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Vol.129 内部被曝通信 福島・浜通りから~小中学生への検診 将来への一助に

医療ガバナンス学会 (2014年6月6日 06:00)


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この原稿は朝日新聞の医療サイト「アピタル」より転載です。

http://apital.asahi.com/article/fukushima/index.html

南相馬市立総合病院
非常勤内科医 坪倉 正治
2014年6月6日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

気温も徐々に上がり暑くなってきました。この時期、南相馬市では毎日学校検診としての内部被曝検診が行われています。小中学生併せて3,500人ぐらいの生徒がバスで渡辺病院と南相馬市立総合病院にやってきます。

例えば今日は○○小学校一年生、明日は○○小学校二年生というようなペースで、担任の先生が引率してくださり、淡々と検査が進んでいます。去年の今頃から 始まりました。現在は年に2回という運用なので、検査としては3回目になります。全体の98%〜99%ぐらい、ほとんどの方が参加してくださっています。 詳しい結果は追って公表されると思いますが、私の知る限り、現状の検査でこれまでにセシウムを検出したことはありません。

病院に着くと、待合で待った後、靴を脱いで検査服に着替えます。靴を所定の場所に並べたら、着替えを入れるかごをもらいます。かごをもらって更衣室に入 り、検査服に着替えて、かごの中に自分の服を入れます。そして服の入ったかごをもって、ホールボディーカウンターのある部屋に行って、それぞれの順番を待 ちます。2分の検査が終わったら着替えて終わりです。

他の検診などと特に変わりません。スタッフいわく、一番先頭の生徒に靴の並べ方や着替えなど、やり方をしっかり伝え、次の人に教えてあげるように伝える と、一生懸命やってくれています。ちょっとした遠足やおでかけのようなものではしゃいだり騒いだりする生徒もいますが、良い子たちばかりです。

(そうあるべきでは無いのでしょうけれど)3回目ともなると、病院スタッフも生徒も慣れてきたと感じます。一人2分の計測時間で着替えや体重計測なども必 要なので大変なのですが、当院にある2台の検査器を交互に使うことで、小児でも一時間あたり40人ぐらいまでの検査が可能になっています。検査結果は チェックされ、数週間以内に郵送されます。ご両親の手間をとってもらう必要もほとんどありません。

他の検診もそうですが、検査をすればするほど身体に良いと言うことは全くありません。身体には全く無害のホールボディーカウンター検査も、ごくたまに狭い 場所に入るのをためらう方もいらっしゃいます。程度は違いますが、MRIの閉所恐怖症のような症状です。スタッフが繰り返し声かけしながら検査を行いま す。

現状がベストな方法だというつもりは全くないですが、これが南相馬市で3年間続いてきた検査の今の形です。この検査が将来、子供たちが前向きに過ごしていけるための手助けの一つとなってくれることを願っています。

写真:着替えのかご。これを持って順番を待ちます。

http://apital.asahi.com/article/fukushima/2014060200012.html

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