医療ガバナンス学会 (2020年3月12日 06:00)
都内某クリニック
匿名
2020年3月12日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
上記のようなものでした。あまりの返答にびっくりいたしました。まず、緊急性がないというのはどういうことなのか。肺炎等の病状としての緊急性がなければ、仮にコロナの感染が疑われてもそのまま様子を見てしまってよいということなのか。それであれば、なぜ、感染者が一人でも出た場合は全員を隔離するという方法をとっているのか。
保健所に心配な患者さんが直接電話をしても検査できる医療機関を紹介してもらえないということも、メディアでの説明と大きく異なっていました。濃厚接触が疑われる場合であっても、本人からではだめなのかという問いに対しましては、濃厚接触者は国が全員を把握しているので患者さん側から申し出があることはあり得ないとの返答でした。そうであれば、なぜ濃厚接触が疑われる場合は電話相談をするように呼び掛けているのか全く理解できない返答でした。
患者さんは、結局かかりつけの医療機関を受診し、肺炎が認められるまでは検査をしてもらえず、あちこちの医療機関を何か所も回ってついに感染が発覚するという状況が蔓延しているように思われましたが実際にこの対応ではそうならざるを得ないことが明らかとなりました。
そして、かかりつけ医療機関はコロナの感染者が受診したとなれば風評被害も出れば業務に支障も出るという状況でありこれではだれも診療を行いたくなくなります。特殊な防護服もなく、マスクさえも手に入らないような状況で第一線で医療をやっている臨床医を守ろうという意識も全く欠如していると強く感じました。
もし、重症ではないが、コロナかどうかわからない人を通常の日常生活にもどしてしまってさしつかえないのであれば、コロナ感染症を大げさにとりあえず通常の風邪として扱うべきです。そして重症化しない限り心配がないことを広く伝えていくべきです。
もし、コロナ感染症を特別な危険な感染症と本当に考えているのであれば、疑わしい患者さんをしっかり検査して、自宅隔離でも何でもよいので隔離措置をとるべきです。現在行われていることは、このどちらでもなくいたずらに不安と混乱を招き、医療現場を疲弊させる行為であると強く感じました。