最新記事一覧

Vol.24071 大学生起業家の想い

医療ガバナンス学会 (2024年4月17日 09:00)


■ 関連タグ

株式会社こんにちハロー代表取締役CEO
東京大学工学部3年
早見星吾

2024年4月17日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

私は東京大学に通う工学部3年生で、先日起業いたしました。

私が起業を志した理由はズバリ親が起業家だからです。父は22歳の時IT業界で起業し、10年ほど前には株式会社ワイズも起業して、自費のリハビリ施設「脳梗塞リハビリセンター」の運営をしています。
医者の子供が医者になることが多い、甲子園を目指した父の息子も甲子園を目指すと言ったように私も親の影響を受けて幼い頃から起業願望がありました。大学入学後の学生生活を勉学や塾講師に明け暮れている中で昨年末、米国シリコンバレーにインターンで行く機会があり、事業化できそうなアイデアを見つけました。現地ではもちろん日本に帰ってからも父とビジネスモデルを策定・具体化し、想定可能なリスクとベネフィットを何度もシミュレーションして本年3月起業に至りました。

私が始めた事業はAIと人によるサポートを組み合わせた動画翻訳サービスです。(http://konnichihello.com)

私がこの事業を始めるに至った経緯は、地元への還元をしたかったことです。
私は曾祖父の代から築地で生まれ育ち、叔父が築地市場で3代目として干物屋を経営していて、築地にとても思い入れがあります。母・祖父と同じ小学校に通うなど、私はまさに江戸っ子ならぬ築地っ子なのです。私の地元の友達の親族も築地市場で店を経営していて、街を歩いていると高頻度で知り合いに遭遇する、そんな温かい街で私は育ってきました。

そんな築地の街の様子が少し変わったのはコロナ禍が明けた最近のことです。

外国人観光客を中心に築地市場を訪れるお客さんの数が激増しました。
インバウンド向けの商品もたくさん売り出されるようになりました。しかしここで課題になっているのが言葉の壁です。築地は家族経営の店が多く外国語ができる人材として追加人材を雇うことをあまりしません。また基本的なお金のやりとりは何とかできても、昔からの自社のこだわりを上手く伝えられない、というような悩みが多くありました。この悩みを自分がサポートできないかと思いました。

幸いにも私は海外経験が多少あったため、自分が曲がりなりにも何か力になれそうだと感じました。ちょうど去年の年末シリコンバレーに訪れた際に発見したAIツールが非常に面白く、課題解決に最適だと感じました。
このAIツール「HeyGen」は入力された声のまま他のテキストを話させることができ、さらに唇の動きも新たなテキストに基づいて変換されます。しかし翻訳はできても所詮機械翻訳程度。ビジネスで使うには精度が低く、結局英語が分からなければその精度の低さにも気付けないという状況でした。そこで私はこの精度の低いところを修正することで、築地の人たちの悩みを解決できるのではないかと考えました。

さらに私が東大に所属していたことも後押しになりました。私の周りには語学力のあるハーフや帰国生の友達が多く、翻訳の精度の面で大きな支えとなっています。
HeyGen社米国本社と年末から3ケ月間交渉して契約を交わすことができ、翻訳学生ネットワーク作りも順調に進み、私は日本語動画をその人の声のまま唇の動き込みで他言語に翻訳するサービスを4/17(水)に開始しました。

サービス開始前に実際のデモを見た父の取引関係の方からもご意見や既に注文も頂き、その中にはインバウンドの集患をしたいクリニックもいくつかありました。
医療専門用語をどうするのか、医療系の専門用語を含むものは医学部生にやってもらうのか等課題は山積みですが、築地そして日本文化発信に貢献できるように全力で取り組んで行こうと思っております。

応援よろしくお願い致します。

MRIC Global

お知らせ

 配信をご希望の方はこちらのフォームに必要事項を記入して登録してください。

 MRICでは配信するメールマガジンへの医療に関わる記事の投稿を歓迎しております。
 投稿をご検討の方は「お問い合わせ」よりご連絡をお願いします。

関連タグ

月別アーカイブ

▲ページトップへ