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Vol.194 自己責任でワクチン拒否といっても…

医療ガバナンス学会 (2015年10月1日 06:00)


この原稿は朝日新聞の医療サイト「アピタル」より転載です。

http://apital.asahi.com/keyword/author.html?author=2012111500001

小児内科医
細田和孝

2015年10月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


猛烈な暑さから一転、秋のような涼しさとなりました。

これだけ気温の差が大きいと、体調を崩しやすくなります。
さらに、お子さんは新学期が目の前です。
規則正しい生活をして体調管理、心がけてください。

さて、今でも、まれにではありますが、ワクチン接種を拒否している方に遭遇することがあります。
少し話をしてみると、多くの親御さんが「私の責任で受けさせていません」とおっしゃいます。

この“私の責任”、最近よく耳にする自己責任ってやつですよね。
でも、どのくらいの覚悟をもって、“自己責任”と口にされているのでしょうか。

たとえば、ワクチン拒否をしていたお子さんがその病気にかかってしまったとします。
そうすると、医療機関を受診します。
そして、診察を受けて、処方せんを受け取り、薬局でお薬を受け取ります。
当然、日本では国民皆保険の制度がありますので、健康保険が使われます。

これって、どうなんでしょうか?

“自己責任”と言いながら、公的な健康保険で治療を受ける、いわば自己以外の人たちからの援助を受けるわけですよね。

さらに、自分の子どもがかかるだけなら、仕方ないとしましょう。

保育園などに通っていれば、ほかのお子さんにうつしてしまうこともあるのです。
それに関して、どこまで“自己責任”で責任をとる覚悟があるのでしょうか?

うつしてしまったお子さんの医療費は?
親御さんが会社を休む際の休業補償は?
万が一、その病気で合併症がおきたり、後遺症が残ってしまったりしたら……。

やや極端ではあるかもしれませんが、ここまでの責任を考えて初めて、自己責任と言えるのではないでしょうか?

もちろん、ワクチン接種を受けないという選択をする権利はあります。
そのためには、他人には迷惑をかけないことに十分配慮するべきではないか、と思うのです。

細田和孝
1973年栃木県出身。99年新潟大学医学部卒。国立循環器病センター小児科、新潟市民病院新生児医療センター、山形県鶴岡市荘内病院を経て08年から「ナビタスクリニック立川」(エキュート立川内)勤務。小児内科、小児循環器病が専門。子どもが泣かずに診察室を出ていく診療を心がける。診察に連れて行くタイミングは、「お母さん(お父さん)が心配で、医者に話を聞きたくなったときにどうぞ」。

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