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Vol.008 このコロナ禍は行政訴訟に価する「行政の不作為」ではないのか

医療ガバナンス学会 (2021年1月14日 06:00)


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伊沢二郎

2021年1月14日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

「とうとうこんな事態になってしまった」
12/31、東京の新規感染者はいきなり1,300名を越え、全国も4,500名を越えた。オーバーシュートの不安が頭を過る。
クラスター発生件数は、医療崩壊や運営停止になりかねない、病院や高齢者福祉施設で11/9現在それぞれ、333件と364件に昇っている。主なエッセンシャルワーカー7種トータルでのクラスター発生は2,000件を越えたという。
これらの方々は何れも、ディスタンスを取れないまま否応無しに従事しなければならないが、厚労省医系技官と分科会尾身茂会長初め専門家は、この方々と一般の人を一括りにする事を未だに止めない。クラスターが2,000件を越えてしまたのは当然の結末だ。

つい先般、分科会尾身茂会長はコロナについて「だんだん分かってきた」と言ったが、何がどう分かってきたと言うのだ。明らかになっただけでとっくに、3,000名を越えるコロナの犠牲者が出ていると云うのに、その感覚たるや余りに悠長過ぎないか。全国の保健所からのデータを一手に独占し、具に現状が見える立場に在ると云うのに。
一波以来、我々素人でさえ関心を持って識者の言論やメディアの報道を視聴していれば、コロナを抑制するには何をどうすべきかは、前々から承知している積もりだ。
それは、無症状感染者を一人でも多く見出だすことが、自身と結果的には他も保護することになると云うことだ。

本メルマガ新年第一段、上先生が紹介された医療政策のトップジャーナルで在ると云う《ヘルス・アフェアー》誌掲載の、PCR検査体制強化が最も有効な新型コロナ対策だ、と云う研究論文が話題を集めているとのこと。
これは、PCR検査の拡充が感染抑制に有効な手段であることは云うに及ばず、為政者が執るべき政策であることを示しているのでしょう。
などと言うと又も、そうで在るエビデンスは何か、の声が聞こえて来るようだが、我が国のPCR検査数より桁違いの、圧倒的に多い検査数に裏付けされた海外論文を凌駕する事は出来ないだろう。尤もその前に比較するような研究論文が感染研や分科会感染症専門家から出た試しが有ったことか。

記憶する限り一波当初、我々市民がPCR検査の拡充を求める様を「PCR検査信仰は・・」と揶揄する御仁の、凡そ科学者らしからぬコメントや「PCR検査を抑えていることが、今日本がこう云う状態に踏み止まっている」等と理解し難いコメントしか知らない。最近では10月頃の検体かデータを基に日本では未だ、新型コロナの変異種は確認されていないとの感染研:脇田所長の発表があった。その直後に京都大学:山中伸弥教授から古いデータによるもので現状を現していないとの指摘が有った。そりゃそうだろ、ここの処の感染拡大を見れば日本だけが特別でいられる訳が無い、素人の一市民でもそう思った。これについて感染研からは何ら説明も無いまま、以後何事も無かった様に、最新の検査結果が報じられている。尾身茂分科会会長にしても自身、一時期WHOに身を置く立場に在ったのに、何故もっとグローバルな視点に立った対策なり、方針が出てこない。

この様に述べること、決して個人攻撃をしている訳ではない、その立場にしてその言動が見過ごせないのだ。
一波以来このコロナ禍にあって、日本の感染症対策トップリーダー機関として、指定感染症の勧告権限ある機関として、感染データと行政検査という手段を独占する機関として、何よりも国民の健康を第一に考え対策しなければならない機関としては余りにも、国民生活と国民感情に背く事ばかりではないのか。亡くなられた羽田議員の事も、PCR検査が拡充されていて、何時でも検査が受けられる体制になっていれば、避けられたのではないのか。未だにこんなことが生じること事態に憤りを覚える。
厚労省医系技官・分科会感染症専門家・感染研、これらが作る塊、感染症ムラの、不出来・隠ぺい紛い。国民感情的には恐れ乍らと「行政の不作為」を訴えたい位だ。

病院や高齢者施設で多くのクラスターが発生していると云うのに、エッセンシャルワーカーにさえPCR検査をやろうとしないのは、上先生が指摘された通り昨年7月に、無症状者を検査対象にしない、と感染症ムラの人々が決めたからだ。
その際これについての厚労省から関係方面へ、「行政検査の対象者」として通達された基準は以下の通りです。

1.新型コロナウィルス感染症の患者
2.当該感染症の無症状病原体保有者
3.当該感染症の疑似症状患者
4.当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由がある者

1,2は感染確定者だ、それを行政検査対象と記述する意味が分からない。強いて言えば3,4の対象者が感染確定後、退院に向けて検査すると云うことか。
何れにせよ、無症状でウィルスキャリアになってしまう陽性者を見つけ出す考えは全く無いようで、関係筋が一致団結スクラム組んで、国民が求める方向とは反対のベクトルを示している。このPCR検査やりたくない感満載の様、なんと言ったら良いか言葉に詰まる思いだ。

PCR検査が拡充出来ない、あるいは拡充しない理由は時々の状況に応じて、医療施設に混乱をきたす・格段で目詰まりを起こしている・検査資材が不足している、記憶の限りではこんなもんでしょう。何れも、拡充したくない為の、嘘・おおげさ、に見えるが本当の理由は何だ。

PCR検査費用を6,000円に設定し、積極的に無症状感染者の発見に努力する墨田区保健所の西塚至所長は、メディアの質問「検査を増やすと医療施設に混乱をきたさないか?」に、多くが軽症又は無症状の若い感染者であり病床に影響は無いと答えた。
金額だけを捉えれば、一人10万円の給付金は最も安いレベルの検査50回分、毎月2回検査するなら2年分に当たる。こう見るとお金の問題も病院の混乱も無さそうだが、予防具体策が無いままに医療崩壊の瀬戸際に至ってしまった。

特措法下、厚労省以下此に係わる行政機関に、入院勧告と云う強い権限が与えられている事の反対側には、行政に課せられた国民の健康を守る義務が有ることは、云うまでも無いことでしょう。
PCR検査の拡充をするのに、然したる出来ない理由も無いのにこれをやろうとしないのは、行政訴訟を起こせる「行政の不作為」に当たる事ではないのでしょうか。

今後は感染抑制を図り、特措法の改正に向かうことでしょうが今のところ、国民に規制を求める方向しか伝わって来ていない。
このコロナ禍で在たとしても、憲法に保障されている「健康で文化的な生活」が守られていることでしょうか。
コロナに感染しても即座に検査に辿り着けるのか心配が尽きない、自粛しっぱなしの生活。憲法の記述とは、ほど遠い有り様だ。特措法改正を検討するなら、国民を縛る事ばかりでなく、国民生活と国民感情に背く事ばかりの行政の不出来を改めるべく「立法の不作為」を言いたい。

本メルマガの読者及び投稿もされている法律家の方々。以上二つのこと、荒唐無稽なことでしょうか。

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