医療ガバナンス学会 (2022年3月14日 06:00)
伊沢二郎
2022年3月14日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
2月18日BSフジテレビ-プライムニュースのテーマが気になり、チョット覗いてみた。がしかし平均的な国民には納得し難く冒頭のやりとりだけでチャンネルを変えた。
出演は自民党・国光あやの議員(医師)・神奈川県医療危機対策統括官・阿南英明医師・埼玉県医師会会長・金井忠男医師
です。
阿南統括官はコロナ第五波迄とは明らかに病状が異なるオミクロン株についてコロナではなく“オミクロン病”とする概念作りが肝要との主旨を述べた。
言わんとするところは、これ迄のコロナへの概念を変えて新しいやり方で立ち向かうべきと言うことのようです。
しかし“オミクロン病”と云う概念をもつべし、は誰に言ってるのでしょうか。
人間がどう思うがコロナは変異を重ね、その結果がたまたま今は肺炎に至ることが少ない、と言われているに過ぎない。
この先病原性が弱くなれば願っても無い幸いだが、分科会・尾身 茂会長の言葉を借りればそれは“神のみぞ知る”。
この方、諦めてくれと言わんばかりに、オミクロン株抑制の新機軸対策は無いとも言い匙をなげた、匙をなげるなら職もなげて欲しいものだが。
防疫と医療は別物だから感染症学者らしい人達がなにを言っても、阿南統括官自ら言った通り如何に重症者を出さないことが最重要、とお考えなのでしょう。
本来なら感染力がより強く変異を遂げているオミクロン株だからこそ、まともな防疫対策が必要とされるのに、第一波から市中の無症状陽性者への対策を極一部の濃厚接触者にしかやって来なかった。
その結果が今の現状であり、ご自身も神奈川県の医療責任者として苦労しているのでしょう。
医療にこんな事態を招いている分科会専門家は、やることもやらずして恥ずかしくも無く、新機軸のコロナ対策は無いなどとよくぞ言ったもんだ、判断力は大丈夫か。
こんな人達が指揮を執るコロナ対策は迷走を続けるばかりだが首尾一貫してブレないのは、検査抑制方針です。
この為には屁理屈以下の理由を並べ立て方針を変えず検査を抑制してきた。
根底に有るのは、コロナ陽性者は隔離しなければならないから、検査を拡充したら日本中の病床が埋まってしまうと云う思いでしょう。
そうなってはまずいと、今では空気感染が世界の常識なのに主要な感染要因は飛沫・接触によると言い張り、検査を限定する濃厚接触者のクラスター調査の範囲に止めて検査数を抑制した。
空気感染を認めるとなると、検査対象は市中に存在する不特定多数に及びその数は桁違いに増えるからと思うのだろう。
前述の阿南統括官が言う“オミクロン病”と云う概念、ウィルスが今なお変異を遂げつつ在ろうこの時期に、このことを言う意味或いは意図が分からない。
コロナの概念を変えようと言うなら、感染症ムラの専門家達が頑なに変えようとしない“飛沫感染”の概念を変えるべきです。これが変わればこれ迄の感染対策が大間違いであったことが公になり、ガラっとやり方が変わる。治療薬共々、コロナ対応のゲームチェンジャーになり得るのではないか。
この日同席の金井医師会会長、国光議員のコメントも素直には受け取れない。
金井会長は、さいたま市で16日に発生した基礎疾患が無い10代男性コロナ患者死亡の報道に関して、何の根拠か有ってのことかは分からぬが、疾患が有ったのではないかと述べ、死因がこれ迄にも見られる血栓とされたことに驚く、とも述べた。今は全てがオミクロンと思っているのだろうか。
聞くこちら側の理解力不足なのでしょうが、医師会会長さんのこのコメント自体が驚きです。
“オミクロン病”なる概念について論じられる流の中で、国光議員はよく言われる“正しく恐れる”ことが肝要との主旨を述べた。
申し訳ないが六回も偉い目に会えば、「そんな事分かってるわい」と言いたい。
今我々国民にとって正しく恐れるべきは、保健所の健康観察下に在っても適宜救急搬送もさえされず、入院後程なく死亡する事例が後を絶たないことだ。