医療ガバナンス学会 (2011年3月31日 14:00)
1 今回の疎開作戦は、震災時の介護施設の避難モデルとなる可能性がある。将来の判断に資するため、最終的には、本作戦に関する収支を公開したい。
2 小名浜ときわ苑の介護事業の収支を明確にする。
3 かんぽの宿鴨川の利用料金については、従来の料金と利用率や、国の方針を考慮する必要があるので、日本郵政を含めて後日検討する。最終的な処理について、国と日本郵政に公表するよう要請する。
4 最終的な不足部分は、国費で賄うよう請求する。被災者側と受入側の双方とも、損も得もしないようにすることを原則としたい。受け入れ側が損をすると、 将来の受け入れ活動を阻害する。大きな利益を得るようだと、社会の反発を招く。事業の収支が明確になった後、寄付の扱いを考える。
5 疎開した小名浜ときわ苑から、従前通り、いわき市に介護報酬を請求する。これは本作戦の最も重要な前提であり、作戦開始前に、ときわ会グループ会長といわき市長の間で政治的な合意を得た。双方の担当者で実務レベルの交渉を早急に開始する。
6 疎開中の施設運営に支障がなく、元の場所へのスムースな復帰を可能にし、長引いた場合にも対応できる持続可能な財務モデルの構築が必要である。
7 会計上、小名浜ときわ苑の損益計算書等に関しては、きちんと本部と切り離して作成し、管理していく。法人本部(仙台)から経理担当者が鴨川に常駐し、 出納管理する。本部が従前通り業者への支払いなどを行なえるなら、実際のキャッシュは切り分けなくてもよいだろう。ただし、手元のお金は必要である。
8 鴨川で疎開中の小名浜ときわ苑固有の口座を作るが、キャッシュカードは現時点で利用できない(キャッシュカードはいわき市のときわ苑の住所地に送付さ れるが、受け取りは難しい、かつキャッシュカードは転送できない。ただし、交渉中。)。銀行の窓口で振込手続をするのは手間がかかることもあり、職員の給 料を振り込んだり、取引先に支払ったりするのは従来通り、本部を通して行うのが現実的と分かった。
9 給料は、毎月15日時点での計算。介護保険収入は2か月前のもの。したがって、3月の収支については、今までと大きな変わりはなく、疎開したことに伴う雑費が従来と異なるものになるだろう。
10 人件費については、個人および日数換算で勤怠管理する。福島に残った職員との案分が最終的には必要になる。
11 物品類の調達については、通常の商慣習に従う。小名浜ときわ苑で必要な薬剤や診療材料は、亀田グループの会社が必要なものを確保し、販売する。介護 用品、紙おむつ、ポータブルトイレなども同様に対応する。亀田グループ外からの購入も自由にできる。ベッドについては、亀田グループの会社で持っていた在 庫に加え、他社からも100台リースしている状態である。
12 疎開期間は、原発と上下水道などインフラの状況が許せば、出来る限り短くしたい。現時点では、最低1か月~数か月が現実的か。