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臨時 vol 145 「第2回「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医のあり方に関する研究」班会議 傍聴記」

医療ガバナンス学会 (2008年10月14日 11:36)


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   ~ 患者のため、言ってみたけど、実は自分たちのため ~
                ロハス・メディカル発行人 川口恭


 例の第14回事故調検討会と同じ日に、この班会議も開かれた。日本専門医制評価・認定機構の池田康夫理事長、日本医師会の飯沼雅朗常任理事の2人からヒアリング。事故調に時間を取られた分、少し報告が遅くなってしまったが、こちらの会議は参加者たちが端的に喋るので色々なことが見えてきて面白い。ここでは、まさに真剣勝負という感じの質疑応答をご紹介する。2人のプレゼンの内容は、追って公開される班のサイトをご覧いただきたい。
最初は池田理事長。
土屋
「日本の現在は学会中心の専門医育成だが、アメリカはプログラムオリエンテッドという話だった。機構としては、その方向を目指すということか」
池田
「学会に投げかけたい。長い間専門医制度は学会がつくってきているし、これからも学会がつくっていかなければならないであろう。学会に、専門医が何人必要か、プログラムオリエンテッドの育成制度に対して専門性の指針を整備していただく必要があるのではないかということ、その辺で意向を各学会にお聴きしたいと思っている」
土屋
「理事長としては、プログラムの方向、しかし各学会全部の合意を得られていないと」
池田
「その通り。長い歴史があるので一朝一夕に変えることができない学会もあると思う。ただし、今後専門医にインセンティブを付けるとなったとき、患者さん側から要望がでてくると思う」
土屋
「適切な専門医数、これをどこが決めるか、これを最終的には機構で決める方向性なのか、各学会の決めた数を容認する方向なのか」
池田
「適正な数を出すことは大事だが難しい問題。何が適正か言いづらい。各学会はどういう試算のもとに適正な数を考えているかを問い合わせた結果としてそういう議論を巻き起こしたい。日本の医療で専門医の果たす役割を考えたとき、診療科の偏在や地域医療の問題を解決するひとつの策になっていくのかなと思う。プログラムも各都道府県に置くことになれば、当然そこで専門医が育っていく。地域格差の解消にも一石を投じる格好になっていくのではないか」
土屋
「各学会の総会うんぬんというお話だった。一方で、第2版の整備指針3ページに基本的に参加年限は問わないとなっているが、学会が守っていないということか」
池田
「その通り。会員歴は問わないとなっているが学会では決めている。問わないというのは、問うのが悪いということではなく、トレーニングの経過である程度認定ができれば良いのだろうという考え方」
土屋
「先生のご挨拶にも、整備指針の最初にも、第三者機関ということばがでてくる。第三者は契約の同意者でない主体となっている。当事者でないという定義があいまいなのが一般的だろうが、それはともかく、第三者というのは1つ、予断無く専門知識を活用して内容が適正かを評価する。これは社会システム研究本部の見解だが、道路公団の民営化が該当して施策や事業内容まで検討する。2つ目のタイプは内容ではなくプロセスを評価する。今までのお話では後者と解釈して、内容に踏み込んで指示を出すまでは持ってないし、今後もそうだということで」
池田
「その通り。プロの集まりとして学会を基本にしながら、学会だけということでは患者の視点や違った意見が反映されづらいので、専門医審議会をつくり、メディアの方、日本医師会、医学会を含めた審議会で方向の議論をいただいているのが現状」
土屋
「この審議内容は公開されている?」
池田
「まだ公表されていない」
阪井
「機構のミッションとして、専門医のトレーニングの質の向上維持は患者のためであるとコメントされた。その通りと聞いた。機構はアドバイザリーコミティーで外部の意見を聴く、ということだが、理解が正しければ理事のメンバーに外部の人を加える、患者さんを入れるのがよろしいかと考えるが」
池田
