Vol.239 産科医療補償の余剰掛金に関する意見書
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井上法律事務所
弁護士 井上清成
2013年10月6日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
1.産科医療補償制度掛金一部返還請求に関する和解の仲介申請について
平成25年5月22日、分娩機関28施設(関係人として妊産婦1041名)は、独立行政法人国民生活センターに対し、公益財団法人日本医療機能評価機構を 被申請人として、産科医療補償制度の掛金一部返還請求(妊産婦1名当り掛金3万円のうち2万円の返還)を求めて、和解の仲介申請を行った。当該申請は、分 娩機関が当該施設で分娩した妊産婦に余剰掛金を返還するために、日本医療機能評価機構に対し、自ら前面に出て余剰掛金の返還請求をするものである。続け て、分娩機関11施設(関係人として妊産婦971名)も追加申請を行った。申請を行った総数は、現在、分娩機関39施設(妊産婦2102名)となってい る。
さらに、それ以前の平成25年9月26日には、妊産婦自身4名が直接、日本医療機能評価機構を相手に、余剰掛金の返還を求めるべく、やはり独立行政法人国 民生活センターに対し和解の仲介申請を行って、より多くの妊産婦の申請への参加を広く訴えた(申請への参加については、池下レディースチャイルドクリニッ クホームページwww.ikeshita-clinic.com/kasai/・産科医療補償制度返還請求を参照)。
2.産科医療補償制度の余剰金の取扱いに関する意見書について
産科医療補償制度の運営において、余剰金が生じていることが明らかとなり、その余剰金の取扱いにつき、現在、各所において様々な議論がなされている。その 中で、現場の診療所・開業助産所である(和解の仲介申請を行った)分娩機関28施設としては、制度開始5年内外で分けた上で、制度開始5年内については、 余剰掛金を妊産婦に返還し、制度開始6年目以降については、補償対象者を「分娩にかかる」か否かに関わらず、重度脳性麻痺児に一律に3000万円の補償が なされるよう現制度における制限を撤廃し、併せて、それでも依然として生じる余剰分の掛金は減額すべきであると考えている。
そこで、平成25年9月26日、分娩機関28施設は、厚労省社会保障審議会医療保険部会に対し、妊産婦および現場の分娩機関の声として、別添の意見書を提 出した。社会保障審議会医療保険部会がこの意見書を採用し、もしくは現場の分娩機関(診療所、開業助産所)の代表(池下レディースチャイルドクリニック院 長および代理人弁護士井上清成)を参考人として意見聴取することを要望する次第である。
意見書はコチラからご覧いただけます
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http://expres.umin.jp/mric/MRIC.vol239.doc