最新記事一覧

臨時 vol 302 マンガなら伝わる。がん患者さんに知ってもらいたいこと 

医療ガバナンス学会 (2009年10月21日 11:21)


■ 関連タグ

NPO法人ライフボート
理事長
大久保幾久美


【6編あります。マンガでわかる医学】

ライフボートは「市民に医学知識を」というミッションを掲げる非営利の出版社です。現在の主な活動は、血液がんの患者さん向けの解説書の出版と、『マンガでわかる医学』シリーズの制作・配布です。
『マンガでわかる医学』シリーズは、民間の助成金を資金として制作・配布しています。各編8ページもので、これまでに6編制作しました。がん免疫療法について2編、がんの緩和ケアについて2編、骨髄腫とリンパ腫について各1編があります。
患者さんへの説明を日々工夫されている医療者やがん相談員のみなさまや、患者会の集まりや市民向けの公開講座を企画されているみなさまに役立てていただけるとよいと思います。

[マンガをご活用ください]
■マンガのPDFファイルはライフボートのウエブサイトからダウンロードできます。

http://www.lifeboat-jp.net/

■ 小冊子になったマンガを無料でお送りしております。
■ 10月22日からの日本癌治療学会の入口資料コーナーに、見本を置く予定です。

それぞれのマンガの背景を簡単にご説明いたします。

【新作です。免疫療法のマンガ】
バイブル本商法で一世を風靡したアガリクスに代わり、今は活性化リンパ球療法のような免疫細胞療法の宣伝が盛んです。
患者さんやご家族からの「がん免疫療法は効きますか」という質問が、学習交流会では必ずといっていいほど出ます。それに対しては「新聞や本に広告を出して宣伝しているものはインチキです」とお答えしています。
けれど免疫療法の仲間に入るものの中にはちゃんとした医療もありますし、がん治療の進歩につながりそうな研究もあります。どの療法のことなのか、免疫療法とひとことで言われただけでは、効くのかインチキなのか本当は言えません。
免疫療法の世界のこの複雑なありように乗じて、一部の企業や病院がたくみに金もうけをしているのが現状だと思います。
新作マンガの『研究段階の治療は受けるなら臨床試験で』と『がん免疫療法はまだ臨床研究の段階です』は、免疫療法に関心のある患者さんが金もうけの餌食にならないようにと作ったマンガです。早わかり教材として医療者のみなさまにも役立ちそうな気がします。免疫細胞たちのオリジナルキャラクターがかわいいですよ!

【緩和ケアのマンガ】
『苦しいときはいつでも緩和ケア』と『痛みは上手に正しく伝えよう』は、ライフボートの学習交流会で実際に相談されたケースを脚色してマンガにしたものです。
多発性骨髄腫は骨がスカスカになる合併症があるので、学習交流会では脊椎の圧迫骨折などの痛みを解消できないかというご質問がよく出ます。痛み止めをきちんと使えば消せる痛みなのですが、現状では、抗がん治療を担当する主治医に訴えても取り合ってもらえなかったり、患者さん自身ががまんしてしまったりしていることがよくあります。
がん対策基本法に「国及び地方公共団体は、がん患者の状況に応じて疼痛等の緩和を目的とする医療が早期から適切に行われるようにすること」(第十六条)とうたわれて、がん緩和ケアの啓発活動が活発になっています。そのような活動のツールとして役立てていただけるとうれしいです。

【骨髄腫のマンガと、リンパ腫のマンガ】
リンパ腫や骨髄腫の診断を受けたばかりの患者さんに読んでいただくようにと作りました。
ライフボートでは多発性骨髄腫と悪性リンパ腫の『ハンドブック』を出版しています。患者さんが主体的に治療に関わるためは医師の説明を理解できなければならず、ややこしい病気や治療の説明を患者さんが理解するためには何らかの「参考書」が必要だと思います。そんな「参考書」となるようにと『ハンドブック』を作りました。
ところが「知りたい」という気持ちがあって『ハンドブック』を購入されたのに、読書が苦手で読んでいないという人がいることがわかりました。そこで『ハンドブック』が積読になってしまっても「最低これだけは知っていてほしい」ということをマンガにしたのが、『骨髄腫はしぶといけれど、うまくつきあおう』と『悪性リンパ腫に勝つにははじめが大切』です。

MRIC Global

お知らせ

 配信をご希望の方はこちらのフォームに必要事項を記入して登録してください。

 MRICでは配信するメールマガジンへの医療に関わる記事の投稿を歓迎しております。
 投稿をご検討の方は「お問い合わせ」よりご連絡をお願いします。

関連タグ

月別アーカイブ

▲ページトップへ