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Vol.038 知ってますか?「ヘルプマーク」

医療ガバナンス学会 (2020年2月26日 06:00)


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医療法人 茶畑会 看護師
寺島和美

2020年2月26日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

皆さんは、ご存知でしょうか。

「ヘルプマーク」

キャッシュカード大で、赤をベースに、白い十字とハートが、描かれています。
これは、人工関節を使用している、東京都議会議員、山加朱美さんの質疑、提案で、東京都が考案。開発されたマークであり、デザインはグラフィックデザイナー協会が協力してできた物です。

2012年10月から、配布が始まり、優先席へのステッカー表示が都営地下鉄大江戸線で開始されました。

2017年7月20日  「ヘルプマーク」の図案が  JIS  Z8210(案内用図記号)に追加されました。

対象者は、義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病の人、妊娠初期の人、精神疾患など、見た目では、わからないけれども、援助や配慮を必要としている人。となっています。

私は、左足の骨髄炎で、2019年11月21日に、仙台の病院に入院し、同12月4日に手術をして頂きました。
左足の3番4番の中足骨の骨髄炎でしたので3、4趾は失くなりました。
4人の先生方の懸命な治療と、看護師の皆さんの手厚い看護により、回復も早く、リハビリの先生のお陰で、普通に歩けますし、リハビリを始めて2週間ぐらいで、坂道も階段も、普通に昇降できるまでになり、2020年2月8日に退院しました。

私が居住している、福島県の相双地区は、公共交通機関か満足できる程、充実している訳ではありません。何をするにも自家用車が必要になります。
幸い、私は、右足は手術の必要も無く、現在は車の運転もできています。
しかし、今後、仙台の病院への通院は、電車とバス。仙台駅までは、1時間もかかり、そこからバスに乗り換えます。また、関東方面に出掛けた時に、満員電車や、満員のバスに乗り、席に座れず、30分以上、立っていられるかな… ヒールで傷の上から踏まれでもしたら…(傷は足の甲に10センチ程あります。)と思うと不安です。

私は、仙台駅の地下鉄の改札で「ヘルプマーク」を頂いてきました。車での移動の時は必要ありませんが、これから先の事を思ったからです。
私は見た目、何の障害もありません。障害者の適応でもありません。入院中に足型をとり、私だけの靴と中敷き(装具)を作って頂きました。この靴を履いていれば、大体は安心できます。でも、まだ不安な事は、たくさんあります。

現在、いろいろな所で「ヘルプマーク」が配布される様になり、駅などでも簡単にもらえる様になり、全国に広がってきました。しかし、まだまだ認知度が低く、半数以上の人が「知らない」と回答されている様です。
酷い時は「あの人、危険だから、近寄ってはダメ!」と言う声が聞こえてきた。との報告が、全国には、あった様です。
とても悲しい事です。

ちょっとした配慮で良いのです。電車やバスで席を譲って欲しいのは、そういう理由があるからです。楽をしたいからではありません。
とても「不安」だからなのです。

全国には、私よりも、もっと大変な思いをしている人が、たくさんいます。
正しい情報を。そして、偏見を持たない優しい優しい国になって欲しい。全国民に知って欲しい。そんな思いが、今、私の中にあります。
皆さんの、ちょっとした優しい気持ちと、優しい手を、少しでも困っている人に差し伸べて欲しい。
その、ちょっとした優しさが、たくさん集まれば、きっと、大きな大きな優しさに変わるのではないでしょうか。

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