「それは大事な指摘。ここの機構が、学会もそうだと思うが、機構の運営が専門医をつくるにあたり、どういう仕組みで動いているが、transparencyが求められる。機構の運営についての指摘は傾聴に値すると思う。今は入っていない。各学会の定款が決まっていて、各学会から理事会が選ばれて運営されている。その定款を変えないとそういう形にいかない。そのためにも外部の方の意見を吸い上げる形は別にどうしてもつくらねばならない。定款を変えるか議論の必要性がある」
外山
「今の専門医認定機構が、日本の専門医をつくるにあたって、一番上の委員会と解釈してよろしいか」
池田
「その通り」
外山
「全体的なことをやるには、具体性と実効性、それがないと組織がうまくいかない。先に進まないと思う。そういうところで、先生の会の中で下部機構、いわゆる目と足と耳をつかって動くという、そいういう組織は考えているのか」
池田
「それがないと集まっているだけでは、実際はできない。施設訪問するにしても、具体的なアクションをするにしても、専門的なコントリビューションする人が非常に少ない。評価委員会でも理事の方、班員の方、評価委員会のメンバを募っているが、専門家だけが負担がかかる状況がある。そういう足腰を強くする仕組み作りは今後当然つくっていかねばならない」
外山
「そのためには、財政的な支援、第三者、色々な別の職種の理解のある方のサポートが必要。アメリカでも莫大なお金がかかっている。先ほど学会はプロフェッショナルの集団だというお話があった。いわゆる学会が運営者の集団なので、学会の意見、各学会でまとめてもらう責任があるのはもっともだと思うが、学会がそれを行うだけの実際の能力、精神力、誠実さ、それがあるのかと思うと、少なくとも私が属す学会については懐疑的。すると学会に振らねばならないというところの基盤が脆弱な気がする。もっと突っ込んだ、学会にこうすべきというようなアプローチは今後されるのか」
池田
「加盟しているのが69学会、それ以外にも専門医制度をもっている学会がかなりある。そういう学会はルーズに専門医を設定しているかもしれない。69学会も温度差がある。専門医を育成するために多くの事務局を運営している学会も、ゆったりしている学会も温度差があるので、標準化をやらないと専門医という言葉が国民に理解されない形になる。機構は踏み出さざるを得ないし、責任をもたないと中心的な機構にならないと思うので、行政もサポートしてくださると思っているので、それを含めて考えたい」
土屋
「外山先生は具体的な実効性、とおっしゃったが、機構をバックアップする事務局機能、官僚機能は今どの程度の規模か」
池田
「まだ事務長以下、数人の規模。日本の学会でいえば、日本内科学会・外科学会は事務局が30~40人規模。事務局機能、人的サポートがないと、医師だけが理事会に出席し、会員も医師だから、それがそれぞれの仕事を持ちながら立ち向かうのは難しい。スタートとしては動きだしたといってもらって良いと思う」
土屋
「委員会理事会は、その時には良い意見がでるが、実行されない、その繰り返しがつづく。外山先生も私も胸部外科学会に属し、厳しい専門医にしようとすると理事から外されるとか、理事長選挙で落ちるとかの現状がある。中からの改革は難しい。上部組織強化の期待は大きい」
江口
「整備指針には触れているが、今回お話にならなかった中に指導医がある。今回は専門医のご説明があったが、教育の体制そのものが大事だと思うのだが、指導医が重要になるが、先ほど先生のお話にもあったが、指導医の体制も固める学会もあれば、紙一枚だせば指導医になる学会もある。指導医の中身、資質がどういうことが必要か機構が打ち出したらどうかと思うのだが」
池田
「指導医の定義認定はあえてしていないが、プログラムオリエンテッドになれば、どこの施設でどういうプログラムか、誰が指導しながらやっているのか、という仕組みになっていく。その施設では誰が教育を担当している、どういう方なのかということになると、自ずと指導者の役割、資格が決まってくるのではないかと思う。今の段階で指導医は色々な学会が色々な定義をしていっるので、あえて定義していない。それが先ではなくどういうプログラムか、どういう施設か、で位置づければ良いというのが私の考え。これは機構の中でまだ十分にディスカッションしていることではないが」
土屋
「外山先生、アメリカには指導医の分類はある?」
外山
「ない。専門医だけ」
土屋
「専門医か、それを取る前のトレーニング段階かどちらかしかないということ?」
外山
「その通り」
土屋
「日本の専門医は」
