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Vol.011 専門病院でレベルの高い研修がしたい

医療ガバナンス学会 (2015年1月15日 06:00)


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仙台厚生病院麻酔科
森田麻里子
2015年01月15日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


2017年度から、医師の専門医制度が変わる。現時点では学会が認定している専門医を、日本専門医機構という団体が中心となって認定することになる。それに先駆けて、麻酔科では来年度に後期研修を開始する医師から、新しい専門医制度に移行することとなった。

新制度では、研修の責任基幹施設として後期研修医を採用できる病院に制限がある。麻酔科管理症例が年間500 例以上、複数の外科系診療科があること等である。さらに、胸部外科・脳外科・産婦人科・小児外科の経験すべき麻酔症例が定められているため、多くの場合、多施設共同でプログラムを組むことが必要となる。結果的には19の県で、大学病院が責任基幹施設となったプログラムしか存在しない状況になっている。これらの県で働きたい後期研修医は、大学医局に所属するしか選択肢がなくなるということだ。

これは優秀な麻酔科医を育てる上で、問題である。県に1つしか大学がなければ、大学が県全体の後期研修医の人事を独占して決定することになる。他の医師人事との兼ね合いで、希望とは違う場所で研修を受けなければならない可能性も出てくるだろう。また、一旦医局に入ると、なかなかそれを抜け出せないとも言われている。様々な地域で経験を積みたいと思っても、ずっと県に縛り付けられることになる。実は、こういった県は青森、秋田、山形や鳥取、島根、山口、佐賀などの地方にある。これでは、やる気のある者はますます地方を出て行き、大都市圏の病院で自由に研修病院を選ぶようになるだろう。

実際に研修を受ける立場としては、専門病院でとにかくレベルの高い研修をしたいと思う。重要なのは研修プログラムではなく、具体的にどんな指導医がいてどのくらいの症例数を任せてもらえるかということである。

私が現在研修している仙台厚生病院は、肺や肝胆膵の癌手術は東北1位、心臓・胃癌手術は東北2位であり、症例数は抜群に多い。研修先を決める際、他の大学病院も見学に行ったが、経験を積むというよりは上級医の麻酔を見学しているような雰囲気が気になった。一方仙台厚生病院は、3-4年目の医師でもポイントを押さえた指導を受けながら、多くの症例を任されて活躍していた。もちろん、研修期間の間に大学病院も含め他の病院で経験を積むことは有意義とは思うが、メインで研修を行う施設が大学病院を中心とした大規模施設に限られてしまうのは、残念なことである。

当院は、手術件数だけでなくESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)や心臓カテーテル治療の件数も非常に多い。循環器、消化器、呼吸器に関しては質・量ともに充実しており、やる気のある研修医にとっては魅力的な施設だ。形式的な研修プログラムや施設の規模ではなく、実際にどんな研修ができるのかを自分の目で確かめて判断して欲しい。

 

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