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Vol.24172 Z世代躍進

医療ガバナンス学会 (2024年9月10日 09:00)


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Z世代躍進

サッカー通りみなみデンタルオフィス
院長 橋村威慶

2024年9月10日  MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

筆者は東京都で歯科医院を開業している。ここでは最近興味のある事や日常診療の中で出会ったエピソード、歯科医療をめぐる情勢、時事的な話題などをとてもゆるい感じで伝えたいと思う。新進気鋭なことは先輩諸氏や後進にお任せする。なので、高度なことは書かれておらず、期待せずに読んでいただくか、読み飛ばしてもらいたい。

筆者は団塊ジュニア世代である。世代といえば他に団塊、ゆとり、Z世代などをよく耳にする。ミレニアム世代もたまに聞く。団塊ジュニアは働き盛りと言われている。まだ団塊も頑張っているよという感じだろうか。

いろんな世代の中で、筆者と感覚が違うなと思うのはZ世代だ。他の世代とはああ、なるほど、わかるわかるという感じだが、Z世代は、え、なんで?と考えさえも湧かない思考をする。自分がオッサンでついていけないというのもあるが、それだけではなく何か根本的に違うものがある。

きっかけは数年前、Z世代の学生が歯科医院の助手としてきたことまでさかのぼる。

その若者は歯学部の学生だった。私は何故歯科医院なのかという疑問が湧くと同時に違和感を覚えた。効率を考えたら家庭教師や塾講師とかすればいいのに、なぜ歯科医院なのか?何よりも、たぶんこれからリタイアするまで歯科医療に係わってていくのに、今から敢えて関係を持たなくてもいいじゃないのか・・・

そのZ世代のアルバイトの学生に聞いたところ、そこまで強い理由はないが、将来役に立つかもしれないと同じZ世代の先輩が言っているので歯科医院でのバイトを選んだそうだ。そして同じように歯科医院でアルバイトをするZ世代の歯学部生がいるとも言っていた。

話を聞いても腑に落ちなかった。時給も低いし、何より気持ち的に歯科関係ばっかりだと頭が変になってしまうのではなかろうか。ちなみに筆者の学生時代では歯科医院でバイトをする同期は誰もいなっかたし、筆者の世代は歯科医院のバイトだけは絶対やりたくないという気持ちが多数を占めていると断言できる。また、他の開業医の先生たちに聞いてもZ世代のアルバイトはいないと言っている。たまたま変な集団に出会わせたのだろうか・・。

ところがその若者をきっかけに現在のところ4人のZ世代の歯学部生が当院に来ている。というか新しく来る歯科助手のアルバイトは歯学部生ばかりだ。これは当院の近くに歯学部大学が何校かあるためかもしれないが、さすがに偶然とは言い難い。来るならとうの昔に来ているはずである。その中には留学生もいる。Z世代は世界共通なのだろうか。そして学生たちが来るたびになんで歯科助手なのと聞いているが、全員前述の若者と同様なことを言う。

Z世代の特徴をChatGPTに聞いてみると、1.デジタルネイティブ、2.多様性と包容生、3.エコ意識と社会責任感、4.即時性と効率性の重視、5.個性の尊重、6.自己学習とクリエイティビリティと出てきた。

おお、確かに当たっているような気がする。歯科医院でバイトをするのもうなずける。

ちなみに団塊ジュニアの特徴は1. デジタルギャップ、2. 経済的な困難、3.社会参加への消極性だ。なんだか比較すると悲しい気持ちになる。

Z世代は今後間違いなく日本社会の中心になっていくが、全体の就労者数としては少ない。少ないが統計の数値に表れはじめているような気がする。2014年から2024年の10年間に歯科医師の勤務歯科医師が2.6%増加している。開業ありきの歯科医師業界にとって注目に値する数値である。これはZ世代の多様性とクリエイティビリティが関係しているかもしれない。

なにはともかくZ世代は人類学的に優秀であるのは間違いない。筆者のような者がZ世代できることは全力で応援する以外ないと思う。夢まちがっても昔の武勇伝なんか語ってはいけない。

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