江口
「施設から言うと、指導医がいないと専門医の施設認定がうけられない。本当は専門医は教育の資質も持っていなければならない。残念ながら今はかなりばらつきがある」
土屋
「暫定的には指導医が必要。そうしないと、専門医になるために100年勉強しないといけなくなる。しかし、きっちりとした専門医制度ができあがって育てば、二段階でよろしいと。その辺、専認協の認識は」
池田
「その通りと思う。機構はたくさんやらなければならない仕事がある。1つには、プライマリボードといっている内科、婦人科、外科などほとんど専門医という名前で呼んでいる中で、内科だけが認定医、そのうえにサブスペシャリティが乗っている。これから患者を診るには取らねばならない資格を位置づけると、専門医というかその領域の医師、そのうえに立って本当のサブスペを選ぶ方向にもっていくのではないか、と個人的には思っている」
岡井
「専認協として、これまで専門医制度の体制固めの動きはあったが、所属している学会から見ると著しい前進があったとは思えない、そういう認識があると思う。この機構は公益法人だが、社員は各学会で、お金を各学会が出している。この立場では、学会の意向で活動することになる。そうすると専門医制度を、どう定着させるかということになって、厚労省と交渉するのがメインになる。機構の意思は社員の意思できまるので学会の言うことをきかざるをえない。
機構は患者のため国民のためと言う、ところが社員である学会代表は学会会員の利益を考える立場にいて、自分達の学会を主張する。ここに矛盾がある。学会の代表者が集まるのではなく、もうひとつステータスを上げる方向にもっていかないと、学会の意見を聴いても何も進まないことになりかねない。組織をもう一歩上にあげる努力がいるのでは」
池田
「大切なご意見と認識している。この機構の歴史を申し上げたが、学会が集まり考える。成り立ちはプロの集団の集まりとしてよかったが、はっきり専門医制度はどういう役割かという視点に代わっているので、今は学会だけがつくっている、学会が金をだしている機構で学会の意向を無視して方向性を決めるのは難しいと思っている。第三者中立的というからには経済的、組織としても相応しい組織の在り方を模索せねばならない。現在経済基盤確立の努力をしている」
土屋
「ご指摘のように専認協は各学会のあつまり。アメリカは学会代表も出ているが、学部長、病院長の代表、医師会代表、同じ医者でも違う職域を網羅している。教育専門家も網羅している。第三者機構という形の綱引きができている。関係者だけでも第三者的な活動ができる。機構は学会代表だけ」
池田
「ご批判は当然あるので、審議会として日本医師会、医学会、有識者、メディアが入ったものを設けて中立的第三者的立場をある程度反映させたいとつくっている」
外山
「ラディカルに考えてうまくいくと良いと思うが、ラディカルというのは今の日本の学会のありかたは決してきちっといっているとは思っていない。アメリカと比べても。どの学会でもとはいわないが。学会の体質をどう変えていくかインセンティブが必要。土屋先生もおっしゃったように変えていくことができると思う。アメリカでは理事会に医師だけでなく、アシスタントフィジシャンを入れたり、レジデントも入れたりしている。学会だけの意見で決めないというブレーキがかかる。25名のうち20名が学会関係者だと多数決ならそちらに動くように思うが、しかしそれでもそれなりの公平性・客観性が保たれているように思える。学会の質にある程度切り込まないと基本的問題解決にはならないのでは」
池田
「学会へのご指摘はある点当たっているが、ある領域の学会では学会の在り方を考えて代わろうとしている学会はかなりある。血液学会は70年の歴史をもった学会と50年の歴史の似たような学会があったが、1つの学会にして、患者からみてわかりやすい学会にしようと変わってきた。70年50年の歴史を一気にかえるのは難しいがそういう動きはみられているので、学会も日本の医療の現状をみて、変わらざるを得ない状況になっていると思う。今までは学問の交流に終始していたが、社会的な医療を中心に考えるということになると社会性、対患者を意識しなければならない。もともと日本の学会は学問的なことをディスカッションするためにできた経緯があるのだが、変わりつつあると思うので、みていきたいと思う。変化のスピードはたしかに学会によって様々。それをどうまとめて良い方向にもっていくか。機構のもつ課題は重要で任務も重いと思うが、その方向に向かって学会、患者さんの意見を吸い上げて一歩一歩と思っている」
