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Vol.215 現場からの医療改革推進協議会第十六回シンポジウム 抄録から(8)

医療ガバナンス学会 (2021年11月16日 07:00)


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( https://plaza.umin.ac.jp/expres/genba/ )

2021年11月16日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

11月28日(日)

【Session 08】コロナ当事者から 10:50~11:40(司会:上 昌広)
●体感で行動するようになった歌舞伎町
手塚マキ (Smappa!Group会長、歌舞伎町商店街振興組合 常任理事)

歌舞伎町では、今年1月頃は新型コロナ感染者が非常に多かったが、3月頃には殆ど話を聞かなくなっていた。6月、東京都医師会と新宿区で協力し、歌舞伎町に抗原検査場をモデルケースとして数日間設けた。営業前にスタッフ全員が検査を受け、来店前にお客さまも検査を受けるのだ。だが、商店街振興組合からは、「それを何故歌舞伎町でやるのか?」「歌舞伎町に感染者が多いということを触れ回ることになるのではないか?」という反対意見があり、協力する店舗は5軒にとどまった。
8月に入って一気に感染が拡がった。だが陽性者が出ても営業を止める店舗はもうほとんどなくなった。体調が悪い人間、もしくは明らかな濃厚接触者が検査を受けて、陽性者だけが休むという対応をとるようになった。新宿で働いている人達が、コロナに慣れてしまったせいといえる。これだけ陽性者が出たという話を聞き続けていても、重篤者の話は聞いたことがない。あるいは、罹っても1~2日熱が出た、もしくは無症状、同居人が罹患しても自分は陰性だった……など、周りに感染者が沢山いることで、コロナを見くびる風潮になった。世の中のニュースや行政の指示よりも、体感や個人の価値観で判断するようになってしまった。
更に悪いことに、ワクチンを打つ文化もなかなか根付かない。都市伝説的な情報を信じる人が多い。実際、9月3日から1か月の間、10時から24時迄、歌舞伎町の東宝シネマの横でPCR検査場を開設したが、1か月での利用者はたった二人だった。
もちろん、新宿で働いている人も、コロナに対する危機感は持っている。しかし危機感に慣れてしまったのだ。決して開き直っている訳ではない。その証拠に、地元に帰るときは検査を受けるという話をよく聞く。
つまり「コロナのことは気にしない経済圏」のようなものが一部にできあがってしまっている。その結果として、コロナ禍では、キャバクラでもホストクラブでも客層がかなり偏った。多くの人に開けた社交場ではなく、夜の商売を中心とした人たちが楽しむ場になったということだ。それでは否応なしに治安が悪くなる。コロナ以前には、ネットのおかげで昔のようなアングラさがなくなってきていたのだが、少し時代を巻き戻すことになった。
ワクチン接種に対する価値観もそうだが、どのように水商売の人間たちに社会との接点、そして社会性を再び持たせられるかが、今後の課題になるだろう。
●SEISA / FGCによるスポーツを通した社会改革 ―「TOKYO2020大会」ブータン王国との協働活動―
宮澤保夫 (星槎グループ 会長)

星槎グループ(SEISA)と世界こども財団(FGC)は長年にわたり、スポーツを通じ、またスポーツを超えて教育、健康医療、災害支援といった様々な分野において、各国のこどもたちや若い世代を育成する国際支援活動を続けている。近年は、社会改革にも力を入れ、アジアではブータンやミャンマー、アフリカではエリトリアと云った国を中心に活動している。
世界は広い。肌の色、言葉、服装、文化の違い、大国小国はあるが、国境は越えられる。仲間になれる。その国々の考え方、やり方があるが、その中で方向性や目標を明確にし、時間をかけ、エネルギーを注ぐ。経済面も、十分ではないが継続的な支援を行うことで、強い信頼関係が生まれ、前へ進む。
現在、星槎グループには、先の3カ国からの留学生がスポーツ奨学生として在籍している。星槎で学び、育ったアスリートたちが将来、母国に帰り、選手あるいは指導者として星槎の心=三つの約束「人を認める、人を排除しない、仲間をつくる」を伝え拡げる、そんな循環が創れたらと想い描いている。
今夏、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、TOKYO2020大会)が開催された。遡ること8年、同大会開催都市に東京が決定し日本中が沸いた。オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は、国際親善・スポーツ振興のみならず、開催国全体に大きな活力を与えることが期待される。特にパラリンピック大会は、開催を契機に共生社会の実現を目指すことが、超高齢化社会を迎える日本において大変重要なテーマとなる。
TOKYO2020大会開催の決定後、内閣オリパラ室からパラリンピックに未だ出場したことのない国が参加することができないかと相談が入った。ブータンは1983年にブータンオリンピック委員会が設立、承認され、1984年大会に初出場した。以降、特別枠で出場を続けていたが、パラリンピック出場経験はなかった。ブータンは「世界一幸福な国」として知られているが、障がい者の社会参加、支援、理解の定着には時間がかかっている。ダイバーシティ、バリアフリー、インクルージョン、パラスポーツといった共生社会からは、程遠い。障がい理解が不十分であるがため、差別が起きることも少なくない。そんな中、ブータンパラリンピック委員会の設立、パラリンピック・ムーブメント、そしてTOKYO2020出場、社会改革へ向けての協働が始まった。
スポーツの力を通じ、末端で良いので「これからの国」の国づくりに貢献したいと考えている。
●父のワクチン接種後の重篤な副反応疑いから見えるワクチン接種の問題点
原田曜平 (マーケティングアナリスト、信州大学特任教授、玉川大学 非常勤講師)
●生活困窮者支援の現場におけるcovid-19感染拡大の問題
吉水岳彦 (浄土宗光照院住職、大正大学非常勤講師、淑徳大学 兼任講師)
●歪んだコロナ病床補助金と公的病院の果たす役割
伊藤悠 (東京都議会議員)

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