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臨時vol 20 「マルチメディアWebコンテンツによるビジュアルな情報活用」

医療ガバナンス学会 (2006年6月28日 15:23)


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2006年6月28日発行
株式会社リコー
ソフトウェア研究開発本部 研究統括センター
蓼沼 成一

● はじめに

ブロードバンドの急速な普及に伴い、インターネットの世界においては、従来
のテキストや画像の情報だけではなく、音声や映像といったネットワークの帯域
を多く必要とするいわゆるマルチメディアコンテンツも流通しはじめている。

マルチメディアというと、音楽や映画、ゲームといったエンターテイメント系
のコンテンツが先行し、現在でもそれが主流である。しかし、近年はテレビ会議
やネット会議、映像を伴ったeラーニングやインターネットでの公開講座など、
マルチメディア情報がビジネスや教育の世界にも広がってきている。そして、こ
の流れは通信技術の高度化、通信コストの低価格化とも相まって、ますます加速
すると考えられる。

ここでは、音声・動画と資料(PowerPoint)を組み合わせ、視聴者の理解を助
け、時間や場所を選ばない情報伝達や情報共有を実現し、ビジュアルな情報活用
を可能とするツールについて紹介したい。
● マルチメディア情報の活用に向けて

音声や動画には、動きや雰囲気を臨場感をもって情報を伝えることができると
いう利点がある。文字情報に音声情報が加わることによって人間の理解はより進
み、そして映像情報が加わることによって、理解はさらに深まり、記憶にも残る。
これらの利点を最大限に活用すれば、我々の日常のさまざまな知識や情報の伝達、
組織や時間・場所を超えたコミュニケーションを飛躍的に向上することが可能と
なる。

こういった背景のなか、映像情報と画像、テキストなどを複合的に同期させる
技術(SMIL: シンクロナイズドマルチメディア技術)が登場し、理解しやすいマ
ルチメディアWebコンテンツとして講演記録などに利用されるようになってきた。
いくつかの企業では、IR関係の情報発信などで利用している。しかし、動画や音
声の処理にはまだまだ手間がかかり、撮影や編集、配信、管理など、質の高いコ
ンテンツを作成しようとすればするほど、多額のコストと時間、専門知識が必要
となり、手軽に活用できるものではない。

マルチメディアの情報を活用する上で大きなハードルとなっているこの「コス
ト」、「時間」、「専門知識」といった課題を解決すべく、リコーでは動画を簡
単に扱うためのユーザーインターフェース、動画に埋め込む付加情報(メタデー
タ)生成や、動画との関連付け(映像インデキシング技術)といった技術の研究
開発を行っている。そして、ビジュアルな情報を手軽に活用するためのツールと
して、映像撮影終了後、わずか1分程度でマルチメディアWebコンテンツが制作
できるMPMeister(エムピーマイスター)をこれらの技術をベースに開発した。

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動画/スライド統合コンテンツ簡単作成ソフトウェア
<a href=”http://www.ricoh.co.jp/mpmeister/”>http://www.ricoh.co.jp/mpmeister/</a>- – - – - – - – - – - – - – - – - – - – - – - – - – - – - – - – - – - -
●マルチメディア情報活用シーンの拡大

これまで一部の専門業者に高いコストをかけて委託し、作成していたマルチメ
ディアコンテンツが、手軽に、短時間で作成できるようになると、ビジュアルな
情報の活用が格段に進むことになる。これにより、情報の発信者の負荷が大幅に
軽減され、マルチメディア情報活用のシーンが広がってくる。そして、情報の受
け手である視聴者に大きなメリットが生まれる。

□ 多くの人に聞いてもらいたい講演
講演終了後、すぐに使用したPowerPoint と講演の様子を映した動画のコンテ
ンツがインターネットで配信。ライブで聴講したくても、時間的・物理的制約か
ら参加できない場合にも、タイムリーに情報が入手できる。

□ 全員に徹底すべき情報の伝達
トップのビジョン、情報セキュリティやコンプライアンスなど、紙文書やメー
ルで配布していた情報でも、インパクトのあるマルチメディアコンテンツとして
イントラネットで関係者に配信。必要なときに、いつでも視聴でき、情報の徹底
が図れる。

□ 研修内容の水平展開
ひとつの部署で実施した研修会やセミナーのコンテンツを、実施したその日の
内に他部署にCDで配布したりやイントラネットで配信。何度も繰り返し同じ研修
を開催せずに低コストで展開できる。eラーニング教材としても活用できる。

□ 繰り返し確認が必要な重要な情報の伝達
必要な部分をPowerPointの画面と、映像と音声による解説で、何度でも繰り返
し確認ができ、きちんと理解させたい/したいコンテンツには最適。

□ 新商品の説明
これまでは担当者が足で説明に走り回っていた新商品の紹介を、発売と同時に
担当者の生の声で、一斉に伝達。タイムリーなPR効果が期待できる。

これらは、特にマルチメディアコンテンツが効果を発揮する活用シーンのごく
一部であるが、アイディア次第でさまざまなシーンに応用できる。例えば医療分
野でも、製薬メーカーから病院関係者への新薬や新しい治療法の解説、医療関係
者から患者さんへの病気や治療に関する説明など、最新の詳しい情報を、タイム
リーに分かりやすい形で必要とする人々に提供することが可能である。

 

●マルチメディアWebコンテンツのデジタルアーカイブと活用

このように作成されたマルチメディアコンテンツは、データベース化すること
によって、情報が財産として蓄積され、ライブラリーのように共有化を図ること
ができる。

MPMeisterの特長のひとつは、マルチメディアコンテンツを生成する際に付加
する情報(メタ情報)が、MPEG-7 というISOの国際標準規格に則って自動的に記
述される点にある。MPEG-7は、映像や音声コンテンツの構造や内容を、色の特徴
など低レベルの記述から、「ビデオの何分何秒目から何が映っている」という高
レベルの記述までを行える体系である。これによって、コンテンツが膨大な量に
なったときにも、タイトルや発表者の名前といった検索キーワードだけでなく、
きめ細かいシーンや特徴量を利用した検索が可能になる。

□ 研究発表のWebコンテンツ化とアーカイブの例

2003年度に設立された日本データベース学会では、毎年開催されている年次大
会において、初年度から基調講演をはじめ、3日間に複数会場で行われる150~
180件の研究発表を基本的に全てMPMeisterで収録し、Webコンテンツにしている。
発表日にはすぐに会場内で閲覧できるようにし、参加できなかったセッションの
発表もその日の内に視聴することが可能になったことで、研究者間のディスカッ
ションも一層活発になり好評を得ている。

2003年度以降にWebコンテンツ化された年次大会の発表は、デジタルアーカイ
ブとして同学会の会員専用のサイトでストリーム配信されている。
(詳しくは同学会の事例紹介を参照されたい。http://www.ricoh.co.jp/solution/jirei/330101_6_j/index.html)
● おわりに

ITが進み、私たちが必要とするほとんどの情報はインターネットで簡単に入手
できるようになってきている。しかし、ITによって私たちの生活が便利になる一
方で、高齢化社会におけるデジタルデバイドや、都市集中による地域格差は深刻
な問題である。マルチメディアコンテンツは映像や音声によって知識や情報を誰
にでも分かりやすく伝えることができる。また、生の情報にはかなわないが、話
者の「顔」が見えることで、遠隔地であっても、雰囲気も伝えることができ、聞
き手に安心感を与えることもできる。

ビジュアルな情報を活用することで、ITの恩恵に誰もが等しく浴することので
きる時代になりつつある。

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