外山
「努力している学会には敬意を表したい、と思うが、外科系の学会で改革をやっていこうという情報はお持ちか」
池田
「外科系の場合は手術をするスキルを大事にするので、手術を全くしていない人が専門医を名乗るのはおかしいと議論をしながら。手術件数は日本でどれくらいあるのか入れながら数を考えようという学会が出てきていると認識している」
土屋
「この問題は、やりだすときりがないので一旦終わる。1つ確認したいが、適正数を各学会に聴いてみるというのは、機構としてどのようなタイムスケジュールでどのへんまで目標か」
池田
「理事会、総務委員会で話をしたのは、各学会に適正な数をどう考えるか、数をあげられるか、数をあげるとすればどういう根拠でだされたのか問い合わせを早速してみたい。それで各学会が適正数を考えているのか、まずまとめをしたいということを思っている」
土屋
「調整すると、最終的に全体数がわかるのは何年くらいかかりそうか」
池田
「難しい。プライマリボードは位置づけが難しい。耳鼻科整形外科は標榜科にリンクした考えで良い。それは例えば卒業して患者をみる、医師としてはどこかに属すわけで。実際には。その専門医をとってほしい。そのうえで例えば耳鼻科であれば耳の専門か喉の専門なのか。耳鼻科の専門医はheadアンド neckを皆カバーできる専門医だが、実際患者が喉頭癌になったという場合には難聴の先生よりそちらにかかりたい。整形外科でもしかり、背骨と股関節でわかれる。整形外科を全般的に診られる専門医も必要。専門医という言葉がそれぞれの医師でイメージが違うのが問題だと思うので、専門医を国民的な議論の中で共通の言語としてもてるような議論をしていかねばならない。どれくらいの数をどこまでという答は難しい」
外山
「タイムスパンとスピードは重要。今、心臓外科が専門医1900人いる。日本は心臓外科の手術件数が5万というところで、専門医が多すぎる。これをまだ増やすつもりだという。いつまで増やすのかといったら、まだ足りないという。このまま増やして3千人となった時に、きちんとした専門医制度ができたとして、既に取ってしまった連中をどうするのかが問題。新らしい制度に合わないからおりろ、となるのか、ある時期20年30年の混乱がある。何のための制度導入かとなる」
池田
「数の議論のスピードは大事だが、もう一方別の味方をすると、どの地域にもある程度の専門医が必要。集約化をはかり、ある程度の病気は拠点に専門医をおくという考えもあるが、心臓外科以外の専門医には、各都道府県にかなりの数の専門医がいなければその領域の医療の格差が是正されないとなる。その問題も一緒に考えていかねばならないと思う。地域医療の格差も頭におきながらその解決を含めて考えるのが必要だと思っている」
土屋
「私も外山先生も外科医でせっかちなので、3年目4年目にはこういう姿なんだよと示してほしいと思ってしまう。時間も経過したので、ありがとうございました」
続いて、飯沼常任理事。
土屋
「私も現役の頃には、毎月5ヵ所の医師会の勉強会に夜行っていた。色々な疾患について開業医の先生が幅広い知識、専門的な高度の知識もお持ちだと実感をもち、尊敬申し上げている。5枚目のスライド、賛成意見の3番目、長年専門医で大学病院で働いた医師が開業する際の習得というのは圧倒的にこのような方々が多いと思うが、長年地域医療をやってこられた、という方に比べ大学でやっていると他の分野は素人同然ということで緊急性あるが、認定コースで考えられているコース1は総合診療医を若い方をどう育てるかシステム的に問題で大きな課題だが、コース2,3,4は全国的に僻地に行くような方に教育するのに必要という解釈で良いか」
飯沼
「はい」
土屋
「葛西先生から意見あるが、中途編入者的な方が他分野の実技をどういう場で研修するか」
飯沼
「研修のところは非常に大切で、場所的なこともあるが、講義形式のものとEラーニングと、実習見学も考えねばならない。これから模索だと」
土屋
「山形では長年専門医として大学でやっていた方が開業するときに、特別なコースを大学病院で用意されて送り出すことを嘉山先生がはじめられたとお話されたが、医師会でもそのように協力してというようなことは」
飯沼
「検討させていただきたい」
土屋
「行き渡ったとして総数どれくらいか、毎年新規参入者どれくらいか、試算があったら」
飯沼
