医療ガバナンス学会 (2013年11月28日 06:00)
この原稿は朝日新聞の医療サイト「アピタル」より転載です。
http://apital.asahi.com/article/fukushima/index.html
南相馬市立総合病院
非常勤内科医 坪倉 正治
2013年11月28日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
亀田総合病院からは毎月交代で来てくれていますし、福島県立医大、長崎大学、広島大学、慈恵大学、神戸大などからも来てくれています。毎月、常に外部から平均1~2名の研修医がいらしています。
当院の根本先生、小鷹先生らが中心となって指導しています。
彼らは病院の仕事を行いながら、仮設住宅を含め病院の外に出て様々な医療活動を行っています。
その一つが、健康講話です。それぞれの研修医が一つのテーマを決めて、特に南相馬市内の仮設住宅や借り上げ住宅の方に話します。38のすべての集会場を一 つひとつ回っています。時間は長くて30分ぐらい。10分話をして、質疑応答と雑談を20分ぐらいしながら、一つひとつの集会場を回ります。一日5つず つ、2週間ぐらいかけて、すべてを回っていきます。4~5人の参加の時もあれば20人近くのこともあります。場所により様々です。平日の昼間だからなの か、やはり高齢の女性の参加が多いようです。
長崎大学から今月いらした岡本先生のテーマは骨粗鬆症。特に閉経後の女性にとっては重要なテーマ。しかも運動不足に陥りやすい生活でリスクはさらに高く なっていると思われます。骨粗鬆症とは何かを話した後、家でできる簡単な運動について紹介します。なぜ運動が大事か、どんな食事をとればいいかも併せて説 明します。
質疑応答も場所により様々です。ある一人が自分の膝が痛いというと、みんなそれぞれxxが痛いとか、自身の症状を話し、整形外科的な話になります。別の一 人が飲んでいる薬について質問すると、それぞれ自分が飲んでいる他の薬の話になり、xxを飲むのは嫌なのだけど、どうなの?といった雑談が始まります。ま たある一人が食事のことを質問すると、食べ合わせの話になったり、いつも食べている食事の話になったりします。
毎回、それぞれの研修医によってテーマが異なり、血圧、糖尿、コレステロール、薬の内服、ワクチン、熱中症など、様々なテーマで健康講話が行われます。も ちろん仮設住宅に限った話でも無いですし、別の職種がやるべきだとか色々な指摘があろうかと思います。ですが、医療者が病院の外に出て、みんなで健康を守 ろうとする活動の一つの形だと思います。このブログにも紹介している内容にも通じると思います。
彼らも私自身もそうですが、医師は多くの方々に接して話を聞きながら成長させていただいているなぁと感じます。彼らの活動が、少しでも住民の皆さんの健康の役に立っていることを願いつつ。
写真: 今月当院に来てくれている岡本先生。骨粗鬆症の話をしています。
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http://apital.asahi.com/article/fukushima/2013112600026.html