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Vol. 231 キルギス維新

医療ガバナンス学会 (2010年7月8日 07:00)


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キルギス共和国 国家顧問(保健分野)
特定非営利活動法人シルクロードの健康的な未来を考える会(8月認可予定) 代表
東京医大 医学総合研究所 教授
中島利博

2010年7月8日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


前回、告知しました在日キルギス人の若者による緊急集会

http://medg.jp/mt/2010/06/vol-220.html

は30名の定員が59名と予想をはるかに超える盛会となりました。

現在、キルギスの於かれている状況への関心の深さが窺えるものでした。二人のキルギスの若者による熱意のこもった現状報告、浜野道博氏(前 在キルギス日本人材開発センター所長)、田中啓二氏(日本キルギス友好協会 理事長など)よるコメント、活発な質疑がありました。

その内容を私なりにまとめ、医療上の問題点について考えてみます。

1.政治システムの変貌:
キルギスはロシア革命、ペレストロイカ、チューリップ革命、すなわち、独裁的社会主義、民族主義の台頭、大統領制を経て 僅か90余年のうちに、この7月の国民投票により議院内閣制への移行を決めました。明治維新を何度も繰り返している国との印象です。
(3の理由もあり政治的実験とのコメントもありました。)

2.種族(部族)主義Tribalismの影響:
元来、数えるほどであったキルギス周辺の種族に対してロシア革命、第一次世界大戦などの際に多くの種族が強制移民させられ、今では80の種族からなる多種族(民族)国家となっている(キルギス系キルギス人 約350万人に対し、その他 150万人)。中でも、今回の衝突の切掛けと成ったウズベク系キルギス人は70万人と最大の他民族であること。これまで多くの権力者が部族主義を背景・利用した統治を行ってきた。

3.カザフスタン、ウズベキスタンなどとは異なり、(残念ながら)今のところ天然資源には恵まれていない。

4.若年者の人口比率が急増し、30歳以下が過半数を占める。

5.表立ってはいないが、自分の先祖を七代まで遡って諳んじれないと”奴隷”と看做されるとの因習がいまだに存在している。また、女性は蔑視されている。

これらの状況に加え、私たちが報告してきた、
小児医療・保健に対する親のリテラシーの欠如

幼少期のリウマチ熱の増加

潜在的な心弁膜症+生活環境(肉食・アルコール・高地の生活など)

死因の半数を占める心突然死
という悪性サイクルは改善されるどころか、ますます勢いを増しそうです。新しい国造りを始めたキルギスの保健の将来に対して私たちは真摯に取り組んでまいります。

キルギス共和国 国家顧問(保健分野)
日本キルギス友好協会 理事
NPO法人シルクロードの健康的な未来を考える会(8月認可予定) 代表
東京医科大学 医学総合研究所 教授
中島 利博

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