「試算はしていないが、本認定制度の対象は全科にわたり内科に限ったものではないと書いてある。なりたい先生には、なれるようそれなりの対応をしたいと考えている」

医師のための制度であって患者のための制度ではないと語るに落ちている。
川越
「日医がこういう教育に関して熱心だというのはうれしい。感謝したい。今回、後期研修制度をどうするかという話しの中で議論していて、今土屋先生が指摘されたことと関連するが、地域で働く先生方はもともと専門的なバックグラウンドを持ちつつ地域に入っていくのがほとんど。今後は専門家総合診療、かかりつけ医療かよくわからないが、専門性として地域に出て行く医師を育てるべきではないかという意見もある。従来の考えだと前期研修制度がしっかりやっていれば、地域に出られるという乱暴な意見があるが、先生が指摘されたかかりつけ診療は、専門性が高い分野なので、トレーニングの機会を作っていかねばならない。そうなると、後期研修制度は専門医制度なのでトレーニングが特に大事になってくる。地域医療ということになると教育する先生と教育を受ける方が離れてしまう場合がある。教育者は大学病院にいて、実際のトレーニングを受ける場所は地域ということで、日医の先生方が頑張っていただかねばということは現場から離れない意味で大事だが、実際のカリキュラムも一緒につくっていかねばならない」
飯沼
「先生のおっしゃる通りだが、方策としてはなかなか具体的にまだ出てこないので、これから名案が少しずつでてくると思う。良い案があったらお教えいただきたい」
阪井
「1つ伺いたいのだが、地域医療、保険福祉を担う幅広い能力という、医師が担う範囲には妊婦に対する診療や出産も入っているか」
飯沼
「カリキュラムのところで若干あるが、たとえば、性器出血や下腹部痛から早流産の可能性を見極め専門医に紹介、健康問題に対応」
阪井
「出産は入っていないのか」
飯沼
「入ってない」
葛西
「この研究班ができる元になったビジョン具体化検討会で、専門医としての家庭医が必要ということで、専門医の養成を考えているところだ。専門医というからには、国民の求める質レベルが重要で、名前がどうであれ、レベルに達することが大切だと思う。そのうえでカリキュラムを興味深く拝見した。コース1は、我々のつくって進めている3年の後期研修プログラムと同じものかなと思っている。この質のレベルをしっかりしたものにしようと思うが、コース2、3、4は会員の先生には内科が大部分を占めると思うが、臨床経験7年15年の人でも皮膚科や眼科などでスタートの経験知識がバラバラだと思う。その後の50単位、20単位の教育でレベルは揃うのか」
飯沼
「大切なところだが、実際は細かいところはこれから議論しようというところ。大枠こういう案はどうかということでお示ししたが、まだ機関決定もされていない。こうなるかなというところ。先生がおっしゃったのは非常に大切なところなのだが、詰めるところが詰まっていないのが現状。まだ日本医師会は機関決定していない。色々なファクターを説明しているだけで、コースに対しては全員50単位にしろという意見もある。ある年齢で論文というか報告書1通くらいで良いのではという先生も色々いる。最後は激論をかわすことになるが、意見を参考にしたい」
葛西
「良いきっかけになると思うので、手をあげていただいて国民のための総合医になりたいという人が入りしっかりした制度をつくれば、良い制度になる。資料見せていただいたが、福井先生がとりまとめ家庭医学会でもいくつか資料をだした。色々なことが入っているが、急性期の問題が57とか、これをどう選ばれたのか、諸外国の標準的なテキストをみると、家庭医の問題は150くらいなので、どう選ばれたのかききたい。やるべきことを項目としてリストアップされているが、カリキュラムとして誰がいつどうやって教えるのかはまだまだだと思うので。項目だけ羅列ではなく項目も盛り込んだものが良いと思うし、私も学会も協力して一緒につくれればよいかと思う」
飯沼
「100いくつか57に減った理由は、福井先生と三学会で議論する会には全部出ているが、どこかに必ず入りこむようにはされていると思う。あとは先生のおっしゃる通り。これを現実の教育にするかは2年くらいかかると思うがやっていきたいと思う。試行錯誤もこれから」
渡辺
「葛西先生の質問とかぶるが、このカリキュラムの中で女性医療が抜けている、月経前症候群や更年期障害は精神科にいってしまったり産婦人科にいったり頭痛で神経内科にいったりするので入れてほしい。コモンディスイーズについては、漢方がかなりカバーするので入れてほしい。教育カリキュラムは、幅広いものをカバーするとなると、総合医なり家庭医というものがすべて教育を担うのか、サ
