’s HOPKINS HOSPITAL” の脳神経科学と心理学の研究所で研究をしました。その上、300時間ほどのボランティア活動経験や、75時間ほどの様々な専門医学の 手術見学を経験しています。彼女について特筆すべきことは、過去にUS COLLEGIATE NATIONAL FIGURE SKATING COMPETITION (日本の国体レベル)に出場経験があることです。

彼女は面接で様々な経歴を持つ受験生に出会ったそうです。例えば医療保健学科修士課程の学生、彼女のようにアスリートとして優秀な受験生、大学卒業後一年 間に世界を旅した学生などです。彼女が出会った受験生の中でもっとも印象的だったのは十年間軍の音楽隊にいて、オバマ大統領の就任式で演奏した人だそうで す。

このように様々な経歴をもち経験を積んだ、優秀な人々が集まるのがアメリカのメディカルスクールです。彼女は自分より優秀で、努力や準備を重ねた受験生は 何千人もいたけれど、自分が合格できたのは勉強、運動や社会奉仕などのバランスがとれた生活を送ってきた事が評価されたからで、それが合格につながったと 思っているそうです。ですが彼女自身も未だにメディカルスクールの合格基準ははっきりとは分からないそうです。

以上で僕のレポートは終わります。

今回編集を手伝ってくださった矢野厚さんにお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

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