■成田で大阪の高校生グループ確定例確認
連休明けには、想定したとおり、下記のような帰国者からの「疑い症例」も全
国的に相次ぎ、今朝からの報道のとおり、成田帰国の高校生達複数例の確認・隔
離となりました。米国では日本人男児も含め全国的な拡大を見せており、世界的
にも26カ国、3000名以上の症例となっており、幸い重症例はすくないもの
の、引き続き当面の「臨戦態勢」が問われています。本日、県の対策本部会議が
持たれています。
この間、一般医療機関での「診療拒否」を厚労大臣まで非難するような事態は、
現場の状況をわきまえないものと思われますが、「発熱相談窓口・センター」(
保健所)、「専用外来医療機関」との押し付け合いではない柔軟な対応と一層密
な情報提供交換による連携が課題となっております。
■県内新型インフルエンザ疑い例(明石)について
県内において専用外来医療機関受診により、5/7に新型インフルエンザの県
内初の疑い例届け出(生後4か月の女児。米国に在住しており、5月2日成田空港経
由で一時入国)がありました。感染症指定医療機関に入院していただくとともに、
検体を、県立健康生活科学研究所及び国立感染症研究所に搬送し、確定検査を行っ
た結果、陰性であることが判明し、事なきを得ました。上記確認例も出てきてお
り、当面帰国者を中心とした警戒が必要です。引き続き「発熱相談窓口」等での
対応を基本に、外来窓口での事前チエックに留意ください。
■神戸新聞の誤報(5/7)について
標記神戸新聞が、神戸市の発熱相談センターが発熱者全てを対象として県の対
応と違うように報じたのは事実誤認であり、神戸市医師会は同新聞と市行政にも
抗議を申し入れたとのことです。神戸市では、保健所及び各区保健福祉部に新型
インフルエンザの相談窓口を設置するとともに、4月29日には神戸市発熱相談セ
ンターを立上げています。同センターでは、海外渡航歴があり発熱などの症状が
ある市民の相談を受け、直接医療機関へ受診することを避けるようお願いしてい
ます。渡航歴がない市民まで必ず相談するような呼びかけは行っていません。た
だし、休日、夜間には、区の相談窓口を開設していませんので、神戸市発熱相談
センターで対象以外の不安な方の相談に対しても幅広く対応しているのが現状と
のことです。
本件については、神戸市保健所より、神戸新聞に対し誤解を招く報道がないよ
う申し入れがされました。
■発熱相談窓口・保健所との対応について
「発熱相談」の対応をめぐっては、神戸市以外からも下記のような事例が報告
されており、「まん延国」(現指定では、メキシコ・アメリカ・カナダ三国のみ)
と「発生国」を画一的に切り離し、連絡も無く一般医療機関に行けという対応だ
けでは困ります。設備・備品も含め基本的感染防御体制の困難な機関もあること
への配慮も必要です。保健所か患者より受診機関に事前連絡があって然るべきで
しょう。
<事例 2 5/7>—————————————————
本日以下のような患者さんが当院を受診されました。
30代女性、ゴールデンウィークにフランスとイタリアへ旅行。出発時より咳
がありましたがここ1,2日症状が悪化したため、まず保健所へ電話されました。
発熱外来の適応ではないとされ(新型インフルエンザの発生はあるが、まん延国
ではないので)、当院へ来られました。事前連絡はありませんでした。
その時点で自家用車内待機を指示し、他の患者さんの途切れた時点で呼びいれ、
マスク、ガウン、手袋で診察を実施、簡易検査でもインフルエンザは陰性でした。
熱は37度。診察中は他の患者さんを院内へ入れませんでした。
事後に保健所にも報告しております。現時点では特に疑い例としても報告する
つもりはありません。保健所からもそのような指示はありませんでした。もっと
保健所には柔軟に対応してほしい気がしました。また兵庫県は発熱外来を公表さ
れておりませんので複雑に感じた次第です。
実際問題PPEも供給されてはいない診療所が多少とも疑いのある患者を診るの
は大変だと感じました。
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このような混乱の無いよう、本部は、各保健所にも留意いただくよう県担当に
申し入れを行いました。
(以上)