ブスペシャリティの専門医が担うのか、どうお考えか。飯沼でも葛西先生でも」
土屋
「じゃ、葛西先生」
葛西
「日本より20年、30年進んでいる国でも、各科の先生の協力を得ながら、プログラムをつくっている。家庭医指導医が教育にかかわれるが、病院の中で科の進んだ診療の経験は病院の中でやっている。各科の連携が必要」
土屋
「アメリカのファミリーメディスンを想定しているのか」
葛西
「そう。アメリカに限らず、世界で行われているファミリーメディスン。それぞれの国や地域の実状にあわせてやっている」
飯沼
「専門の先生のご指導を受けながら、先輩の総合医が後輩を育てるシステムだと思う」
岡井先生
「日本医師会が考えている総合診療医は、厚労省が考えている総合科医と根本的には違わないと思う。それなのに、医師会が反発しているのは、その人達が、日本人の受診行動が外国に比べ統制されていない。あくまで医療を提供する側の人間をどう効率的に使うか考えたときに効率が悪い。ファーストステップは総合科医がみる。高度な診療が必要なときには専門医、という考えは厚労省にあると考える。そういう使われ方に反対されていると思う。日本医師会は。どうして反対なのか聴きたい」
飯沼
「フリーアクセスの制限がある。こういうものに保険点数のインセンティブを与えないのが基本なので、それが2つ。ゲートキーパーが即フリーアクセス制限にならないと言われるかもしれないが」
岡井
「患者の選択として総合医へ、という患者の自由選択を残せばフリーアクセスの制限にならないが」
飯沼
「が、僕らはゲートキーパー的なものになると、どうしても思ってしまう」
岡井
「標榜科はどうなるのか」
飯沼
「標榜どうするか、これから、考慮中。ノーとは言ってない」
土屋
「がん専門病院として、うちは完全予約制にしてしまった。本省ともナショナルセンターとして法律に触れないか患者権利の制限にならないか相談して詰めた。我々がフリーアクセスにすると、風邪でもかかって外来があふれて大変。紹介してもらって先生が必要と言うならかかってもらう、そうしないと。総合診療医がゲートキーパーという言葉は、大熊さんに怒られてしまうが、そういうインセンティブがついたほうが我々はありがたい、むしろ患者も増えるのではないかと思うが」
飯沼
「医師会がどう考えているか議論したことないので個人的な話だが、がんセンターのように特化した専門医の先生がそう考えていると開業医には伝えるが、ゲートキーパーになった方が患者が増えるという考えにはついていけない」
土屋
「うちの受診が減れば行くところは診療所しかないので、中央区医師会には反対がなかったが」
飯沼
「それは良いと思う。がんに特化した病院は、機能分担しなければならない」
土屋
「大学病院でも専門性の高い集団なので同じでは。診療の最初の段階では先生方に担ってもらったほうが良いと思う」
飯沼
「それは病診の機能分担の話で、今回の話とはちょっと違わないか」
阪井
「岡井先生のお話が本質で、フリーアクセスが大事というのは患者が言うことであって医師側が言うことでない。救急で具合が悪くなったのに、それこそなかなか診てもらえなくなって亡くなった方のご遺族と話をしたことがあるが、たとえ100キロ先であっても絶対診てくれるという方が絶対によい、誰でもどこへでもかかれるなんてとんでもないという話だった。患者がどう考えるかで、医者がフリーアクセスの方が良いと言うのはおかしい」
飯沼
「患者がどう思うかが一番大事。医師会が、制限するのはおかしいといっているのは、我々は患者の立場で言っている」
阪井
「私は、患者がそう言っていると言っている」
飯沼
「先生がおっしゃってるのは、小児科やがんの極専門的なもので、我々が言っているのはごく一般的な病院の話だ」
阪井先生の頭から湯気が出ているのが見えたような気がした。すかさず班長が割って入る。
土屋
「医者同士がやってるので傍聴の方、我こそは患者の立場だとご発言いただける方がいらしたら。おられなければ、では川越先生」
川越
