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Vol. 220 キルギスの現状と、緊急報告会「若者は国の未来に光を見出す」のお知らせ

医療ガバナンス学会 (2010年6月25日 13:00)


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キルギス共和国 国家顧問(保健分野)
特定非営利活動法人シルクロードの健康的な未来を考える会(8月認可予定) 代表
東京医大 医学総合研究所 教授
中島 利博

2010年6月25日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

わたしは4年ほど前より、縁がありキルギス共和国に訪問しました。

そこでソ連崩壊後、溶連菌感染によるリウマチ熱が爆発的に増加していることを目の当たりにしました。
リウマチ熱の治療が十分に受けられず、三十歳代で心不全で亡くなる方が数多くいる現実を知りました。
キルギス共和国 国民の死因の半分を占める潜在的な心疾患リスクとしての重要性を報告しました
(High incidence of rheumatic fever and Rheumatic heart disease in the republics of Central Asia、International Journal of Rheumatic Diseases Volume 12 Issue 2, Pages 79-83)。

同国よりナズグル医師を留学生として2年間、招聘し我が国の公衆衛生・先端医学を学んでいただきました。
さらに、大使館関係者と協議し、難治性疾患の治療の協力のため、日本、キルギス両国でのNPOの設立とリボンマグネットによる援助活動などを始めました。多くの方々に支えられて諸に就いたところです。

http://www.riumachi.org/hearty/index.html

今回のキルギスの南部で起きた少数民族ウズベク人と多数派のキルギス人との対立について知っていただきたいと思い寄稿します。

今回の内戦ともいえる惨状は、日本に例えるならば、最悪の情報の場合、東京都民が難民となり、四国の7割程度の住宅が焦土と化している状況に相当します。
7月に行われる大統領選による事態の収束を願うばかりです。
リウマチ熱にこだわらず、今後の同国の医療・保健に少しでも役に立てるよう、在日キルギス人協会のイバラットさんからたちと協力して参ります。この場をお借りして皆さまのお力・アイデアを募集いたします。

暫定政府の保健省が掌握している数字はの時点で189名死亡、約2000人が負傷です。しかし、これは病院や診療センターなど医療機関に連れてこられたり、通報があったケースを集計したもので、治療を受けずに亡くなった場合などはこの数に入っていません。
キルギス南部の習慣で、亡くなった日に埋葬することになっていますので正確な死者の数は相当時間がたたないと判明しません。現地の国際赤十字の代表は死者が700名くらいと発表していますが、確かな根拠はありません。
ただし6月15日記者会見をしたオトゥンバーエワは記者の質問に答え、暫定政権の発表する数字より、実際の犠牲者はもっと多いし、赤十字発表の700名という数字もありえないことではないと言っています。

・・・・・・・・・

非常に残念なことですが、今のキルギスのマスコミと世界のマスコミはほとんどキルギスの政治的な混乱に注目しており、今この瞬間にどんどん命が無くなっていく市民の支援について取り上げられているニュースは本当にわずかにすぎないです。
国連や赤十字の協力や、国内の若者が立ちあげたボランティア団体やNPOなどが中心になって南部で今一番弱い立場にある子供たちや女性たちの医療・食品などの支援提供をしています。
日本でも在日キルギス人協会が設立され、キルギスで4月に起きた反政府暴動の犠牲者である二人を支援。

Akchekeev.Aさん、30歳の男性。暴動当時警察官。家族を持っている(妻と3歳の息子)、暴動時爆発で両足を失った。
http://expres.umin.jp/mric/img/100624/image001.jpg

彼はインターネット上もっとも取り上げられた犠牲者で、世界各国から支援が送られた。
今現在、モスクワの病院で治療を受けることになり、ロシアへ移動。
Akchekeev.Aさんに日本にいるキルギス人たちも750$を支援として送りました。治療費として少ないお金ですが、彼に少しでも前向きの気持をあげることができました。
Akchekeev.Aさんの息子と妻を今後も支援していくつもりです。

犠牲者Bekturov.Aさん
http://expres.umin.jp/mric/img/100624/image002.jpg

30歳。失業者。妊娠7カ月の妻と2の子供を持つ。
彼は4月7日の暴動で銃で撃たれ、内臓に大けが。86人の中で最も重い怪我をした負傷者。今まで4つの手術を受け、5つ目を待っていますが、体は耐えられるかという状況です。
Bekturov.Aにも日本からキルギスの若者がお金を集め、700$支援として送り、キルギスでボランティアとして活動しているパートナーと手を組んで、毎日薬を買って、食べ物、飲み物など全て提供。
キルギスの病院では薬を始め、治療の時に使うシーツ、部屋を掃除するための消毒液、食べるための食器、等々細かいところまで自分で持って来ないとだめ。彼の奥さんは妊娠中でそれを全部出来ない状況だから、私たちのボランティアたちがやっています。

