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Vol.228 森田式健康発声法

医療ガバナンス学会 (2017年11月10日 06:00)


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森田由美恵

2017年11月10日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

皆様は、病気をしないで、毎日健康に過ごすために、どんな事を 心がけていますか?
食事、運動、サプリメントの摂取、ストレス解消の為の気分転換(旅行、施術など)色々工夫をされている事と思います。
その中で、(声を出す)(舌を動かす)という事を考えた事はありますか?
昔から、声を出すと身体に良い‼︎と言われていますが、それは、何故でしょう??
幼い頃から芸能界で活動していた私は、慣れない世界でのストレスで、21歳の時、突然、全身の蕁麻疹 呼吸困難に見舞われ声も出なくなり、歌を歌う事が、出来なくなりました。
自分自信驚きと恐怖で、自分の人生はこれで終わったとさえ感じました。
それから元気になった私は 「健康」が、如何に大切かを知り、呼吸法•生体エネルギー•食養学•食育学を学び、これらを融合させた独自の「健康発声法」を生み出しました。

[意識的に声を出すと…]
<消化機能の向上>
指導の下、腹式呼吸をすると、横隔膜の動きにより、内臓が刺激されます。

<血行促進>
沢山の酸素を吸って声を出すと、毛細血管の隅々まで酸素が送り込まれるので、血流が良くなり、細胞が、活性化されると言われています。

<肩こり腰痛の予防>
腹斜筋•腹直筋•広背筋などが、鍛えられ 肩こり、腰痛予防になります。
その他、声を出す事で、頭蓋骨に響き、刺激し、記憶力向上や、ボケ防止にもつながります。
何より大きな声を出した後は、体がポカポカ温まり、気分もスッキリ、ポジティブになります‼︎
[舌を動かす重要性]
下は2つの筋から出来ています。
A.内舌筋→舌の形を変える筋群
B.外舌筋→舌を前後、左右に動かす筋群

<誤嚥性肺炎>
舌の動きが悪くなると、嚥下(飲み込む)において、食べ物、水などが誤って気管や肺に入ってしまう事があります。
これは、気管と食道の入り口への切り替える弁のような役割をしている喉頭蓋(こうとうがい)が衰え誤嚥してしまい、肺炎になる恐れがあると言われています。

<睡眠時無呼吸症候群>
舌の動きが悪くなると、気道が狭くなり、無呼吸イビキをかくようになります。
すると、脳や体内に十分な酸素が行き渡らず、日中のだるさや集中力のなさや物忘れなどを起こしてしまいます。
又、不整脈、脳卒中を起こす場合もあると言われています。
その他、咀嚼(噛む)時に、唾液分泌が悪くなったり、食べ物を飲み込みやすい場所へ持って行く役割が低下します。
又、舌は喉の奥に近いため、発声、滑舌に深く関わってきます。
こもった声、細い声になり、言葉も聞き取りにくくなります。
そしてもう一つ…。
現代では、脳梗塞をはじめ、脳血管疾患を発症する人は、高齢者に限らず40代〜50代の働き盛りの人にも多く見られます。
その方々の希望、目標は、命が助かっただけでなく、以前の様に【働ける身体】に戻す事ではないでしょうか?
しかし、命を取り留め、治療が終わると退院となりますが、身体の麻痺や言語障害などが残ったままの退院の方も、少なくありません。
その後病院でのリハビリもありますが、筋トレ等が多く、言語障害などの専門的なリハビリは少ないと聞いています。
そこでこの健康発声法をとりいれダイレクトに声、舌、顔の筋肉などを アプローチして行きます。
やらされているトレ-ニング→自ら楽しむトレ-ニングへ‼︎
ある時は、音を鳴らしながら・・・。
歌を歌いながら・・・。
楽しんでやる事は身体をリラックスさせ、細胞も活性してゆきます。
レッスン方は実に簡単です。
(1)母音の形の強化 ア イ ウ エ オ
(2)舌根を下げる方法 カ〜 ガ〜の繰り返し
(3)ら行の羅列
(4)横隔膜呼吸のレッスン
(5)表情筋ストレッチ
(6)パピプペポ口体操
(7)バビブベボ口体操
(8)な行、た行、ら行 舌の運動
これ以外にも、楽器を使ったり、身体を動かしながらの楽しい発声法です。

体験談Ⅰ
脳梗塞だった父の場合
H14年〜亡くなる数年間、5回の入退院を繰り返し 3回目の退院後から、薬を飲む時や食事中に よくむせる様になりました。
そこで軽いトレ-ニングを始めました。
•ピアノを使っての発声法
•ら行を、舌を上下させ、音階をつけて発声する。
最初は、全く動かなかった舌が、1週間すると少しずつ舌の動きが良くなって、2週間後には、食事中、むせる事が、半分以下になりました。
4回目の発作の時は、医師から施設への勧めがありましたが、レッスンを続けた父は、自分の身の周りだけでなく、家事や私の仕事なども、手伝ってくれました。
それだけではありません。囲碁アマチュア7段の父は、どこの囲碁クラブに行っても全勝‼︎
負けた人の手を覚えていて、対決後には、何故負けたかを、碁石を置き、説明をしてあげるほどの記憶力も保っていました。
父の体験で、
声を出す。舌を動かす。
これは、脳に直接、刺激を与えるのだと、確信しました。

体験談Ⅱ
79歳男性の場合
日頃から人とあまり会話がなく、スポーツなどもしていない。
急に声の出が悪く、声が小さくなり、水を飲む時も、むせやすくなる。
月に4〜6回のボイストレーニングにおいて、普段使わない高い音〜低い音を出してもらう。
・舌根(舌の奥側)の運動
3ヶ月後、声が出しやすくなり、カラオケなどにも、自ら行くようになる。
食事中のむせが、少なくなった。
また、血液検査においても、3ヶ月前より、コレステロール値が下がった。

体験談Ⅲ
65歳女性の場合
人と話をしている時に、自分の唾液が気管にはいりひどくむせる。
また、話したり、歌ったりする時に息が長く続かない。
・2ヶ月間週一回、発声などの指導をする。
自宅で朝、夜5分づつ舌根の上下運動、さらに指導の下腹式呼吸をしてもらう。
2ヶ月後、スムーズに話せ、声が出やすくなった。
また、唾液でむせる事も殆ど無くなった。
発声においては、体が温まり、汗ばんできて、スポーツをした感覚を感じる。
加え、以前、南相馬に行き、ある中学校と老人ホームで 声と舌の指導をしました。
驚いた事に学生達は若いのにもかかわらず、私の真似をして母音の口の形をオ-バ-に開けて下さいと言っても、全く口が開かない…。
舌を上下して発する、ら行を羅列して貰うと全くロレツが回らない…。
これは、パソコンや携帯の普及により、人と話をする事が極端に減り、声、舌を使わなくなった為と感じました。
また、老人ホームでは、舌のストレッチを重んじましたがやはり、思った通り、ベロを出して下さいと言っても、硬くなり、ベロが半分しか出てない人が殆どでした。
これから、日本を背負って立つ若者、また老人の皆様には、何時までも元気に暮らしてもらいたい…。
もっともっと、沢山の人を指導しなくては‼︎と強く思いました。
長くなりましたが、無意識に【声、舌】を使うのではなく、意識的に【声、舌】を使う事が、いかに健康維持の為に役立つか、ご理解頂けたでしょうか?
「森田式健康発声法」を、多くの方に知って頂き、健康方の一つとして取り入れて頂けますよう……。
皆様ひとり、ひとりが、健康で、光り輝く人生を送られますように……。

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