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Vol.279 現場からの医療改革推進協議会第九回シンポジウム 抄録から(6)

医療ガバナンス学会 (2014年12月5日 06:00)


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*このシンポジウムの聴講をご希望の場合は事前申し込みが必要です。
(参加申込宛先:http://medg.jp/mt/?p=2885 )

2014年12月5日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

2014年12月14日(日曜日)

【Session 06】10:00-10:30

医療改革の現在.2

●超高齢化社会を支える介護従事者の確保に向けたアスリートの活用
早見泰弘

既に大きな社会問題となりつつある高齢化社会ですが、現在65歳以上の人口が318万人、全人口の4分の1を占めています。20年後の2035年には3人に1人が高齢者となり、待ったなしの状況で超高齢化社会が待ち受けています。
この状況は世界的に見ても、どの国もこれまで経験したことのない高齢化社会となっています。
そのような高齢化社会と向き合っていくためにも高齢者ご本人はもちろんのこと高齢者を抱えるご家族が生活しやすい社会を実現する介護現場を充実させていくことが必要不可欠になっていくと考えています。
現在の状況下において介護現場で従事する方は220万人を超える方が働いています。
さらに高齢化が進む10年後には1.5倍となる300万人を超える介護従事者が必要と推測されています。
年々、介護従事者が増えているとはいえ、まだまだ他業種と比較しても介護業界が敬遠されている状況は否めません。
このような介護従事者の確保が急務となっている今、私たちはアスリートの活用に着目しています。アスリートは現役時代のトレーニングを通じて身体の使い方に関することや筋肉などをはじめとした身体に関する知識が豊富であり、特に運動機能におけるリハビリについては非常に適正が高く、質の高い介護が実現できると考えています。言うまでもなく体力に関しては人並み以上ですので、介護を受ける側も安心して介護を受けられることも魅力の一つだと考えています。
また、アスリートの方は礼儀正しく、コミュニケーション能力が高い方が多く、介護現場では特に必要なスキルの一つと私たちは考えていますので、それらを持ち合わせていることも好相性だと思っています。
まだまだ道半ばではありますが、アスリートを活用した「脳梗塞リハビリセンター」「アルクル」におけるリハビリ現場作りを通じてアスリートの新たなキャリアパスを創造し、高齢化社会に寄与できる枠組みを作りあげることができると信じて引き続き取り組んでいきたいと考えています。
●スポーツ×介護から見るフィットネス型通所施設の人材活用法~
細野史晃

介護業界の人財不足が叫ばれて何年もたっていますが、恒常的な人財不足は今でもなかなか改善の目処が立っていません。また、スポーツ業界もアスリートのキャリア作りや競技を続行する為の環境づくりという点で抜本的なアイデアが出てきていません。
介護業界というのはキャリアパスがどんなものなのかはっきり見えてこないと言う事が人財の集まらない理由の一つとなっています。
また、スポーツ業界は選手や学生がスポーツだけやればいいという特殊な環境下でアスリートとして以外のアイデンティティが上手く醸成されずセカンドキャリアや就職活動を難しくしています。
その二つを繋ぐヒントになるのがフィットネス型通所施設になります。「フィットネス型」と「通所施設(デイサービス)」という2点がポイントです。
アスリートが求めているのは自身の知識を活かせると言う事と練習時間を確保できる働き方の2点になります。フィットネス型のデイサービスは自身の能力を活かし、練習時間も確保できると言う意味ではピッタリです。
また、自分たちと違う年代とのコミュニケーションに工夫が必要な仕事になる為、アスリートに課題である発信力、コミュニケーション力が自然と鍛えられます。
また、デイサービス側としては若く元気で力のある人財が入ってくる事、そして次のステップとしてアスリートが使うことで長期雇用にならず給与(固定費)がいたずらに上がらない事も大きなメリットになります。
既に、何人かの学生アスリートが次のキャリアのステップとして働き始めており、今後の活躍を期待されています。
今まで広告としての活用が強かったアスリート雇用ですがより生産性の高い活用法として「スポーツ×介護」の未来。
高齢化する日本ですが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの成功の為には高齢者とアスリートの接点は必要不可欠です。
その可能性としてこの人材活用法に大きな未来を感じています。

 

 

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