今もキルギス人たちが彼を支援したいという声が多いです。しかし、日本にいるキルギスの若者もお金を持っているわけではないのでなかなか「援助」になるぐらいのお金を送れない。
しかも、本当に認めたくないことですが、キルギスの病院では良い病院で、質の良い治療を受けるのにお金が相当かかります。それも、確定したお金ではなく、お医者さんが勝手に決めるお金です。要するに、「賄賂」。悲しいですが、事実です。
キルギスには国際的に認められた優れたお医者さんたちが沢山います。それらを私たちは誇りに思って、胸を張って名前を言いたいです。しかし、お金を出さないと治療してくれないお医者さんをなかなか誇りに思えないのは事実。
だけど、そのお医者さんたちも実際に苦しい生活を送っているからこそそのような道へいくという点も配慮にいれないといけません。国のお金がなく、キルギスで教師とお医者さんが貰う給料は最も少ない。お医者さんは仕事を続けて、勉強も続けていくためにお金が必要です。だから賄賂をもらうしかないと彼らは言う。このような悪循環の中で困るのはいつ死んでもおかしくない犠牲者たち。

今現在、キルギスの南部ではオッシュ市の70%、ジャラル アバード市の20%が破壊という情報があります(現地情報)。マスメディアはかなり少ない数字を出している。
また、マスメディア報道では現実の写真も少なく、今本当にどれだけの人がどのような状況で死んでいるのか、市民の家はどういう状態なのか、取り上げていないです。
私は現地から送ってもらった写真は過激的です、それが現実。といってもまだ、人が写真を撮れる程度の現実であり、実際はもっとひどい状況の人もいる。

在日キルギス人の数は200人にすぎないという状況の中で私たちは日本の社会に情報を流し、日本全国から助けの声をかけることにしました。
このような悲しい情報でキルギスをアピールすることはキルギス人として非常に悔しいことでもあるし、恥ずかしいことでもあります。
しかし、恥ずかしいだからと言って、子供たちが死んでいくことを見てられません!
キルギスでこのようなことが起きたことの原因や責任者を探し、誰が悪かったか、誰が誰を殺したかという政治家たちの権力争いに注目しすぎるマスメディアを見ると本当にびっくりします。
私たちは人の命より今重要なものはないと思って、この情報を出来るだけ多くの人に知ってもらうことにしました。今一人でも多くの子供を助けることができたらキルギスの未来を助けることができます。
そして、近い将来きっと日本の社会に、平和に戻った素晴らしいキルギスを堂々と胸を張ってアピールできるよう努力してまいります!
皆様のご協力をお願いいたします。
日本から送られた支援の透明性と報告をしっかりと皆さんに報告させて頂きます。

在日キルギス人講座:
郵貯:記号 10100 番号 74714181
名前:ザイニチキルギスジンキョウカイ

店名:〇一八
店番:018
普通預金:口座番号 7471418

連絡先: 〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル西コア9F
Email: hiroba@myedu.jp kyrgyzibarat@gmail.com  (@を半角にしてください)
Tel: 03-6267-4188 (担当者:高橋)
Tel: 03-6662-7411 (在日キルギス人協会 代表:イバラット)
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また、来週の月曜日にイバッラットさんが中心となり緊急報告会を行います。

「若者は国の未来に光を見出す」
【スピーカー】 在日キルギス人協会代表 サマコワ・イバラット
【ゲストスピーカー】浜野道博氏
在キルギス日本人材開発センター所長(2006‐2009年)
「日本人の目で見たキルギスについて」

【開催日時】 2010年6月28日(月)19:00~21:00 (18:30開場)

【会場】(株)毎日エデュケーション フリースペース「グローバルひろば」
〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル西コア9F
東京メトロ東西線「竹橋駅」徒歩0分

お申し込み方法 :
お名前とTEL番号・どこでイベントを知ったかをお知らせ頂いた上、お申込み下さい。
Email: hiroba@myedu.jp (件名に「Gひろば6/28キルギス」とご記入ください)
kyrgyzibarat@gmail.com

(メールアドレスは@を半角にしてください)
Tel: 03-6267-4188 (担当者:高橋)
Tel: 03-6662-7411 (担当者:イバラット)
【参加費】 500円(キルギスのお菓子とお茶付き)
★キルギス政変の被害者への支援活動に充当されます。

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キルギス共和国 国家顧問(保健分野)
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中島 利博

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