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Vol. 269 国の科学研究費は 研究開発への「投資」費用です

医療ガバナンス学会 (2010年8月24日 06:00)


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医療現場危機打開・再建国会議員連盟幹事長
文部科学副大臣
鈴木 寛
2010年8月24日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


今回は国の科学研究費について、がん研究を例にお話ししてみたいと思います。
がんに関する国の研究費は3種類あり、昨年度で総額約70億円を計上していました。これまでは旧国立がんセンターがファンディング・エージェンシー(資金配分機関)を担っていましたが、今年4月の独立行政法人化に伴い、このうち1種類は国立がん研究センターの運営費交付金に組み込まれました。残る2種類の厚生労働科学研究費約50億円余は厚労省に戻され、今後の研究費の配分方法や使途に注目が集まっています。どのような方針で配分されるのが望ましいでしょうか。

研究費の在り方についてはあまり声高に議論されてきていませんが、科学研究費は本来、科学研究開発「投資」費用と考えることができます。生まれるリターンは何かと言うと、国民にとっての医療・福祉やQOLの向上、健康増進への寄与などになります。指標は、例えば健康寿命の伸び率など様々に考えられます。

これまでの厚労科学研究のステージは、基礎研究に偏っていました。人材輩出や基礎研究は文部科学省が担っていきます。厚労省には、基礎研究を臨床現場に実用化していくための”つなぎ役”である橋渡し研究の推進が相応しいでしょう。研究の場としては、ナショナルセンターや大学附属病院、製薬企業などがあります。

研究「投資」によい成果を出させるには、官僚組織とは別のファンドマネージャーが必要になります。ファンドマネージャーの役割は、このステージ上で最も効果的なポートフォリオを組む事です。リターンが確実な研究、ハイリスクハイリターンな研究などを、関わる事業体なども鳥瞰しながら上手に組み合わせていかねばなりません。研究者に指導するなどして内容にも関わり、厚生労働大臣は結果を見て、ファンドマネージャーの評価・任免を行うべきです。

こうした研究「投資」の仕組みを国全体でブラッシュアップさせていくためには、各研究分野のポートフォリオに関する専門家が必要です。博士号の人材輩出も行っていきたいと思います。

(この文章は『ロハス・メディカル』8月号に掲載されたものです)

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