医療ガバナンス学会 (2015年4月16日 06:00)
●平成25年6月 ときわ会グループ常磐病院に入職
とある方からのご縁からときわ会常磐病院に入職させていただきました。医療に関する専門的知識と経験がない私を採用して下さった事に感謝の気持ちでいっぱいになりました。配属先は「医局秘書課」。私は、先生方の診療のサポートとしてお食事や交通の手配など、秘書課長の補佐をつとめております。最初は戸惑うばかりで先生方にどの様に接したら良いのか悩んでばかりいました。私は笑顔で気持ちのよい「挨拶」を心掛けました。常磐病院には、常勤医師の他に診療科目によって関東方面の大学病院や近県から沢山の先生方の支援をいただいております。本当にありがたいことです。半数は日帰りですので、私は先生方に必ず「早朝よりありがとうございます」「またよろしくお願いいたします」とお礼の言葉を添えます。
二年前、東京オリンピック誘致のメンバーの一人、滝川クリステルさんが世界中に発信して有名になった「お・も・て・な・し」の言葉に私は感動しました。常磐病院にお越しいただいた先生方がほんの少しでも「常磐病院に行って良かった!」と思っていただける様に、微力ながら上司、同僚と共に真心こめて業務にあたりたいと思っております。ある一人の医師から「ここに来るのが楽しみだよ」と温かい言葉をかけていただいたことは大変励みになっております。
●病院で働く上で驚いたこと、困ったこと
初めての病院勤務で驚いたことが沢山あります。それは先生方の日々の業務が多忙すぎるのではと思いました。手術日は昼食を召し上がるのが夕方遅くなることが度々ですし、外来診療の他に、①訪問診療②他病院、競輪場への支援③当直④地域での健診⑤学会出席等、また2月からは常磐病院で救急医療を立ち上げる為に、新村浩明副院長と、常盤傑医師がいわき市立磐城共立病院救命救急センターへ研修に行っております。
当直業務をされた翌日も通常通り勤務にあたっているお姿をみると、只々頭が下がります。私は医局秘書課で働かせていただいているからこそ、先生方の勤務状況を垣間見、いわきの医師不足を日ごろから実感しています。
困ったこと…入職したての頃、先生方がお使いの「PHS」が理解できずに、上司・先輩に迷惑をおかけしました。
何度教えていただいても私の能力では無理と諦めながらもとにかくメモを取りました。昭和生まれのアナログ人間なので、前職で学んだ「記憶より記録」を実践。ある時上司から「長澤さん、先生のPHSは患者さんとの命綱なんですよ」と教わってから自分なりに努力してまだまだ未熟ですが、おかげ様で今では「PHS」の使用が理解できるようになりました。
●ときわ会グループの取り組みについて
ときわ会では様々な事に取り組んでおります。その一つが国際貢献です。インドネシアでは、東京女子医大科大学泌尿器科の田辺一成教授、奥見雅由先生、常磐病院の新村副院長、和田晶紗医師によって生体腎移植手術が行われました。ベトナムへは、EPA看護学生の受け入れのため現地説明会に訪れ、平成27年4月よりベトナム人看護学生1名を受け入れる予定です。
過日、日頃から被災地福島を支援して下さっている東大医科学研究所特任教授・上昌広教授がテレビ番組で「震災時、いわき市のある医療施設が透析患者を新潟、東京、千葉の医療施設に搬送する為に相談を受け、行政の対応が遅いなか、様々な個人的ネットワークでこの難題を解決した。」と想いを語って下さいました。私はこのコメントを聞いて、ときわ会グループは震災時の沢山の皆様からの支援とお世話になった事への恩返しとして、社会貢献のため活動の場を広めているのではと痛感いたしました。
●常磐病院の自慢の施設
院内には職員の為の保育室があります。保育士が24時間体制で大事なお子さんを預かっていますので子育てしながら安心して働けます。産休後、保育園を探す事なくいつでも復帰出来る環境が整っています。もうひとつの自慢は温泉です。病院の中に、日本三大名湯のひとつ、いわき湯本温泉郷からひいた源泉掛け流しの大浴場があります。泉質は硫黄泉、お肌すべすべになります。初めて利用なさった先生は必ず『いい温泉でした』と喜んで下さいます。職員も利用出来るので大人気です。
●イベントで地域医療に貢献
副院長の新村浩明先生は、様々なイベントを企画なさっています。昨年末から訪問診療(月1回)の際、四季折々の衣装を身につけて患者さんに笑顔を届けています、サンタクロース、大黒天、水戸黄門、今月は花咲じいさん、着付け担当は看護部長と、副看護部長です、帰ってくると必ず「喜んでもらってよかった!」と笑顔で話して下さいます。2月ののサンシャインマラソンにはくまのプーさんの着ぐるみを着て、ときわ会グループの理念「一山一家」(私が心を込めて書かせていただきました。)の文字入りタスキをかけて、佐藤隆治事務局長・麻酔科松野由以医師・他の職員とともに参加されたり、職員の親睦を計るためにブルースのライブを企画されました。
このようにとても楽しい時間を職員みなで共有し、私自身も笑顔いっぱいの職場で働かせていただいています。これまでのこうした取り組みが功を奏したのか、常磐病院の職員数は震災前は約180人程度だったのが、現在430人までに増えています。いわき市も医師不足、看護師不足で厳しい状況ですが、私たちのような事務職が専門職のお手伝いをすることによって気持ちよく働いていただくことを目標として頑張っております。
被災地でもあり原発事故の最前線でもあるいわき市で、このような明るい職場で働く機会を与えて下さる、新村副院長をはじめ諸先生方、職場の上司、同僚、今まで私を支えてくれた皆様に心より感謝の言葉を申し上げます。