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Vol.108 灘校 → 鉄門の人生

医療ガバナンス学会 (2020年5月23日 06:00)


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灘高校1年
濱崎 玄人

2020年5月23日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

小学校低学年の頃から明確な理由がないにも関わらず、医者になるという夢を抱いていた(おそらく祖母の影響かと思われる)。そして高校生になった今も変わらずに医学部を目指している。高校1年生になり「ただ漠然と医者になった自分はどんな感じだろう」「どうせならBIGなことをしたいな」とぼんやりと将来について考えることが多かった。そこで将来について考えるにおいて良い刺激が欲しいと思い、この冬休みを利用して夏に一度お世話になった東京の医療ガバナンス研究所、上昌広先生のもとへインターンで3日間お邪魔させて頂いた。

インターンではエムネス株式会社代表取締役「北村直幸先生」、東京大学医科学研究所「井元清哉先生」、人工知能研究の第一人者「松尾豊先生」などなど医療関係だけでなく様々な分野の「一流」の方々とのお話で、一流の方々の考え方を学ぶことができた。北村先生のように起業をして世の中に大きな影響を与えている医者もいるが、自分はどんな医者になるのだろうかと学んだことを踏まえてもう一度考えた。

そこでまずは具体的な医学部進学後のイメージをつかむため医者になった方々の例をたくさん見てみようと考えた。今回は灘から東大医学部に進学し平成7~24年卒の今30,40代の先輩方、計112名をGoogle chromeで調べて、1.Google検索ヒット数2.役職3.現在の勤め先で統計を取った。僕が目指すような医師を評価する基準として世の中にどれだけ影響を与えているかを計るためにはGoogle検索ヒット数が適切だと推測して調べてみた。

http://expres.umin.jp/mric/mric_2020_103-1.pdf

まずはGoogle検索ヒット数について注目していこうと思う。全体の過半数の53人が500件以下、一般的なサラリーマンの僕の父403件もこの範囲に入るということで仕事をしている大人の一般的な値だと言えるだろう。次に500~1,000件についてだが意外なことに起業をされた方全3名がこの中に含まれる。それぞれの会社のホームページに書いてあることは高校生の自分からすると一見素晴らしいもののように見えたが、Google検索ヒット数のみから判断するに実際にはあまり成功していないのかも知れない。このようにあまり日の目を見なかった事業と、北村先生のような成功する方を見分ける力をつけるようにと上先生は何度もおっしゃっていた。最後に1000~20,000件について。主に大学教授や有名な個人医院の院長の方々がほとんどだった。参考として、北村直幸先生は7,620件、井元先生は6,720件、上先生は95,100件そして松尾先生は230,000件だった。

http://expres.umin.jp/mric/mric_2020_103-2.pdf

http://expres.umin.jp/mric/mric_2020_103-3.pdf

次に役職についてだ。大方僕が予想していた感じだった。大学の教授3名、准教授9名、講師9名、助教授16名、研究医16名、勤務医26名、部課長14名、個人医院の(副)院長5名、その他(弁護士など)4名という結果だった。それぞれ平均的に教授50歳、准教授30後半~40前半、助教授30前半に出世する(個人調べ)という、今回の結果と比べてみるとほとんどの先輩は大学あるいは病院で順調に、もしくは普通より速いペースで出世しているのが分かった。やはりとても優秀なのだろう。その一方でこの人について深く知りたいと思うような興味をひかれる方はほとんどおらず、高校生の僕からは、ある意味安定した人生、ある意味「普通」の医者の人生というように感じた。

夏に初めて医療ガバナンス研究所にお邪魔させていただいた時、僕はハンガリーに医学部留学をしている吉田いづみさんとお話をする機会があった。僕はそれまで海外留学はとてもハードルが高い、自分とは無縁なものだと考えていた。しかし「勇気を出して行ってみれば、はじめは少し苦労するが慣れればそれほど大変でない」と吉田さんは言っていた。実際彼女はとてものびのびしていて輝いていた。その後も出会った方の勧めもあったので、大学に上がった後一度留学をしてみることを決意した。今の僕があこがれるのは例えば去年亡くなられた中村哲先生のような世界で活躍できる医者である。

今回調べた中では、僕がイメージしているに合うような方はいなかったが、方々の経歴を見ていると海外へ医学留学を経験している方が何名かいて、その全員が検索ヒット数2000以上で今回の統計の中では上位に位置していた。僕が決意した「海外を経験すること」は、今回の評価基準であるGoogle検索ヒット数は相関性があるのではないかと思われた。上先生が何度も「海外に行きなさい」とおっしゃっていたように日本というコミュニティーを一度出て海外経験をすることで医者としてスッテプアップできるのだろう。自分の目指す理想像にかなう医者になれるよう、有意義な学生生活を送っていきたい。

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