「我々は後期研修制度に関する班で、専門医を育てる制度をディスカッションしている。地域医療は専門性が高い。介護保険の知識も持たねばならないので専門性が高まった領域だと思う。後期高齢者医療制度の中に地域医療をどう位置づけるか、まだまだディスカッションしていただきたいと思うのが一つ。もう一つは、産科、妊婦さんの検診が後期研修でどう考えるのかもある。後期研修制度は、こないだ安心と希望のビジョン会議でディスカッションされたのは、前期研修制度そのものは見直さねばならないということがある。研修期間と学部との連続。前期にもってくるのが適切かどうかという研修の場にも議論があったが、その中でも産婦人科、1カ月義務づけられているが、それで良いのかディスカッションがあった。前置き長くなったが、私は前期研修の見直しがなされているので情報交換をしっかりもたねばならないということと、個人的な意見だが、妊婦の診察は内診ができなければできないので、後期にもってくる内容であろうと。専門性をもった分野だと思う」
土屋
「時間が来たので、発言されてない山田先生と有賀先生、一言ずつ」考えてみると直言居士の有賀先生が何も言ってない。
有賀
「興味深く拝聴した。先生先ほど認定制度の対象は全科に渡るとのことだった。私は、現職の前は地域医師会の学術担当理事をやっていて、医師会についてもある程度知っている。できるだけ多くの医師会員と言うけれど、これから開業の人と話をすると、こういう認定制度に興味を示す。しかし、既に長年やっている方はどうか。一定の勉強の後地域で開業され、福祉地域保健にどっぷりつかる。この制度にむりやり乗らなくても、診ている患者は良いあんばいに診れていると強く思う。なんとなく日本医師会の思考として、すべての開業医について等しくというのがあるのかもしれないが、既にやっておられる方については問題にしなくても、十二分に医師会の先生は生活していける。日本医師会にこれから入ってくる新しい方にどんどんやられる感じで、あまり今の人たちを対象にするより、後期研修における専門というようなドラスティックにどんどんやるほうが良い。今できている人は良い、という議論はあるか」
飯沼
「ある。コース4を含めて、やってる人はいい、という意見はある。逆に全員やれ、という意見もある。色々な意見もあるので最終的に討議する」
山田
「この会は後期臨床研修の制度設計的な問題を構築できるか検討しようと。一応大学を卒業した医師の開始時点として初期臨床研修2年終えて、その人達をどうキャリア形成、パスに分布配置させれば一番良い医療体制に向けて進めるか検討するのが基本的な視点だが、それと現実問題としてかかわる二方の立場を理解できる形で聴けた。個別的質問として現実的成果で、生涯教育推進委員会が平成18年19年で諮問をうけた。継続的に長年の生涯教育の有効性検証、そういう実績成果の検証効果の検証をに次に新らしいものを計画する重要なデータ、基盤になると思うので簡単に教えていただければ」
飯沼
「簡単にもうしあげると、20年間続けた生涯教育制度は、一時申告率が減って大変だというので、自主申告制にした。1時間でも50時間でもどちらでも申告しなさい、と。このために評価に客観性がないというのが共通の指摘だった。やる以上は、会員100%に勉強していただきたいというのと、勉強を客観的に評価できる内容にすべきだ、それが全ての始まりで、それなら認定性が良いとなった」
明らかに出発点がおかしい。しかも、おかしいという自覚がない。
山田
「お聴きする機会がないので、日本医師会の立場として、今検討している後期研修、専門医研修、臨床研修に対して、全般的なご意見があれば聴かせていただきたい」
飯沼
「いわゆる後期研修について、日医でディスカッションしたことはない。前期の研修制度については問題点があるという事は存じ上げていて公式の会議、厚労省の会議にも出ている。文科厚労の合同会議にも出ていて正しく伝えると思うが、後期は難しい問題でまだ。医学教育、医師免許、前期研修が決まらないのに後期の話はまだ尚早」
土屋
「コース1と、2から4で言うと、おそらく2から4の方が緊急性が高いだろう。この部屋でビジョン具体化検討会の最後の会をやった時に、医師増員1.5倍は10年かかる、もっと緊急性の高い話にしてくれと厚労省から言われ、高久先生が乗りかかって危うく増員が消えそうになった。コース1は医師会と協力して行きたい。2から4も大事な問題だが、これが大事だから1は後まわしと厚労省に言われないよう準備しないといけない」
(この傍聴記はロハス・メディカルブログhttp://lohasmedical.jp にも掲載されています)

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